わが家の川流れ菜づくり

川流れ菜

苗床で育苗し、露地の畝に定植後は越冬させて春のトウを収穫します 

家庭菜園向きの川流れ菜の育て方をわが家の菜園を例に紹介しています。
川流れ菜の種を苗床に蒔いて育苗してから、栽培畝に定植します。川流れ菜は春になってトウを折採って食べる野菜ですが、萌芽力はとても強く多収が期待できます。
育苗時にアオムシに気を付ける程度で、雪に押しつぶされても春になれば元気いっぱいの強健さです。萌芽力が旺盛でトウも次々と出てくるので結構長く楽しめます。

/AomusiGarden

川流れ菜の基本情報

アブラナ科、適応土壌酸度PH5.5-6.5、連作(1年程度空ける)、発芽適温15-25℃、生育適温15-25℃
日照-日向
強健で栽培に特に難しさはありません。トウ菜(女池菜)よりたくさん萌芽するので、トウが長く摘み採れて苦味もトウ菜よりありません。

川流れ菜の栽培時期 (わが家での作型)

秋植え、早春採りです

種蒔き9/15、定植10/5、収穫3/下~4/中を標準としていますが収穫時期は春の雪どけ時期と気温により前後しやすいです。
種を苗床に蒔き、丈が15㎝位の時に栽培畝に定植します。トウ菜(女池菜)20本、川流れ菜20本をセットで定植しています。
トウ菜も川流れ菜も残渣の処理が大変なので僅かな本数の栽培ですが、家庭では十分な量です。

川流れ菜の育て方 – 栽培のポイント

我が家の家庭菜園で、自給できる程度の適量栽培を行うために、留意しているポイントです。

1.苗を育てる
適切な時期までに、適量の苗を育てます。軽く元肥を施した苗床に適時に種を蒔くことが大切です。
直蒔きも出来ますが、苗を定植した方が良く育ちます。苗床はごく僅かなスペースで済みます。

2.種はしっかり保存する

川流れ菜の種は1袋に家庭菜園では数年使えるほど入っています。無駄にせずに使い切るまで使っています。

3.土づくりを確実にしてから定植する

酸度調整と元肥を適量入れ、準備を整えた畝に定植します。
株を大きくする為にはしっかりと土づくりをする事だと思います。

4.日当たりの良い場所で栽培する
晩秋、早春ともに日当たりの良い場所が適しています。この時期は太陽の位置が低く、障害物があると朝晩日陰になりやすい為、川流れ菜に限らず秋に植えて早春から成長する野菜は注意が必要です。
日照時間が短いと弱弱しい株にしかなりません。

5.除雪する
大雪の場合は雪解けの時期になったら除雪してやります。
野菜を傷めないように、上に雪が残る程度にしておき、あとは自然に融けるのを待ちます。
6.追肥
雪が融けたらすぐに追肥します。肥切れしたら勢いのある成長は望めません。

7.脇芽を見ながら収穫する
トウを収穫する時は基本的に手で折り採るようにして脇芽を残すようにします。
はさみを使って脇芽の付いた茎まで切らないようにします。
細くはなりますが川流れ菜は脇から出るトウが長く収穫出来る野菜です。

8.収穫終えたらすぐに処分する
脇から出るトウが食用にならないほど細くなれば収穫は終わりですが、株はまだまだ元気で花をさかせようと頑張っています。
そのままに放置しておくと根がはびこってしまい、次の作付に支障をきたしますので収穫に見切りをつけたらすぐに抜き取って処分します。
尚引き抜いた株でも脇芽を出してしまうので、のこぎりなどで細かく切断しておけば早く朽ちります。

栽培手順

準備するもの

①苦土石灰

雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。

②化成肥料

窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
川流れ菜の場合は葉もの野菜ですので、3要素のうちのどれかを加減する必要は無く、他の肥料は不要です。

