野菜づくりの道具と資材

家庭菜園で必要な道具と資材について畑とプランターに分けて紹介しています

揃えておきたい道具資材

家庭菜園で必要な一般的な用具と肥料や支柱などの資材の説明や用途を、プランター菜園と畑での栽培に分けて、初心者の方に解りやすいように説明しています。
紹介しているものは 我が家の菜園で使い勝手の良かったもの、必要度の高いものばかりです。
趣味の野菜作りであれば色々と便利なものを探し求めるのも楽しみの一つですので、最初は必要最小限度のものを揃え、慣れて来たら買い増して行くのが良いと思います。

プランター家庭菜園で必要な道具資材

・プランター
長方形、丸形そして手すりやフェンスに掛けるハンギング型などがあり、大きさや深さも色々ありますので栽培する野菜と置き場を考えて選びます。
材質はプラスチックが軽くて腐らず実用的です。 スノコのあるタイプが水はけ良くお勧めです。
種類は余り多くせずに同じものを多用した方が空きプランターを重ねて保管できるので省スペースとなります。 長く使うならば耐久性のあるものを選ぶべきで、あまり廉価のものは避けた方が良さそうです。

・野菜用培養土
肥料も酸度も調整済みの用土ですから、プランターに入れてすぐに種を蒔いたり苗を植え付けたりできます。 草花用ではなく野菜用を選びましょう。
兼用タイプもありますが、個人的には草花兼用より野菜専用の方が用土の資材配合や肥料などの配合が野菜重視となっているので安心です。

・鉢底石
水はけを良くするためにプランターの底に敷いて使うもので、軽石が多く用いられています。
ネットに入れて使えばプランターの用土を入れ替える際に、用土と混ざらずに簡単に分けられます。 ネット入りも販売されています

・フルイ
用土を粒の大きさでふるい分けたり、根やゴミをふるい分けたりします。
あまり小さなものは役に立たないので、大きめのものを求めましょう。
用土の再生や調整を行う際に必要となります。

プランター、畑ともに必要な道具資材

・種蒔き用培土
種を蒔くときにポットなどにに入れて使う用土です。 容器の大きさにより粗目、細目の用土を使い分けます。 プラグなどの小さい容器の時は乾きにくい細目の用土を使います。

表記のないものはポット用と考えて、あまり小さな容器には使わない方がが良いでしょう。

・肥料
8-8-8や14-14-14などの表記のある化成肥料や牛糞堆肥、油粕などの有機肥料の他にヨウリンなどの単肥、薄めて使う野菜用液肥、酸度調整に使う苦土石灰など色々あります。

初めから全部揃えるのは大変なのでとりあえずは元肥、追肥ともに使えるとの表記がある化成肥料とヨウリンそして苦土石灰と堆肥があれば十分です。
プランターの場合はその他に野菜用の液肥と出来ればマグアンプKがほしいところです。
化成肥料は肥料の三要素である窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)が12前後の均等に近い配合のものが汎用性に優れており使い易いでしょう。
肥料については当サイト野菜の肥料でも紹介しています。

・40連結ポット
8×5列で連結された角ポットで手でちぎれば簡単に1個づつになるものがお勧めです。 大きさも手ごろで、必要な土の量も多くなく、種蒔きから定植時迄育苗ができるのでお勧めします。

キャベツ、ブロッコリー、トウモロコシなど多くの種類の野菜に対応できます。 場所も取らず、家庭菜園での少量多品種育苗には最適です。

・ポットトレー
40連結ポット用のトレーで連結ポットが丁度良く収まります。

トレーを使えばポットが風に飛ばされることも無く、持ち運びも楽です。
ポットの底穴はネットを使わなくても用土が洩れることが無い小さな穴ですが、トレーを使うとその一部が穴にかかってさらに漏れにくいです。
何種類かの野菜の苗を一つのトレーで育てる事も少なくありません。

