冬の家庭菜園/冬の野菜とこれだけはやっておきたい事ー趣味の野菜づくり

作業予定
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外は寒いし収穫物も数少なくなってくると畑に行く回数も減り、気分は冬ごもりと言う方向へ向かいがちになってしまいます。しかしここが我慢のしどころ、家庭菜園にとって冬こそやっておくべき仕事があり、そして寒い冬を乗り切ってじっと春を待つ野菜たちのサポートも必要です。
来年のより良いスタートと栽培の成功を期して無理せずほどほどに頑張れば健康にも良い事うけあいです。

冬に収穫出来る野菜

冬に種蒔きしたり苗を植えたりできる野菜を紹介したいところですが、当地は積雪地ですのでトンネルが雪でつぶれたり、又冬は日照も少なくトンネル効果が期待できないので冬の種蒔きは一般的ではありません。
ここで挙げた冬に収穫出来る野菜は基本的に秋に種を蒔いて育てる野菜が多いです。

小松菜ホウレンソウ春菊ミズナ

家庭菜園では青菜の代表的な野菜ですが、いづれも寒さにも強く秋から冬にかけて収穫するのに適しています。
しかし温暖地ではともかく晩秋以降は好天に恵まれなく、又積雪がある当地ではその期間にすくすくと成長させるのは無理があるので、適切な時期までにある程度育てたものをトンネルを掛けて温存する形になります。
したがって冬採りを目指す場合は9月下旬から10月初め位に種を蒔き、朝晩の気温を見計らいながら生育途中でトンネルを掛けるようにしています。
収穫については降雪が本格化する12月末ごろまでには順次終えてトンネルを片付けるようにしています。

冬ネギ(長ネギ)

4月初めに苗床に種を蒔き、定植を7月上旬に行い、収穫は11月~12月が一般的ですが、積雪の恐れが無い地域なら畑に残しておいて年が変わっても収穫し続ける事も可能です。

ダイコン

8月末~9月初めに畑の畝に直接種を蒔けば、11月には太りの早いものから必要の都度収穫出来るようになります。
12月になったら天候の状況を見ながら降雪前に一括収穫してしまいます。

カブ

8月末~9月上旬に畝に直蒔きして育てますが、10月半ば過ぎから小カブが採れ始めてその後中カブ、大カブへと成長を続けて、11月末~12月上旬に収穫を終えます。
もし12月いっぱい位までは畑に残したいと言う事であれば可能ですが、氷点下の気温で傷まないように早めに収穫して家で保存した方が良いでしょう。

ニンジン

8月上旬に畝に種を直蒔きし、細いものなら11月に入ると採れ始め、最終収穫は12月上旬の降雪前に行います。
ニンジンはほぼ土の中に埋まっているので寒さには強くたとえ雪の下になっても駄目になる事は無いので必要の都度掘り採る事も可能です。

キャベツ

キャベツにはたくさんの栽培時期がありますが、冬用のキャベツは初冬採りから雪下キャベツにして春先まで収穫する作型になります。
わが家では8月10日と15日を目安に2回に分けて種を蒔き、定植はそれぞれ種蒔きから1か月後にしています。
早すぎると降雪前に玉が肥大し過ぎてパンクしてしまい、遅すぎると結球前や未だ小さいうちに気温が下がり発育不全で終わってしまう事があるので安全策として2回に分けています。

ブロッコリーカリフラワーロマネスコ

7月半ば過ぎにポットに種を蒔いて育苗のうえ種蒔きから4週間弱で定植します。
ブロッコリーだけは頂花蕾を収穫した後に1株3~4個の側花蕾の収穫が出来ますが、栽培時期が遅れると寒くなってしまい側花蕾が採れなくなるので注意が必要です。
ロマネスコは栽培期間が他に比べてやや長いので、これも遅れないようにする必要があります。
初収穫はブロッコリーの頂花蕾が10月上旬と一番早く、ついでカリフラワー、少し遅れてロマネスコとなりますが、採り終えるのはブロッコリーの側花蕾とロマネスコが少し遅く、例年12月末頃となります。

セロリ

少し手間のかかるセロリですが香味野菜として冬の間あれば便利で重宝します。
5月に入ったらポットに種を蒔いて育苗しますが、冷涼地ではない当地では夏場の定植は難しいので、一度ポット替えして9月上旬の定植迄に涼しい半日蔭で大苗に育てています。
収穫は通常11月半ばから~12月末までですが、採り残した時は1月になっても収穫する事があります。

冬を越して春に成長させて収穫する野菜

秋に種を蒔いたり苗を定植する野菜たちで厳しい冬を乗り越え春になると成長を始めます。
降雪による痛みを少しでも和らげて春の立ち上がりを早める為にも雪除け、防寒などの冬作業は欠かせません。
越冬春採りの作物には他にも植えっぱなしのアスパラやワケギなどがあります。

玉ネギ

9月に200穴のプラグトレイに種を蒔いて育苗してから11月上旬に定植しています。収穫は翌年の6月半ばですがその間冬期間に根がダメージを受けないようにもみ殻を敷いたり、病気予防の殺菌剤の散布などを行います。
又ベト病にかかった様子の株を見回って抜き取り処分して他に感染しないようにしています。