③堆肥

遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。

④川流れ菜の種

ホームセンターなどで秋近くになると種売り場によく見かけますので入手は簡単だと思います。

川流れ菜の種、強健で作り易い野菜です。秋一回の種蒔きなので1袋買うと数年は使えます。

野菜の肥料について

苗床づくり

作ろうとする苗の本数にもよりますが、自家用だけなら畝幅60㎝長さ1mもあれば60本程度は苗が作れるので十分です。(私は良さそうな苗を選んで20本くらいしか使いません)
苗床での育苗期間は短い為、使用後も土が全く痛んでいませんので、そのまま耕し直して他の野菜づくりに使えます。
川流れ菜は畝に直接種を蒔いて、間引きをしながら、そのまま育てても可能ですが、地力、保肥力の強い畑土でない限りは、しっかりと土づくりをした畝に苗を定植した方が元気に育ちます。

①苦土石灰の混入

種蒔きの2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。

②元肥入れと畝立て

種蒔きの1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で平に均しておきます。表面が凸凹していると水たまりとなったり、湿度のムラを生じ、発芽と生育が不揃いとなります。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとします。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
川流れの元肥の入れ方は畝全体にすきこむ全面施肥が良いでしょう。

土づくりの基本について

種蒔き

①蒔き溝をつくる

板など畝に押し当て畝の長手方向と直角に条間15㎝、深さ1㎝の蒔き溝を作ります。

②種を蒔く

なるべく1㎝の間隔で重ならない様に種を溝に蒔きます。余った種は数年間は使えるので捨てずに保存しておきます。
細かい種を等間隔で蒔くというのは実際にやってみると相当難しいです。私は感覚的にその位か、少し広めの部分があっても良いかなという気持ちでやっています。びっしり蒔き過ぎるよりも間引きが簡単です。
乾燥続きの天候の時は、苗床に十分な水やりをした後に、午後3時以降に種蒔きするのが安心です。

種子の保存について

③覆土する

1㎝位の厚さで種に土をかけ(覆土)板で軽く叩くようにして表面を押さえます。
このようにすることで表土の保湿効果に良い、種が強い雨で流失しない、表面が平になり発芽がきれいに揃うなどの利点があります。
土をかける時は親指と人差し指で溝の両脇の土を寄せるようにすれば簡単です。

④水をやる

ジョーロを使い優しく水やりして種蒔きは終了です。

発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからは水やりは不要です。

間引き

1回目は子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように間引き、その後は成長に合わせて数回間引きして最終的には15㎝程度の苗にします。

定植畝の土づくり

①苦土石灰の混入

定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。

②元肥入れと畝立て

定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で表面を平に均しておきます。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとします。
堆肥は苗床と同じように施します。
元肥の入れ方は全面施肥が良いでしょう。

定植

畝に条間30㎝株間30㎝で2列に苗を定植します。もっと密植して栽培する方法もありますが、適度な株間で大きく育てた方が、脇芽からのトウがたくさん採れます。
定植は雨や曇天以外は午後3時以降に行うと活着し易く心配がありません。

収穫

雪が融け3月半ばになるとトウ立ちが始まります。トウが軟らかいうちに手で折採って収穫します。
川流れ菜は脇芽がたくさん発生する性質があるので、その後も次々と脇芽からトウ立ちして長く楽しめます。

手入れ

※追肥

定植後2週間後に株の周りに化成肥料を2つまみづつ施して株を充実させて越冬させます。
雪が融けたら枯れたり黄変した葉を取り除き、化成肥料を同量施します。
尚大雪の時は、時期を見計らって、株を傷めない程度に除雪しておくと雪融けが早まります。

病害虫

育苗時にアオムシに気を付ければ、収穫期の早春はまだ寒い時季で害虫の活動期でない為心配はいりません。
葉が黄変するベト病になり易いですが、元気良ければあまり気にしませんが、程度が酷ければ殺菌剤による治療をします。

病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

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