わが家の玉ネギづくり

プラグトレーに種を蒔き、育苗してから露地の栽培畝に定植します 

家庭菜園向きの玉ネギの育て方です。200穴プラグトレイと育苗箱を使って種を蒔き、育苗した上で秋に定植し、翌年の6月に収穫します。
この方法は土壌細菌による苗の病害回避と育苗の為に畝を使わずに済む利点があります。
定植畝はマルチを張ると病害予防となり、春の生育も早まります。葉が根元から倒れ黄変したら収穫です。
玉ネギは使用頻度も高く、家庭菜園でも基幹となる重要野菜です。品種によっては6月から翌年2月迄常温での長期保存も可能です。

/AomusiGarden

玉ネギの基本情報

ネギ科、適応土壌酸度PH5.5-6.5、連作(OK)、発芽適温20℃前後、発芽可能5℃~
生育適温15-20℃、日照-日向

玉ネギの栽培時期 (わが家の作型)

9月上旬に種蒔き、11月上旬に定植して翌年6月中旬に収穫です。
尚種蒔き日と育苗日数、定植時期はトウ立ちと直接関係するので毎年しっかり守っています。
植え付けは今年の夏野菜が終ったあとの畝でも十分間に合いますが、玉ネギが終ったあとにはその年の夏野菜は間に合いません。
その為栽培計画の中心として考えなければならない野菜ですので、植え付けまでには来年の作付計画が出来ている事が大切です。

玉ネギの育て方 – 栽培のポイント

家庭菜園での玉ねぎ栽培は、トウ立ちさせずに玉を肥大させる、貯蔵に強い玉に育てることが重要と考えています。

1.適期の種蒔きと適期の定植
玉ネギは太すぎる苗や種まきから日数の立ち過ぎた苗を植え付けるとトウ立ちするリスクが高まります。又早く定植し過ぎて、年内に苗が大きくなった場合も同じことが言えます。
その為種まきと定植を適期に行うことはとても重要と考えています。

2.プラグトレーでの育苗
育苗の期間、畑の畝を使わないで済むことと、プラグトレーでは新しい種まき用土のため、育苗中に病気にかかるリスクが、畑の畝より低いと思っています。

3.ベト病の防除
畑にベト病の病原菌がある場合、病気株が発生する可能性が大きくなるので、定植後から定期的に予防薬の散布を行い、防除に努めます。
病気株は葉がねじれたり、黄色くなったりして著しく生育が悪いのですぐに解ります。
見つけ次第引き抜き、畑外処分することで、出来るだけ伝染を防ぐようにします。

4.マルチの使用
株間、条間とも15㎝の間隔で、あらかじめ穴の開いている黒マルチを使います。マルチを張ると地温が上がる為。春先からの生育が早まります。
又土の跳ね返りが少なくなるので、土壌菌によるベト病などの防除効果もあります。

4.追肥のタイミング
追肥は雪解けしたら早めに与えます。遅すぎる追肥は保存性の悪い玉ネギになりやすいです。量的には元肥の1/3弱程度をマルチの穴内に施します。
多量に与え過ぎるとトウ立ちの原因になったり、締りの悪い玉になったりします。

5.収穫と貯蔵
全て倒伏して、玉の肥大が終わったと感じたら収穫です。天気の良い日を見計らって収穫し、玉ネギを乾かしてから、8~10個をヒモで縛り、吊り玉貯蔵します。
吊るす場所は雨に当たらず、直射日光の当たらない、風通しの良い所が適しています。貯蔵中に腐れる気配のある玉は、放っておくと他の玉も腐れるので、見つけ次第早く処分します。
尚葉がベト病にかかった玉ネギは、見た目が何ともなくても、貯蔵中に腐れやすいです。

栽培手順

用具と資材の準備

①苦土石灰

雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。

②化成肥料

窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。

③ヨウリン

く溶性リン酸を20含み、苦土やケイ酸も含んだリン酸肥料です。アルカリ分も20%あり、主に果菜類の実付を良くする為に、元肥として多用されています。ネギ類もリン酸が必要なので使われます。

④堆肥

遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。

野菜の肥料について

⑤200穴プラグトレー

20×10列の200穴プラグトレーです。

⑥育苗箱

種蒔き培土を入れて200穴プラグトレーと重ねて使います。フラグトレーの底穴から出た根が育苗箱の用土からも水分、養分を吸収する為、管理が楽で苗も大きく育ちます。

⑦種蒔き培土普通(粗目)と細目

発芽しやすく、生育に良い調合になっていますので必ず新しいものを使います。プラグトレーには細かめで乾きにくい用土、育苗箱には加湿になりにくいポット用の粗目の用土を使うと良い感じです。
ホームセンターなどでプラグ用やポット用などと記されて販売されています。

