種蒔きは8月末~9月初め株間を決めて露地畝に点蒔きします。
家庭菜園向きのダイコンの育て方をわが家の家庭菜園を例に紹介しています。
ダイコンは株間を決めて一か所4-5粒の種を点蒔きします。ス入りダイコンの原因になるので、多肥は避けます。発芽後は数回の間引きを行い最終的に1本とします。風通しと日照の為に痛んだ葉などはまめに取り除きます。
ダイコンは煮物、漬物、生食と用途も広く、冬の貯蔵野菜にもなるので家庭菜園でも多くの人が栽培しています。貯蔵は翌年の2月いっぱいまでは可能です。
/AomusiGarden
ダイコンの基本情報
アブラナ科、適応土壌酸度PH5.5-6.5、連作(2年程度空ける)、発芽適温15-30℃、発芽可能10℃~
生育適温15-20℃、日照-日向
暑さに弱いので、秋蒔きは早くても旧盆過ぎ、適期は8/末前後です。
ダイコンの栽培時期 (わが家の作型)
8月末種蒔き11月半ばからの収穫となります。春蒔きも可能ですが、トウ立ちを避ける方策も必要なために難易度が高く、又食材としての必要度も晩秋から冬にかけてよりも低い為、当地では一般的には8月末から9月始めを種蒔きとする秋作が多いです。
種蒔き適期は以外と短く、早く蒔き過ぎは害虫の猛攻に会ったり軟腐病のリスクもあり、遅過ぎは寒くなってしまい成長不足で細く小さなダイコンで終わってしまうことがあります。
天気の推移も参考にしながら時期を見計らうことが大事です。
ダイコンの育て方 – 栽培のポイント
家庭菜園でダイコンを栽培するうえでのわが家なりの要点です。
1.種蒔きは適期に
お天気を見ながら、8/25~8/末までには必ず種を蒔くようにしていますが、早採りする為に一部を8/15過ぎに蒔く場合もあります。
早採りしたものは未だ気温が下がらない時期なので、切干など乾燥させるには好都合です。
2.種は畝に2列千鳥配置で直蒔き
畝幅が広ければ平行2列としますが、わが家では畝幅が狭くて条間が広く取れないので、千鳥配置としてカバーしています。
条間が狭すぎるとダイコンが畝の外側に向かって曲がりやすいので、真っすぐなダイコンを育てるには条間と株間はある程度は確保したいものです。
3.間引きは丁寧に4回行い間引き菜を利用
ダイコンは子葉が展開した頃から固まっている所を丁寧に間引きをして軽く土寄せしておくことで、強風で胚軸が振り回されたり、曲がったりという問題を防止出来ます。
又2回目から4回目の間引き菜は食用として美味しく戴けるので丁度良いタイミングを見計らって行いますが、真っすぐで元気の良いものを残します。
4.肥料は多肥を避ける
ス入りは天候不順による乾燥や肥料が過ぎる場合に起こります。秋蒔きの冬ダイコンの場合は乾燥はないので、肥料過多による急な成長が原因となる場合が多いようです。
又肥料過多は葉が茂りすぎて日照と風通しが悪くなり、病害虫被害の原因となるので元肥、追肥ともに適量に施すことが大切です。
5.下葉を掻く
黄変した葉や垂れ下がった葉を取り除いて、日照と風通しの改善を図ります。この手入れを行うことで、ダイコンの地上部の長さも伸びます。
家庭菜園では畝幅、畝間の通路幅が狭い事が多いので、日照、風通しが悪くなりがちです。下葉掻きは葉の繁り具合を見ながら、収穫までに2回ほど行います。
5.収穫は適宜に
ダイコンはある程度の太さになれば十分食べられます。出来上がって一括収穫する前でも必要な都度に適宜収穫できるのが家庭菜園の良さと考えています。
最終的な収穫は遅くとも12/始めまでには終えるようにしています。
たくあんや切干などは遅くなると気温も下がり、天気の悪い日が多くなる事から乾燥し難くなるので、その分だけは早めに収穫しています。尚新鮮なダイコンの葉は漬け菜にもしています。
栽培手順
準備するもの
①苦土石灰
雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。
②化成肥料
窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
③堆肥
遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。
④ダイコンの種
家庭菜園で1種類のみの栽培なので汎用性が高い青首ダイコンを選んでいます。
耐病総太りダイコンの種、干しても煮ても又おろし大根などの生食でも甘くて美味しいダイコンです。
土づくり
①苦土石灰の混入
種蒔きの2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。ダイコンは小石や硬い土に根先が当たると又根になるので、よく耕して小石などを出来るだけ除去しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。
②元肥入れと畝立て