・ポット、セルトレイ、プラグトレイ、育苗箱など
40連結ポットよりこちらを使った方が土の量などが適する一部の野菜に使っています。

いろいろなサイズの角や丸ポットなど多種多様な物があります。

・土押さえ
ポットなどに用土を入れたり、種を蒔いたりした時に表面を平に押さえる為に使います。

指先でも出来ますがこれを使えばスピーディーかつ正確に平になります。 端材で簡単に作れます。

・移植ごて
強い力を掛けても曲がらない丈夫なもの、そして腐食しにくい材質のものが結局長持ちします。

目盛りが付いたものが、苗を定植したり種の蒔き溝をつけたりする際に寸法を測るのに便利です。

・ジョウロ
5~7リットル位でノズルはやや長め蓮口は散水角度が小さめで優しい水流のものが苗を傷めず、思いの場所に給水し易く使いやすいと思います。 重量的にも軽くて楽です。


・ハサミ
ひもなどのカットの他、収穫や古葉のカット、茎のカットなど多用途に使える丈夫な植木バサミ(大久保バサミ)が一番だと思います。

理由は切れ味が多少悪くなっても、テコの力で結構太い茎でも切ることが出来るからです。
鋼製の植木ばさみの良いところは 研ぐことが出来れば切れ味が復活し、長く使える事もあります。
ハサミに関してはヒモなどの軟らかいものを切る為のハサミを別にもう一丁準備した方が一番良いでしょう。

・ひも類
支柱を組んで止める縄、苗や茎,蔓を支柱に留める紐、そして野菜が風などで倒伏しないように囲む紐など野菜づくりには各種の紐や縄が必要です。

アブラムシの予防になるシルバー色の誘引紐など用途に応じてさまざまな商品が売られていますので、使いやすくて気に入ったものを選べば良いと思います。
我が家では囲い紐は耐候性抜群で何年経っても劣化しないハウスバンド、支柱組などにはポリプロピレン製の縄、野菜を支柱などに留めたり、その他諸用途には誘引紐と1年程度は耐候性のあるレコードテープなどと使い分けています。

・ピンセット
細かい間引き作業や小さな雑草を抜いたりするときに便利です。

発芽したての芽はとても細かく、かたまって発芽したところを間引く時は指先では難しいです。

・園芸支柱
トマトなど背の高い野菜が倒れないように支えて止める支柱や防虫ネットを掛けたりするときに使う曲がった支柱(トンネル支柱)などです。

太さ、長さ共にさまざまなサイズがあるので必要に応じて使い分けます。

・防虫ネット
農薬を使わない場合は野菜の種類や季節によっては必需品です。

特に間引き菜を適宜食用としたい時は農薬は使えないので、必ず防虫ネットを使うようにします。
サイズは色々あるので使う場所に合わせて選びます。

・保温ビニール
保温のため畝にマルチとしてベタ掛けしたり、プランターを覆ったり、ビニールトンネルなどに使います。

材質、厚さ、幅、長さ共色々あり巻物で売られています。

・根掻き
根から土をほぐして落とす時に便利な道具です。 盆栽では必需品ですが、野菜や草花でも古株を処分する時に根鉢の土を落とすのに便利です。


・包丁
キャベツやブロッコリーなどの収穫に使います。 キッチンの使い古しで十分なのでキッチンとは別に準備しておくと便利です。


・農薬
家庭菜園に於いても少し栽培量が増えたり、継続して畑を使っていると全くの無農薬で病害虫から野菜を守ることは非常に難しくなってきます。

農薬については予防、駆除、治療など使用基準の範囲内で効果的に計画使用することが大切だと思います。
プランター菜園で数が少ないときは、病気と害虫のどちらにも効き、そのまま使えるスプレータイプの農薬も売られています。
病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

畑に必要な用具資材

鍬       
畑を耕したり畝立てしたり土寄せする時に使います。小規模家庭菜園なら小型の鍬が軽くて女性にも扱い易いでしょう。
ステンレス製のものがいつまでも錆びずにきれいです。