⑧玉ネギの種

以前はOP黄や泉州黄タマなど従来からの品種を長く作っていましたが、近年は貯蔵期間が長く品質も良いとされるネオアースに切り替えました。

タキイネオアースの種、中玉で形も食味も良い玉ネギです。1袋で350粒位の入数なので200穴プラグ2枚分蒔けないのが残念ですが、3袋で4枚蒔き、余った分は所々2粒づつ蒔いても良いかなと思っています。

種蒔き

※玉ネギは露地の苗床でも苗を作れますが、土壌細菌による病害回避と畝の効率活用の都合で容器育苗としています。
わが家でも依然は、畑の苗床で育苗していましたが、土壌細菌のせいで発病しやすくなり、近年はトレー育苗です。

※プラグを使わずに、育苗箱に直接種蒔きしても良いのでは、と思う疑問は誰でも持つと思いますが、プラグを使う利点は2つあります。一つは正確に種を蒔けることです。
育苗箱に直接蒔く場合、よほど丁寧に蒔かないと、等間隔に200粒蒔くことは難しく、蒔き過ぎたりすることも多くて間引きが必要になるかもしれません。
2つ目はプラグで育てた苗の根は、苗取りの際、プラグの形の円錐状に纏まっているので、鎌を使って簡単にスピーディに植え付けが出来ます。
尚その程度の事なら別に考えなくても良いと言う場合は、もちろん育苗箱のみでも苗は作れます。

プラグトレー

2つの容器に用土を入れ、重ねて圧着して使います。プラグトレーの先端は円錐状に尖っているので、育苗箱の用土に突き刺さるような形で圧着します。

①プラグトレーと育苗箱に培土を入れる

育苗箱とプラグトレーにそれぞれ7分目程度の種蒔き培土を入れたらプラグトレーを育苗箱の上に重ねしっかりと押し付け密着させます。
培土にはあらかじめバケツ等の容器の中で加湿してからポットなどにに入れるタイプもあります。プラグトレーは小さく乾きやすいので必ずプラグトレー対応の細かめの培土を使います。
プラグトレーに土を入れる時は振動を与えるか、箸で突くかして底までしっかり土を入れます。育苗箱には化成肥料2摘まみ混ぜ込んでおくと育苗後期迄肥切れせずにしっかりと育ちます。又玉ネギはリン酸も欲しがるのでヨウリンも2摘み混ぜ込んでおきます。
尚育苗箱には水はけを良くする為に普通のポット用種蒔き培土を使用しています。

②プラグトレーに種を蒔く

1穴に1粒の種を蒔きます。少し手間が掛かりますが箸などで真ん中に窪みを付けておくと、中央に正確に蒔くことが出来ます。
尚発芽しない種と生育不良を除くと、良い苗は蒔いた種の65~70%位が目安の様です。
種蒔きと育苗は畑の苗床でも出来ますが、土壌細菌による病害回避と育苗の期間畑のスペースを使いたくない為にこの方法でやっています。

③覆土

種から0.5~1センチの厚さで覆土して表土を軽く押さえます。

種を蒔いたら適度な厚さで覆土します。覆土して表土を抑えた出来上がりでプラグの淵から4~5ミリ位の用土量にしておくと、その後の水やり、吸湿の作業が上手くいきます。

④育苗箱の設置と注水

あらかじめ準備しておいた育苗箱置き場に育苗箱を設置してジョーロでタップリと水やりして種蒔きは終了です。尚不織布を掛けておくと保湿効果があり、発芽条件が良くなります。
不織布をかけたらもう一度軽く水やりをして不織布も濡らしておきます。不織布は発芽が揃ったら外します。
尚近年は玉ネギの種蒔きの時期は猛暑日が多くなった為、不織布を掛けて炎天下に置くと高温になって発芽不良になる恐れがあります。天気予報によっては播種日をずらしたり、発芽迄置き場を変えたりの工夫も必要な様です。
又不織布の上からたくさんの水をやると特定のヵ所が加湿になったりする事もあるので、水やりは不織布をいったん外して用土の状態を確認してから丁寧に行うようにします。

発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからも適宜水やりをして、水切れと加湿に注意して育てます。
置き場は畝にマルチを張り、その上に単管又は垂木などの台を置いて育苗箱を並べると水はけも良く土の跳ね返りによる病気の予防にもなります。
又トンネル支柱を使って雨よけをして肥料分の流失を防ぎます。
尚畝数が少ない為、育苗箱置き場を空き畝に移動しながらやっています。この場所にも玉ネギを定植する予定です。

保温

保温は必要無いですが、玉ネギは発芽迄10日ほど要しますので、その間の保湿を図る為に不織布をベタ掛けしておくと発芽しやすいです。

間引き

一粒づつしか蒔いてないので必要ありません。ところどころに間違えて2本生えていても2本とも元気よく成長していればそのままで大丈夫です。定植する時に簡単に分けて植えられます。