種蒔きの1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。ダイコンは固い土や石などが多いと股根になりやすいので、石を取り除いたうえで、丁寧に耕すことが大切です。
畝幅は60-70㎝とし、板で表面を平に均しておきます。凸凹していると水が溜まったり、表土の湿度のムラなどで発芽や初期成育が不揃いの原因となります。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとしますが、使う化成肥料の成分と前作の残肥を考慮して加減する場合もあります。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
ダイコンの元肥の入れ方は畝全体に混和する全面施肥としています。
ダイコンは肥料の塊、石や硬い土の塊、腐熟し切れていない堆肥などが根に当たると又根の原因となるので丁寧に混和します。
種蒔き
①種蒔き場所に窪みをつくる
条間35㎝、株間25㎝の2列千鳥配置となるように、瓶の底などを畝に押し当てて直径5㎝深さ1㎝の窪みを作ります。
千鳥とは畝の直角方向から見た時に2列の窪みが重ならないで互い違いになることです。畝幅が狭い時の措置ですが、風通しと日照が改善されます。(普通に2列植えにするには80㎝以上の畝幅が必要です)
②種を蒔く
窪みの中に種の間隔を3cm程度にして4~5粒蒔きます。ダイコンの種は余ることは少ないですが、もし余った場合は翌年も使えるので保存しておきます。日差しが強く乾燥気味の時は午後に種蒔きします。
③覆土する
1㎝位の厚さで種に土をかけ(覆土)たら手の平か板で軽く叩くようにして表面を押さます。
④水をやる
ジョーロを使い優しく水やりして種蒔きは終了です。
発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからは水やりは不要です。
間引き
1回目は発芽して双葉が展開する頃に固まって発芽した部分をほぐすように間引いて軽く土寄せします。2回目は10㎝程度になったら、元気なものを3本残して間引きます。
その後は15㎝位になったら2本残し、さらに25㎝位になったら1本残すように間引きます。
間引き菜も美味しく利用する為、遅めの間引きとなっていますが、特に支障なくダイコンは育っています。最後に残す1本は株間も考えながら元気よく真っすぐなものを選ぶようにします。
収穫
間引き菜も利用しながら育ててきたダイコンですが、11月になればダイコンとして収穫出来る太さに成長しているので、必要な都度収穫するのも良いでしょう。
12月中旬以降は降雪の恐れもあり、畑にそのまま置けば地上部が凍みてしまう恐れがあるので、遅くとも12月上旬には全て収穫したうえで保存を考えた方が良いと思います。
保存は土に埋めるのが一番ですが、新聞紙でくるんでビニール袋に入れ、袋の口を少し開けて凍らない場所に立てて置いても結構長持ちします。
尚取り立てのダイコンは葉も新鮮なので漬け菜にも出来ます。
手入れ
※追肥
3回目の間引きの後に化成肥料を株の周りに2摘まみほど施し、畝脇の土や畝間の土をすくって土寄せします。追肥の加減は葉の伸び具合や葉色などで判断します。
※病害虫
涼しくなるまでの間はアオムシが大敵となります。葉に少しでも食われた痕があれば必ずアオムシがいますので捕まえて取り除きます。
見つからない時はヨトウムシの可能性があります。発芽から幼苗期にかけては根切り虫の被害も要チェックです。いづれの害虫も捕殺困難であれば早めの薬剤駆除が必要となります。
病気では加湿にならないように水はけ良く畝を作り、軟腐病やベト病を防ぎます。
日照と風通しを良くして病気の発生を防ぐために、生育中2回ほど下葉掻きをします。
下葉掻きとは黄変した下葉や垂れ下がった下葉を取り除くことで、日照と風通しが改善され生育が良くなります。
畝幅や畝間の狭い場合は過密になるので特に下葉掻きは必須だと思います。
※風対策
時節柄ダイコンの本葉が少し展開した頃で未だ胚軸が細くて弱弱しい時に台風がやってきます。
ダイコンはこの頃が一番風に弱くて強風に振り回されると軸が痛み、ちぎれたり枯れたりの致命的な被害を受けることがあります。
被害の軽減のためには間引きをしっかり行うことで徒長しない丈夫な苗にする事と土寄せで振り回され難くしておくことが効果的です。
尚風で振り回された訳でも無いのに軸が腐れるのは土壌菌による病気なので処置は難しく、この年は残ったものだけ大事に育て、翌年は別な場所で栽培した方が良いでしょう。
病気の防除には連作を避ける、土づくりを丁寧に基本を守ってやる、肥料過多にしない、土壌消毒、農薬による防除などで対処するしかありませんが、家庭菜園ではまずは出来ることからしっかりとやって行く事だと思います。
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