わが家のキャベツづくり

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40連結ポットに随時種を蒔いて育苗して真夏を除き年中栽培

家庭菜園向きのキャベツの育て方を我が家の菜園を例に紹介しています。
キャベツは年に何回も作ることが出来て、実用性の高い野菜です。 春の育苗だけは種蒔きから気温が安定するまでの間、ビニールトンネルを使いますが他の時期はとても簡単です。
生育中は肥料を十分に効かせて、葉を大きく元気に育て、青虫に気を配れば大玉となります。
キャベツは葉もの野菜の主役ですので家庭菜園でいつでもあるのは重宝します。

/AomusiGarden

キャベツの基本情報

アブラナ科、適応土壌酸度PH5.5-6.5、連作(2年程度空ける)、発芽適温15-30℃、発芽可能8℃位生育適温15-20℃、日照-日向
適応PHは中くらいなので、石灰の量は普通です。発芽適温は幅があるが、生育適温はやや低めなので、高温期の栽培は難しいです。

キャベツの栽培時期 (わが家での作型)

キャベツは育苗も含め比較的簡単なので、夏を除き常時作っています。
栽培数の少ない家庭菜園では数多くの苗は必要としないので1回あたりの育苗数は僅かです。
つまり家庭菜園でキャベツの育苗をやろうとすると当然種は1回では使い切れないので、保存しながら数回に分けて使う事が求められます。
キャベツの育て方は難しい事はなく、育苗も含めて比較的簡単なのでわが家では真夏を除き逐次種を蒔き、栽培を繰り返しています。

①春蒔きキャベツ

種蒔き3/7、定植4/21、収穫6/中~を標準としています。種蒔きから育苗中期までは気温がまだ低いため、ビニールトンネルの中で管理し、気温の上昇を観ながら外気に慣らしながら後半はトンネルから出して育苗しています。

②秋キャベツ①回目

種蒔き7/20、定植8/15、収穫10/上~を標準としています。残暑が厳しいと日中しおれたり、暑さのため初期成長が順調でない時もありますが、その時は寒冷紗で日除けするなどしています。
出来るだけ早く採るために秋キャベツ①回目として育てていますが、難しいと思う時は次の秋キャベツ②回目が栽培容易なのでお勧めです。

③秋キャベツ②回目

種蒔き7/27、定植8/23、収穫10/中~を標準としています。①回目②回目と1週間スライドさせて種を蒔いています。
日を追って涼しくなる時期ですので採り終わりは2週間以上差がつきます。秋キャベツ①回目に比べて残暑の影響も気にならなくなる時期なので作り易いです。

④冬キャベツ①回目

種蒔き8/12、定植9/10、収穫11/20~を標準としています。その年の気象条件により収穫はかなり前後します。
暖かい年は寒くなる前に成長し過ぎて破裂球になることもありますが作型としては秋キャベツ②同様に一番簡単かもしれません。

⑤冬キャベツ②回目

種蒔き8/17、定植9/15、収穫11/30~を標準としています。雪下キャベツになることを想定していますので長く収穫できます。
破裂しないで雪下キャベツになってくれれば成功ですが、破裂ばかり気にして遅めにすると小さな玉で終わりということもあります。
その年の気候にも左右されるので大きな玉を雪下にするのは微妙に難しい部分もあります。種蒔きなど冬キャベツ①とは僅かな日にちの違いですが成長の差は大きいです。
暖かい年となって成長が進み破裂球になったとしても、成長が間に合わずに何にもならないよりも良いので、種蒔きの遅れが無いように注意しています。

⑥秋蒔き春採りキャベツ

種蒔き9/25、定植10/25、収穫5/上~を標準としています。収穫は定植後の気温や降雪の具合で前後します。
冬期間や雪解け時に雪から顔を出した時にヒヨドリに葉を丸坊主にされることがあるので積雪と融雪の具合を見ながら防鳥ネットを掛けて対処しています。

キャベツの育て方 – 栽培のポイント

キャベツは買っても比較的安価な野菜なので苗を買って栽培してもお得感が無いです。又育苗するにしても家庭での必要量からして種が余りもったいない気になります。
そのような問題を解決していつでも便利にキャベツを自給できるようにするには、余った種を保存しながら適宜種蒔きと育苗を繰り返していくことがポイントかなと思います。