土づくり

①苦土石灰の混入

定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たりやや多めの150gとします。玉ネギは酸性土壌を嫌うため、石灰の量は多めです。

②元肥入れと畝立て

定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は80㎝とします。(5列植えの場合)
化成肥料の量は1㎡当たり100gとしますが、前作の残肥を考慮して加減したりします。
又玉ネギの成長に良いリン酸をヨウリン50g/㎡を用いて補足すれば、さらに好結果が期待できます。色々思考しながら肥効の感覚を掴んでいくのも大事と思っています。

堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
玉ネギの元肥の入れ方は畝全体に肥料をすきこむ全面施肥が良いでしょう。

土づくりの基本につい

⑤マルチング

絶対に必要では無いですが、土の跳ね返りによる病害予防、土が固くならず肥料の流失が少ない、保温効果で凍害を防止し、又春の生育も早いなどメリットはたくさんあります。
玉ネギ用のマルチングは株間が縦横15㎝の5列の穴あきマルチを使いますが、畝が狭い時は端の列は使わなくても構いません。
尚マルチングを使わない場合は同じ目的でもみ殻を表土に敷き詰めることもあります。わが家ではマルチをして、さらに籾殻も使っています。土の跳ね返りをさらに無くす為です。

定植

種蒔きから55日位で定植です。あらかじめプラグトレーにたっぷり給水しておけば、トレーを持ち上げて簡単に育苗箱と分離でき、後は苗の根元を持ち上げるだけで簡単に苗をプラグから抜く事が出来ます。
定植は小鎌で植える場所の土を分け、差し込むようにそのまま植えますが、植える深さは苗の表土が5ミリ位埋まる程度にします。終えたらタップリ水を与えます。

玉ネギの苗取り。根がしっかりできている苗をすぐに植え付けるので活着が早くて安心です。又根が円錐状にまとまっているので、小鎌を使って簡単に植えられます。

収穫

5月の中旬になると玉が急に肥大し始め、6月には葉が根元から折れる様に倒伏します。
家庭菜園では玉が小さい時から利用することも出来ますが、一括収穫は葉が全て倒伏して黄色みがかり、玉の肥大も終わった時となります。
良く晴れて玉ネギが良く乾いている日を選んで収穫し、雨や直射日光が当たらない場所に吊るしておけば長期に保存できます。

※苗の数に余裕がある時は僅かな場所で十分なので苗を10㎝間隔くらいに密植しておくと、葉付きの小さな玉ネギを早期に収穫出来るので重宝します。

手入れ

※追肥

3月上旬~中旬雪が消えたらすぐに化成肥料を株元に少量づつ与えます。追肥の遅すぎと与え過ぎは保存中に腐れやすい玉ネギになるので注意が必要です。

病害虫

ネキリ虫の被害が多いです。前作に被害があったり、隣の畝に被害がある場合などは定植前の土づくり時に幼虫のチェックと農薬による事前の土壌処理をしておくと安心です。
ネキリ虫は土中で移動しながら根茎を食害するので、近くの株が次々と被害を受けるのですぐ解ります。農薬を使わないのであれば土を掘り返して探すしかないです。
病気では土中のカビ菌によるベト病があります。葉が捩れたり黄変して成長しない株を見つけたら、他に伝染するので、躊躇なく引き抜き畑外に処分します。軽度の株についても黄変した葉はまめに取り除くようにします。
この菌は土中で生き残り翌年も被害を受けますので、増殖を抑えて菌の密度を下げていくことが大事です。尚ベト病になった玉ネギは何も無いように見えても貯蔵中に腐れ易くなります。貯蔵中は見つけ次第処分しないと、他の玉ネギも腐れるので要注意です。
とにかくベト病は玉ネギにとって最大の難敵です。根切り虫にせよベト病にせよ無理をせずに農薬による適切な予防防除が地域への拡散を防ぐためにも必要かもしれません。

※トウ立ち

5/中、葉が元気良く大きくなってくる頃になると株の中心からトウが立ち始めます。次々と出てくると心配になってきますが、5/末頃には収まって出なくなります。
トウ立ちの原因は苗の大きすぎ、種蒔きから定植までの日数の多い苗、早く植えすぎて寒くなるまで苗が大きくなった、極端に肥料が多過ぎなどが考えられます。
トウ立ちしたら玉ネギにならないので、出来る事はしっかりと対策したいものです。玉ネギの苗は10月中頃になると出回りますが、わが家では9/10種蒔き、定植11/3としているので、種蒔きから54か目の苗を植えることになります。
定植時期も比較的遅めなので年内に育ち過ぎることもない為、この方法にしてからはトウ立ちは毎年数本で済んでいます。

病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

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