・三本鍬
3本の丈夫な爪型の鍬で、硬い土を耕起する時に使います。
土がそれほど硬くなければ不要だと思います。わが家でも土がだいぶ良くなってきたので最近は全く使っていません。

・スコップ
先の尖った剣スコと角スコップがあります。土を掘り返したり、運んだりする場合に使うことがあります。必要と感じたら揃えれば良いと思います。

・レーキ     
収穫後の根や残渣などを掻き集めるのに使います。又種蒔きの際に表土が固い時はあらかじめこれで表土を軟らかくして吸水性を高めておくと発芽にも良い結果が得られます。
このような使い方をする場合は爪は短めで多少土を敲いても安心な頑丈なものがお勧めです。

・均し板など
畑の畝を平に均すには板かパイプが必要になりますが、蒔き溝をつけたり表面を軽くたたいて転圧する事にも使えるので板の方がお勧めです。

サイズは幅10-12㎝長さ70-80㎝厚さ12㎝程度が使い易いでしょう。
わが家ではこの他にハンド中耕用具なるもの(写真)を作って見ました。 狭い条間を軽く中耕したり、硬くなった表土を柔らかくして通気性を改善する為のものです。

・手箕(てみ)
塵取りの大きなものという感じの農具で、堆肥、野菜くずなど何でも運んだりする時に便利です。
ポリエチレン製で軽くて丈夫なものが使い易いでしょう。

・小鎌      
主に雑草取りに使いますが、玉ネギの苗を植えたり、枝豆の種を直蒔きする場合などでも使います。
あまり安いものは柄と鎌の付け根部分がすぐにぐらつく事が多いので、少し上質のステンレス製を求めた方が、気持ち良く、又長く使えます。

・散水ホースと散水ノズル   
ホースは巻き取りができるもの、散水ノズルは柄が長くてたくさんの水量からやさしい水流までの調節を手元で無段階で出来るものが野菜栽培には適しており、洗車用などの中には野菜づくりでは不適当なものが多いので、注意して園芸用を選ぶことが大切です。

・噴霧器     
農薬を使う場合は必要ですが、少量で良い場合はそのまま使えるスプレー式の農薬も色々販売されています。
家庭菜園用の噴霧器なら容量が4から5ℓ程度の蓄圧式噴霧器が軽くて使い勝手が良いと思います。
野菜では葉の裏側にも噴霧することが大事なので、噴霧器のノズルは自在に角度が変えられる事が必要です。
その意味ではプランター菜園の場合もスプレー式よりは噴霧器の方が良いかもしれません。

・計量容器    
農薬を水で規定濃度に希釈する時に使います。専用品もありますが、私は塗料用のプラスチック容器で2ℓのものを代用しています。持ち手と目盛りがついており、価格も安いし十分使えます。

・スポイトなど  
農薬が液体の場合はスポイト、粉剤の時は計量スプーンを使いますが、農薬に添付されてる場合もあります。

・計量カップ   
何の容器でも構いませんが、苦土石灰や化成肥料の量を測るのにあると便利です。
苦土石灰と化成肥料それぞれについて100g刻みの目盛りをつけておくと良いでしょう。

・穴開け器    
畝面に張ったマルチに穴を開けて植穴の土を取り出してくれます。
ポットに合ったきれいな穴が開くので苗も植えやすいです。サイズも数種あります。

・酸度計     
土の酸度が手軽に測定できます。畑の土は時々チェックして石灰の使用量を加減する必要があるので、ぜひ欲しいアイテムです。

・のこぎり    
ブロッコリーなどの硬い茎を切断すれば処分しやすいうえ、腐熟も早まります。
小型の枝切りのこぎりが使いやすく、残渣処理に重宝します。

・マルチング   
畝の表面を覆って保温保湿するのが主な目的ですが、土中害虫の侵入を防いだり雑草の生えるのを防止する効果もあります。薄いビニール製で用途により黒、緑、透明などがあります。
ちなみに黒は雑草が生えない、透明は温度は上がり易いが雑草が生える、緑は中間と覚えても良いと思います。
栽培する野菜に合わせて、初めから所定の株間で穴の開いている穴あきタイプもあります。