ニンニク

あまり手のかからないニンニクですが玉ネギ同様病気予防のための殺菌剤の散布を行っています。

春キャベツ

冬は害虫も活動期でないので心配ないと油断しているとヒヨドリに葉を食べつくされてしまいます。
防鳥網をトンネル状に掛けておくのですが雪で網が垂れ下がると網目から突っついて食べるので、常に張り直しや監視が必要でなかなか気の抜けない仕事です。

トウ菜(女池菜)川流れ菜

どちらも春になってトウ立ちする柔らかな花茎と葉を食べる野菜で、9月半ばに種を蒔いて苗をおこして10月半ばに畝に定植しています。
トウ菜は少し苦味があり、川流れ菜は苦味が無いので人によって好き嫌いが分かれそうです。
収穫期はトウ菜が3月上~中旬より採れ始め、川流れ菜は約半月遅れて採れ始めます。

スナップエンドウ

11月上旬に種を蒔いて10センチ内外に育った苗を雪害から守る為、冬の間はトンネルを掛けていますが、つぶれないように降雪のたびに周りの雪を払う必要があります。

アサツキ、エシャレット

毎年8月上旬に食べ残しを種として植え付けておくと、年内に葉が茂った後に寒くなるにつれ地上部が枯れます。そして翌春になると再び葉が展開して球根が太ると言うパターンで手がかかりません。
収穫としては新鮮な葉だったり球根だったりするわけですが、たくさん食べる訳でもないので次に植え付ける球根はたくさん残るという形が続いています。

冬期間にやっておきたい事

冬野菜の保存

冬の家庭菜園にとっては野菜をどうやって冬の間保存しながら利用していくかが重要なポイントです。
せっかく大事に育ててきた野菜ですから腐らせたり、畑で凍みらせたりしないように大事に使い切りたいものです。
以下は冬に保存する代表的な野菜の保存方法についてのわが家の例です。

ダイコンの保存

積雪地や氷点下になる地域では畑に植えたままと言う訳には行かないので基本的には収穫して保存する方が安全です。
収穫せず土寄せして地上部を埋めると言う方法もありますが、ダイコンは地上部も長いので容易では無い事と収穫もし難いなどから一般的ではありません。
家に持ち帰り保存する方法として簡単なやり方は大きなビニール袋に入れて凍る心配の無い屋内の土間などに立てて置いておく方法ですが、注意する事はビニール袋の口を少し開けておいて、ダイコンが水滴で濡れたり、逆に乾燥したりしないように加減してやる事です。
次の方法としては砂場に埋めてから雨除け兼防寒のゴザやビニールを掛けておくやり方ですが、一番安全で長期間の保存が出来ます。
保存する量が多い時は最初に砂場に埋めてから余った分をビニール袋で保管して、使う時はビニール袋入りから先に使う方法が良いと思います。

ニンジンの保存

ニンジンは地上に出ている部分がほとんど無いので畑で土寄せしておくのも簡単ですが、積雪地では収穫が大変なので、やはり収穫してしまうのが普通です。
保存はダイコン同様に砂場に埋めておくのが一番です。砂場に埋めきれない分はビニール袋で保護しなくともダイコンのようにすぐに乾燥したりしないので段ボール箱などに入れて屋内の土間にでも置けば十分です。
ダイコンと同じで埋めきれなかった分から使います。

長ネギの保存

積雪が無く気温も氷点下にならない地域なら畑から必要な分だけ抜いてくる方法が一番なのですが、当地域では一括収穫して保存するのが一般的です。
まれに塩ビの波板などを使って雪囲いしているのを見かけますが、持ち帰って保存する方が楽そうです。
保存と言っても強健なネギの保存は枯れ傷みや腐れなど心配する事は何もなく全く簡単です。
方法は付いている土が乾いたら車庫の土間などに新聞紙を敷いてネギを横にして並べたら上に新聞紙を掛けておくだけです。
もし場所が無い時は段ボール箱を縦にして開口したところへネギを生えていた状態で保存する方法もあります。
注意する事はネギに付いた土はそのままにして皮も剝かない、いわゆる土ネギの状態で保存する事ですが、長すぎる葉は適当な長さに切り落とした方が扱い易いでしょう。

白菜の保存

白菜の保存方法としては畑に生えたまま外葉で囲うようにして紐で縛っておく事がよく知られています。
しかしこの方法は雪で覆われない状態で氷点下の風にさらされる日が続いたりすると傷んで芯しか残らない状態になりかねません。
家に持ち帰り保存する方法としては、収穫した白菜の表面を乾燥させたら新聞紙で包んだ状態で生えていた形で縦置きにしておく方法があります。
置き場は凍る心配の無い屋内ならどこでも構わないですが、時々様子を確認してもし新聞紙が濡れていたら新しい新聞紙で包み直しをすると良いでしょう。

