7月の家庭菜園ー花蕾野菜の種蒔きと育て方/趣味の野菜づくり

作業予定
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ブロッコリー、カリフラワー、ロマネスコなどの花蕾を食べる野菜の種蒔き適期が近づいてきました。
これらの野菜は収穫が秋から初冬にかけてなのでゆっくりと構えてしまいがちですが、遅れないように注意が必要です。
夏野菜の収穫が盛期と言う事もあってなかなかそちらの方に気が向かない面もありますが、次の収穫の段取りもキチンとやっておきたいものです。
秋採りのキャベツも同時期の種蒔きですので、併せて紹介します。

種蒔きと育苗について

ブロッコリー、カリフラワー、ロマネスコ、キャベツともに家庭では一作5~10個程度あれば十分事足りる為、種を買ってまで蒔かなくとも苗を買った方が合理的だと考えている人は多いかもしれません。
しかし家庭菜園には育てる楽しみとかすこし余計目に作っておすそ分けする楽しみとかもあります。
余った種は適切な保管をすれば繰り返して数年使えるし、100円ショップの種を使う手もあります。
種を上手に使って適量多品種の栽培をする事が実用家庭菜園のポイントの一つなので初めての人も是非楽しみながらやってみてください。

家庭菜園での育苗は40連結ポットが便利です。簡単にちぎり分けられるタイプがあるので、必要数を専用のトレイにセットすれば少量多品種の苗づくりには最適です。手ごろな大きさなので用土も少なくて済み、又種蒔きから定植迄植替えする事も無く育てられるので手間もかからず簡単です。

種の保管の仕方

余った種は種袋の先を2⁻3回しっかりと折ってからセロテープで密閉したら外側をビニールコーティングされた紙袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
適当な紙袋が無い時は種袋を新聞紙で包んでからチャック付きのビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
いづれの場合も袋の中に乾燥材を入れておけば万全ですが、2⁻3年で使い切るまでなら無くとも支障なく発芽しています。
使う時は種袋を長時間冷蔵庫から持ち出すことが無いように、必要分を取り出したら速やかに冷蔵庫に戻すようにしています。

ブロッコリーについて

一昨年の10月19日の画像
緑の葉に隠れて分かりずらいですが、頂花蕾が既に採り頃になっています。

アブラナ科の野菜で頂芽の先に着いた頂花蕾と側枝の先についた側花蕾を収穫します。
発芽適温20~25℃、生育適温15~20℃とやや涼しい環境を好みます。
家庭菜園では側枝の出やすい品種を選ぶと良いでしょう。
春蒔きも出来ますが暑くなる前に収穫するには早春に苗づくりをする必要があるので夏蒔いて秋に収穫する作型より面倒だと思います。
又春蒔き栽培の場合昨今の猛暑もあって側枝が成長しないうちにタイムアウト終了となる時もあるので、家庭菜園では今回紹介の作型がお勧めです。

種蒔き時期と方法

7月20日前に種を蒔いています。
40連結ポットを切り分けたものに一作10ポット程に市販の種蒔き用土を入れて1ポット当たり4~5粒程度の種を蒔きます。
発芽したら成長に応じて間引きし、1ポット1本の苗を育てます。
育苗中は暑い時期なので風通し良く午前中のみ日が当たる程度の場所にポットを置いています。
又幼苗時は強い雨に当てると傷んだり、水分管理上も良くないので雨よけをしています。
幼苗時よりも葉が大きく育ってくると高温と直射日光に弱くなってくるので日除けしたり木陰に移したりする事もあります。

定植

種蒔きから1ヶ月弱で苗が出来るのでお盆過ぎに畑の畝に定植します。畝幅60cm、株間45cm程度で一列植えにしていますが、10号の丸プランターでも十分育ちます。
定植前2週間前迄には苦土石灰を1週間前迄には化成肥料をそれぞれ1平方m当たり100g程施し、堆肥も適量すき込むと良いでしょう。
この頃になると日中はまだまだ暑い盛りですが、夜は涼しさが感じられる時期になるので、日中はグッタリしていながらもなんとか頑張って育ってくれます。
そこまで無理しなくとももう少し遅くしたらとも考えましたが、遅いと頂花蕾は採れても、その後に育つ側花蕾が育たないうちに寒くなってしまう為にこの時期に決めています。