・不織布     
保温保湿効果で発芽を促進させる時などに畝の表面にベタ掛けして使う他に、トンネル支柱を使い防虫、保温、日除けなどにも使います。巻物で売られており、幅長さ共最適なものが選べます。

・寒冷紗
日光を遮ることで光量を加減したり、乾燥を防いだりして、発芽や野菜の生育を助けるために使うものです。
家庭菜園では幅1.8m長さ5m,遮光率50%前後の黒色のものを必要に応じて使うことか多いですが、用途によっては白色のものもあります。

・防鳥網
カラス、鳩、ヒヨドリなどから野菜を守るために使います。トマト、いちご、トウモロコシなどには必需品です。幅長さ共前記の寒冷紗同様のもので糸の太めのものが扱いやすくて丈夫で長持ちします。
寸法が大きくて糸の細いものは価格も安いのですが、家庭菜園では扱いづらく、又使用する場面もほとんど無くお勧めできません。

・防獣ネット
猫はふかふかの土を好んでトイレにするので、種蒔き直後にやられたら最悪です。
防獣ネットを畝の表面から20㎝位上に水平に張って端を垂らしておくだけで効果抜群です。目が粗いので日当たりも影響しません。
芽が3-4㎝に生え揃えば猫は入らなくなるので取り除いています。
猫程度なら防鳥網でも十分なので、他の野生動物でもいない限り絶対必要というものではありませんが、防鳥網より扱い易い事と、必要分だけ切り売りしてくれるので使っています。

・防虫ネット
野菜を害虫から守る為にトンネル支柱の上から畝全体を覆うようにして使います。
害虫は少しの隙間からでも侵入するので裾も土を掛けてしっかりと閉じて置く事が大事です。

・パッカー
トンネル支柱(曲がり支柱)に保温ビニールなどを留めるもので、支柱の太さに合わせて大小色々です。細い支柱に簡易にビニールを止める時は洗濯バサミで代用することも多いです。

・マルチ押さえ 
マルチが風に飛ばない様に地面に留める用具でプラ製とスチール製があります。土に差し込みマルチを押さえます。
不織布などもスチール製のマルチ押さえで留めることが出来ます。

・一輪車
収穫した野菜や野菜の残渣などの運搬、ゴミステーションまでの日々のゴミ出しなど多用途に使えるのであると大変便利です。
ノーパンクタイヤ付のものが空気を入れる必要もなく面倒いらずです。

・ミニ耕運機
家庭菜園では余程広くない限りは小型のものが使いやすいです。
小型は男性なら1人で持って移動することが出来るので、狭い菜園であれこれとびっしりと栽培していても取り回しが楽になります。
小型は馬力が少なくて重量も軽いので土が硬いと浮き上がりうまく耕せないので、あらかじめ鍬で荒耕起しなければならない時もありますが、耕運機があれば体力的にも非常に楽になる上に、細かく耕すことが出来て、土づくりの出来上がりも非常に良くなります。
我が家でもホームセンターの実演などを見て欲しくなり、つい買ってしまいましたが、使い始めて20年を超えてもいまだに健在で、十分過ぎるほど活躍してくれています。

 

以上畑とプランターそれぞれに必要な道具と資材をあげて見ました。画像は現在使用中の物ばかりで古い物もありますが、見た事も無いという方には参考にして頂ければと思います。
画像の無い物はホームセンターなどで眺めたり、ネットなどで検索すれば解っていただけると思います。
尚野菜作の作業では、土や肥料に触れたり、紫外線を浴びたりもするので、軍手又は園芸手袋、帽子、長靴、日焼け止めなどの準備も必要かと思います。
作業の時間帯は天候にもよりますが、朝と午後3時以降が人にとっても野菜にとっても一番優しい時間です。