野菜の残渣処理と土質の改善

家庭菜園をやっていると残渣の処理も困りごとの一つです。
燃えるゴミとして大量に出す訳にもいかず、狭い菜園では残渣を埋める大きな穴を掘る事も出来ないので、苦肉の策で以下のような形で処理しています。

コンポストや残渣入れを使って処理

市販のコンポストの他に樹脂製ドラム缶の底を抜いたもの、さらにホームセンターで求めた樹脂製の畔シートを2枚円形につないで残渣入れにしています。
これに畑の残渣、台所の野菜くず、落ち葉などを入れて米ぬかと土を加えて腐熟するのを待っています。
残渣にはブロッコリーの茎など硬くて腐りにくいものもあるので出来るだけ細かくしなければならず結構な仕事にはなります。
完熟には時間がかかりますがゴミの処理と土質の改善と言う一石二鳥の良い面があるので労力を惜しまず気長に頑張ります。

ビニール袋に入れて殺菌

ネギ、玉ネギ、ナスなど細菌性の病斑が付いた葉を直接残渣入れに混ぜ込むのは危険ですので、一旦ビニール袋に入れて密閉して畝上に放置しています。
袋の中の残渣は日が経つにつれどんどん嵩が減って行くので、残った残渣をまとめてビニール袋に入れてから春の日差しに当てて殺菌し、その後に堆肥にします。

畑の畝上で処理

ダイコンの葉、ブロッコリーの葉、ニンジンの葉などは家庭菜園と言えどかなりの量の残渣となるので、残渣入れだけでは入りきれません。
その為荒く耕起して米ぬかをすきこんだ畝の上に春までこれらの葉を並べておきます。
この際注意する事は朽ちても筋の残り易いニンジンの葉などは半分に切断しておき後にミニ耕運機の刃に蒔き付いたりする事が無いようにする事です。
このようにして畝上に置いた残渣も春になれば嵩が減ってペシャンコ状態になり下の部分はほとんど朽ちたりドロドロの状態になっています。
天気の良い日にこの残渣をひっくり返して日に当てて、ある程度の水分が抜けたら残渣入れに入れれば畑は綺麗さっぱりとなり、春の畝づくり前の準備が整う事になります。

土質の改善

冬の間の重要な作業であり、畝を長く休める事が出来る冬にこそやっておきたい作業です。
ダイコン、ニンジン、冬ネギなど降雪前に収穫した後の畝は春までの数カ月は使う事がありません。
そのような畝は出来るだけ深く耕起して米ぬかをすきこんでいます。
米ぬかは精米している米屋さんであれば安く譲ってもらえるハズなので経済的であり、又米ぬかは有用微生物の餌になるので土質の改善効果が高く、加えてネコブセンチュウなどの増殖を抑える効果もあると言われています。
この時期に深く耕す事は土中の害虫の幼虫や卵を寒気にさらすことになるので、害虫の生息密度を下げるには大きな効果を期待できます
さらに土質の改善には堆肥も重要なので、わが家では購入している牛糞もみ殻堆肥に加え残渣や落ち葉を腐熟させたものも適宜すきこむようにしています。

プランターの用土の改善

プランターに植えてあった野菜も収穫を終えて冬の間は空きプランターも多くなります。
栽培を終えたプランターは作物の根を取り除き綺麗にしたうえで、来春そのまま使うものについては堆肥や腐葉土などを混ぜ込んでおくと冬の間に用土の改善が出来ます。
又次に栽培する野菜名を記した札など刺しておけば春の作業がスムースに進められるので、やっておきたい作業のひとつだと思います。

雪害対策と保温

降雪期になっても収穫期が続くセロリ、雪下キャベツ、収穫し切れずに残っているブロッコリー、カリフラワー、ロマネスコなどは雪でつぶれないように支柱を添えたり、雪で埋まっても場所が分かるように目印の支柱を立てて置くと安心です。
又冬の葉菜として晩秋に種蒔きしたホウレンソウやミズナは保温のためにビニールトンネルをしっかりと掛けて保温しておけば12月いっぱい、場合によっては年を越しての収穫も可能です。

道具、資材のチェック

いざ仕事を始めた後になってから石灰や肥料が足りない、あると思っていたマルチ用のビニールが無かったと言う事になったら仕事は中断、現役の人なら次の休みにせざるを得ないハメにもなりかねません。
翌春の事だから今買わなくても良いとは思いますが、気に留めておくだけでも効率的な買い物が出来るのではないでしょうか。

栽培プランのチェック

翌年の家庭菜園がスムーズに行くかどうかは実はこれが一番大事かもしれません。
計画を立てる上での要件はどこに何を栽培し、その場所は連作による支障が無いのか、そして次の野菜を作付けするまでの間に余裕を持って栽培を終える事が出来るのかなどが重要かなと思います。
この栽培プランについては作付け図と栽培予定表を自分で分かりやすいように作っておくと便利で間違いが無いと思います。

こうやって色々と列挙しながら考えて見ると野菜づくりに関しては冬でもやる事が多くある事が分かります。
冬に収穫出来る野菜についても工夫すればもっと発見できるかもしれません。
これからも興味を絶やさずに野菜づくりを楽しんで行きたいと思います。