種を40連結ポットに蒔いて育苗してから露地の畝に定植します
家庭菜園向きのカリフラワーの育て方を我が家の菜園を例に紹介しています。
カリフラワーの種を40連結ポットに蒔いて育苗する事から始めます。家庭菜園では種は必ず余るので、保存しておけば数年は使用可能です。
1株に1個しか取れませんが、雪の様に白くてずっしりと重くなったカリフラワーを手に取った時は感動です。
/AomusiGarden
カリフラワーの基本情報
アブラナ科、適応土壌酸度PH6-6.5、連作(1年程度空ける)、発芽適温15-30℃、生育適温15-25℃
日照ー日向
カリフラワーの栽培時期 (わが家での作型)
7月の中頃種を蒔き11月の中頃から11月末にかけて収穫です。
わが家では種蒔き7/20、定植8/15、収穫11/中~11/下を標準としています。
真夏の育苗ですが意外と簡単に育ちます。
カリフラワーの育て方 – 栽培のポイント
家庭菜園でカリフラワーを栽培するうえでのわが家流のポイントです。
1.苗は必要数だけ自家育苗する
苗づくりは40連結ポットがジャストサイズで、種まきから定植するまで育てる事が出来ます。
カリフラワーは結構大きな花蕾が穫れるので、一般家庭では5本もあれば十分過ぎるという感じです。
2.種は当然余るので保存する
少数栽培なので種はたくさん余りますが、捨てるのは気が引けます。
適切に保存しておけば数年は使用可能ですので保存しておきましよう。
3.肥料は十分に与える
元肥、追肥共にしっかり与えて、元気良くて大きな株にすることが、大きな花蕾の収穫につながります。
4.定植時の注意
定植時の苗は細くて弱いので、暴風などの備えに仮支柱を立てて留めておくのが安全です。
5.病害虫の防除
定植時の根切り虫、成長期前半のアブラムシ、アオムシ、夜盗虫などの被害が見受けられますが、後半涼しくなってからは少なくなります。
致命的な病気は経験ないですが、黄変した下葉はまめに取り除くようにしています。
病害虫については育苗期、定植時、成長期前半での薬剤防除が現実的なようです。
6.収穫
カリフラワーは頂部に1個の花蕾しか作りませんが花蕾が大きくて、家庭では消費に手間取り、収穫が遅れがちになります。
収穫が遅れると花蕾が黄色っぽくなるので、周りの葉を折るようにして花蕾を包んで日光に当てない様にしておけば、いくらか防げます。
収穫を終えたらすぐに抜き取り処分した方が、土のダメージを軽減して次の作物の準備を早める事になります。
栽培手順
用具と資材の準備
①苦土石灰
雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。
②化成肥料
窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
③堆肥
遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。
⓸40連結ポット
8×5列で40個つながっている角ポットです。カリフラワーの苗を種蒔きから定植するまでの大きさ迄育てられ、又用土の量も比較的少なく済むので簡単かつ経済的です。
手でちぎれば簡単に切り分けられるタイプがあるので家庭菜園ではあらかじめ分けておいて必要な数だけ使うようにするのが便利です。
ポットには色々な種類があり、どれを使って育苗しても良いのですが、家庭菜園で何種類かの野菜の苗を少しづつ育苗するような場合は、この40連結ポットの使い勝手の良さは他に代えがたいものがあります。
⑤ポットトレー
40連結ポットが丁度良く収まるように出来ています。ポットが固定できるので風にも飛ばされず、持ち運びも楽です。
又ポットの底穴の一部が塞がれる形となるので用土も漏れにくい事からポットの底穴に網などを敷く必要もありません。切り分けられるタイプの40連結ポットを使用する為には不可欠なものです。
⑥種蒔き培土
発芽しやすく、生育に良いように土の酸度と肥料成分が調合されていますので必ず新しいものを使います。
古い用土や畑の土では水はけも悪く、病気のリスクもあり、うまく育たないことが多いです。
尚種蒔き培土には素材が細かめで乾きにくいプラグ用とそれよりも粗目のポット用が売られているのでポット用を選ぶようにします。
⑦カリフラワーの種
一般的な白色のものの他に紫や薄オレンジの色のものがあります。カリフラワーと言う他に、花野菜と言う名でも売られています。