栽培中の手入れ

定植半月後位から2回程度1本あたり軽く1握りの化成肥料を株の周囲に施して土を軽く寄せておくと樹勢旺盛に育つので大きな花蕾が期待できます。
今回紹介の野菜全てに当てはまる事ですが、とにかく株を大きく育てないと大きくて立派なものは採れないので、肥料不足にならないように注意しています。
気温が低くなるまではモンシロチョウの活動が活発な為アオムシの被害が多発するので何らかの対策が必要になってきます。
対策としては防虫ネット、捕殺が一番良いのかもしれませんが、面倒なので最近は育苗時と生育中期迄にプレバソンと言う薬剤で防除しています。

収穫

その年の天候にもよりますが頂花蕾を10月15日~25日頃迄収穫した後、育った側花蕾を採り終えるのが12月20日頃です。小さくてもたくさん採れる側花蕾の方が長く楽しめて家庭菜園向きかもしれません。
頂花蕾を収穫した後は日当たり、風通し、養分の集中などを考慮して主枝の葉は全て切り落としているのですが、自己流なので良し悪しは分かりません。
尚側枝は多数発生するので生育中にバランス良く4本程度残してあとは切り落としておいた方が良い側花蕾が育ちます。

関連記事ーわが家のブロッコリーづくり

カリフラワーについて

一昨年の11月15日の画像
これから採ろうとしている処ですが、色も真っ白でちょうど良い採り頃になっています。

アブラナ科の野菜で通常花蕾は一つしか付きませんが、ブロッコリーよりも大きくて立派な物が採れます。
発芽適温15~30℃、生育適温15~25℃とブロッコリーとロマネスコに比べやや耐暑性が高いです。

種蒔き時期と方法

7月20日過ぎに種を蒔いていますが、ブロッコリーより少し遅らせているのは単に収穫時期を重ねない為で栽培上の問題ではありません。
40連結ポットを切り分けたものに一作10ポット程に市販の種蒔き用土を入れて1ポット当たり4~5粒程度の種を蒔きます。
育苗中は暑い時期なので風通し良く午前中のみ日が当たる程度の場所にポットを置いています。
又幼苗時は強い雨に当てると傷んだり、水分管理上も良くないので雨よけをしています。
この辺はブロッコリーと同じトレーにポットを入れてあるので全く同じです。

定植

種蒔きが遅れた4~5日分だけブロッコリーより定植が遅れます。
苦土石灰元肥などの施用や植え付けの株間などはブロッコリー同様です。
日中暑くともグッタリしている事は無いようなので、育てる方も気持ち良いかもしれません。

栽培中の手入れ

追肥、アオムシ対策などブロッコリーと同じにしています。

収穫

成長して花蕾が収穫出来る迄少し期間がかかるので収穫は例年11月に入ってからです。
成長した花蕾に直射日光が当たり続けると黄色味がかって来るので周りの葉を折るようにして覆っておくと白さが長持ちします。
又カリフラワーは大きくて食べ応えがあるので消費が思うように進まない事が多いのですが、そのような場合でもブロッコリーに比べて劣化が遅いので幾分安心できます。
劣化の遅さは気温が次第に低くなっている事も大きく影響しており、その事も栽培時期を考える理由になっています。

関連記事ーわが家のカリフラワーづくり

ロマネスコについて

一昨年の12月11日の画像
なんとも不思議な模様をしたロマネスコですがカリフラワーに比べ甘みもあり、大きいので食べ応えがあります。

アブラナ科の野菜でカリフラワーの一種です。花蕾は幾何学的な形をしておりカリフラワー同様に大きくて重量感があります。
発芽適温15~25℃、生育適温15~20℃とカリフラワーよりやや涼しい環境を好みます。

種蒔き時期と方法

花蕾もの3種の中では一番早くてブロッコリーの数日前に種を蒔いています。
それでも初収穫は一番遅く例年カリフラワーよりもさらに10日程遅れています。
育苗方法は全く同じですが、種がとても高価な為(25粒415円)1ポット1粒蒔きにして2年使っています。
それでも例年ほぼ100%に近い発芽率なのでいつもほっとしています。

定植

育苗期間はブロッコリー、カリフラワーとほぼ同じなので種を早く蒔いた分だけ定植を一番早くしているのですが、どうやら暑さには一番弱いらしく天候によっては寒冷紗で日除けしなければならない年もあります。
それでも最後の収穫は雪を払ってからと言う年もあるので、これ以上遅くするのは当地域では無理な感じがします。

栽培中の手入れ

追肥と害虫防除などは他と同じにしています。
元気な株は直径7~8cmの太い茎が1m程度の丈になるので、ある程度の大きさに育つまでは支柱を使って真っすぐに育つように注意しています。