我が家で使っているカリフラワー(花やさい)の種、秋のみの栽培で1回に5~7株しか作らないので種は保存しながら4年程度は使っています。
種蒔き
①ポットに用土を入れる
トレーにポットを必要数並べて種蒔き培土を7分目程度入れて平に軽く押さえたらジョーロで丁寧に底まで浸みこむように湿らせます。
その際に十分に湿らせたポットと湿らせる前のポットの重さを実感しておくと後々ポットの湿りぐあいを見極める時に役立ちます。
尚種蒔き培土にはあらかじめバケツ等の容器の中で吸湿させてからポットに入れると書いてあるものもありますが、そうでないものについても、同様にした方が最初の水やりの際用土に水が浸みこみ易くなり、乾いた用土をポットに入れるより確実に早く吸湿させることが出来ます。
あらかじめ湿らせる加減は握ってもパサパサと崩れる程度の少量の水で十分です。
②ポットに種を蒔く
種を1ポット5粒程度重ならないように蒔きします。家庭菜園では種は残ると思いますので、冷蔵庫の野菜室で保存しておけば2-3年は十分使用可能です。
③覆土
種に5ミリ~1センチの厚さで培土で覆土して表土を軽く押さえます。
④注水
ジョーロで優しく水やりして種蒔きは終了です。
発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからも適宜水やりをして、水切れと加湿に注意して育てます。
置き場は明るい戸外で強い雨に当てないようにします。強い雨で種が流れたり、発芽したばかりの苗が痛みます。
間引き
天気の条件にもよりますが4日前後で発芽してきますが、子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように3本残して間引きします。
2センチ程度迄育ったら2本残して間引きし、その後1本にして定植迄育てます。
40連結ポットに種を蒔いて10日後に1本に間引きした様子です。本葉が少し出始めています。
土づくり
①苦土石灰の混入
定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。
②元肥入れと畝立て
定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝として、板で平に均して水たまりなどが出来ないようにします。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとします。肥効を高めて大きな株になれば立派な花蕾が付きます。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
カリフラワーの元肥の入れ方は肥料流失が少なく肥効が長持ちする溝肥が良いでしょう。
定植
種蒔から約1ヶ月で定植です。ポットを逆さにするようにして苗を抜き畝に45㎝の株間を取り植え付けます。
植穴には注水して、水が沈んだら植えるようにすると根付きが良いです。終えたらタップリ水を与えましょう。
尚定植は曇天や雨天以外は午3時過ぎに行った方が日中しおれる事が無いため、安心です。
種蒔きから26日目のカリフラワーの苗(左側、右はキャベツ)です。40連結ポットでも十分に定植できる大きさまで育てられます。苗が大きくなってきたら葉が重ならないようにケースに一つ置きに並べています。
収穫
10月半ば位になると先端の葉に包まれるように、小さな花蕾が確認できるようになり、その後半月位で収穫出来るでしょう。
カリフラワーは1株1個の収穫ですが株を大きく元気に育てれば大きな花蕾になり食べ応え十分です。
採り遅れると日焼けして黄色みがかってくるので注意しましょう。尚先の葉を折って花蕾を覆うようにしておくと変色防止になります。
手入れ
※追肥
発芽後3週間位に1ポットに化成肥料5-6粒、定植2週間後と10月の半ば位迄に2回1株に軽く1つかみの化成肥料を根元から離して施して軽く土寄せします。
※病害虫
カリフラワーで悩まされる病害虫の一番はアオムシです。生育初期はモンシロチョウが飛び交う時季ですので要注意です。
防虫ネットで覆うか、毎日見回って捕殺するかしかありません。ヨトウムシと根切り虫にも結構やられます。
いづれの害虫も栽培する数が少し多くなると農薬の使用を考えた方が良いと思います。特に苗の段階での農薬は適切に使えばなんの問題も無いと思います。
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