収穫

例年11月10日過ぎから12月20日頃迄の収穫となります。
カリフラワーと同じで花蕾は先端の一個だけですが、気温も一段と下がってくるので成らせたままでも収穫した花蕾でも劣化はあまり進みません。
雪の降る頃迄ゆっくり穫れる事もこの野菜の良い所だと思っています。
尚茎は太くて硬いので収穫の済んだ株から使い古しののこぎりで切断しておくと早く朽ちります。
狭い家庭菜園では残渣を出来るだけ早く朽ちらせる工夫も大事かもしれません。

関連記事ーわが家のロマネスコづくり

キャベツについて

一昨年の10月23日の画像
しっかり巻いているので十分に収穫可能ですが、外葉が大きく成長しているのでもう一回り大きな玉になります。

アブラナ科の野菜で使用頻度が高くてなくてはならないキャベツは葉菜の主役とも言えるものです。
高温期を除き時期をずらしながら年に幾度となく栽培出来る事も強みです。
発芽適温15~30℃、生育適温15~20℃と涼しい環境を好みます。

種蒔き時期と方法

7月30日頃の種蒔きとしています。
方法はブロッコリーなどと同じように40連結穂ポットを切り分けたものに4~5粒づつ種を蒔いています。育苗中の管理なども同様です。

定植

8月26日頃をめどに定植しています。この頃になると日中は未だ暑い日がありますが、夜間温度はずいぶん下がってくるので安心しています。
石灰や元肥の施用、植え付け時の株間なども同様です。

※7月23日種蒔き、8月18日頃定植の少し早い作型も栽培していますが、僅か10日の違いでも日中の暑さで傷んで良い玉にならない時があるなど、この時期の栽培は天候に左右されやすい面があるようです。
栽培する地域やその年の天候などを考慮して適切な時期を選ぶ事が大切だと思います。

参考ーわが家のキャベツ作型(菜園は東北南部、新潟市近郊)

種蒔き 定植 収穫 備考
3/1頃 4/15頃 6/5頃~6/25頃 春蒔きキャベツ 育苗トンネル内 暑くなる前に成長させる必要あり
7/23頃 8/18頃 10/5頃~10/25頃 秋キャベツ① 定植後乾燥と暑さで大変な年もあり
7/30頃 8/26頃 10/20頃~11/10頃 秋キャベツ② 簡単に育つ時期だが取り遅れると破裂する
8/10頃 9/8頃 11/25頃~12/30頃 冬キャベツ① 簡単に育つが暖かい年は破裂する可能性あり
8/15頃 9/15頃 12/25頃~翌2/15頃 冬キャベツ② 寒さが早い年は小玉か最悪結球せずに終わる危険あり
9/30頃 10/30頃 翌4/15頃~5/15頃 春キャベツ 適切な大きさの苗の定植とトウ立ちし難い品種

キャベツは年間で6通りの栽培で、冬越し春キャベツ以外は全て同じ品種(やひこ)を使っています。
1回5~12本程度の極少量栽培ですが家庭では余っておすそ分けも出来る量です。
育苗は種蒔きから定植するまで40連結ポットを使うので用土の量も少なく、又植替えもしないので簡単で少量の育苗に向いていると思います。
保管している種で適時に必要分の苗を作るのは意外と楽しいもので、やり始めたらきっとハマる人が多いかもしれません。

関連記事ー家庭菜園の種蒔きと育苗

栽培中の手入れ

追肥、害虫防除についても全く同じやり方です。
只キャベツの場合はナメクジが玉の中まで進入して食害を受ける事が多いので、巻き始めの頃からとくに注意して観察しています。ナメクジの存在が少しでも疑われる時は誘引駆除剤で駆除する方法が一番無難かと思います。

収穫

今回紹介の作型の初収穫は10月20日頃が目安です。キャベツの成長には適切な時期なので生育旺盛で油断するとキャベツが破裂してしまいます。
成長の早いものから順次早めに収穫する必要があります。もし消費が間に合わないようなら収穫して冷蔵庫で保管する事も考えた方が良いかもしれません。

関連記事ーわが家のキャベツづくり

今回は7月に種を蒔く野菜を取り上げて見ました。
秋野菜、冬野菜と言えば一般的には8月末から9月始め頃に種を蒔くイメージがありますが、中には今回取り上げた野菜のように7月に種を蒔かないと間に合わないものもあります。
本格的な秋冬野菜のシーズンを迎える前にひと手間掛けておけば収穫の楽しみも増えそうですね!