1.苗は必要数だけ自家育苗する
苗づくりは40連結ポットがジャストサイズで、種まきから定植するまで育てる事が出来ます。
必要な本数の苗を計画によって適宜育てながら定植して行くので栽培計画が大事です。

2.種は当然余るので保存する
捨てるのは気が引けます。わが家の育苗数では多少多めに蒔いても2-3年分はあるので保存しながら使っています。
ちなみわが家の育苗数は冬越し春キャベツを除いて1年40本程です。春キャベツはトウ立ちし難い別品種を使っていますが、こちらは1年10本程度の育苗なので種は忘れる程の間保存しながら使用しています。

3.肥料は十分に与える
元肥、追肥共にしっかり与えて、元気良くて葉の大きな株に育てることによりキャベツも大きくて立派な大玉となり、葉が小さいようでは小玉にしかなりません。
その為には最初の土づくりは大切な要素であり、元肥のしっかり馴染んだ地力のある土になっている事が重要です。

4.病害虫の防除
栽培する時期によって、定植時の根切り虫、成長期前半のアブラムシ、アオムシ、夜盗虫などの被害に注意が必要です。
害虫による被害は栽培する時期により差があり、早春や晩秋以降の涼しい時期は少なくなります。害虫から野菜を守る為には育苗期、定植時、成長期前半での薬剤防除が現実的ですがアオムシならば捕殺することも出来ます。
致命的な病気が多発するような野菜ではありませんが、黄変した下葉はまめに取り除きます。ナメクジにも十分注意して株本や周辺に生息させないようにします。ナメクジはキャベツの内部まで食害するので食用にならなくなります。

5.収穫
キャベツは収穫が遅れると成長圧力で破裂してしまうので、採り遅れること無く見た目が良いうちに収穫します。

栽培手順

用具と資材の準備

①苦土石灰

雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。

②化成肥料

窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。

③堆肥

遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。

野菜の肥料について

⓸40連結ポット

8×5列で40個つながっている角ポットです。キャベツの苗を種蒔きから定植するまでの大きさ迄育てられ、又用土の量も比較的少なく済むので簡単かつ経済的です。
手でちぎれば簡単に切り分けられるタイプがあるので家庭菜園ではあらかじめ分けておいて必要な数だけ使うようにするのが便利です。
ポットには色々な種類があり、どれを使って育苗しても良いのですが、家庭菜園で何種類かの野菜の苗を少しづつ育苗するような場合は、この40連結ポットの使い勝手の良さは他に代えがたいものがあります。

⑤ポットトレー

40連結ポットが丁度良く収まるように出来ています。ポットが固定できるので風にも飛ばされず、持ち運びも楽です。
又ポットの底穴の一部が塞がれる形となるので用土も漏れにくい事からポットの底穴に網などを敷く必要もありません。切り分けられるタイプの40連結ポットを使用する為には不可欠なものです。

⑥種蒔き培土

発芽しやすく、生育に良いように土の酸度と肥料成分が調合されていますので必ず新しいものを使います。
古い用土や畑の土では水はけも悪く、病気のリスクもあり、うまく育たないことが多いです。
尚種蒔き培土には素材が細かめで乾きにくいプラグ用とそれよりも粗目のポット用が売られているのでポット用を選ぶようにします。

⑦キャベツの種

冬越しの春キャベツだけはトウ立ちのしにくい秋蒔き春取り用、もしくは四季採りの品種を選びます。他の時期は全て同じ品種でも構いません。わが家では常時やひこと言う品種ですが甘みもあり品質の良いキャベツが採れます。

種蒔き

①ポットに用土を入れる

トレーにポットを必要数並べて種蒔き培土を7分目程度入れて平に軽く押さえたらジョーロで丁寧に底まで浸みこむように湿らせます。
その際に十分に湿らせたポットと湿らせる前のポットの重さを実感しておくと後々ポットの湿りぐあいを見極める時に役立ちます。
尚種蒔き培土にはあらかじめバケツ等の容器の中で吸湿させてからポットに入れると書いてあるものもありますが、そうでないものについても、同様にした方が最初の水やりの際用土に水が浸みこみ易くなり、乾いた用土をポットに入れるより確実に早く吸湿させることが出来ます。
あらかじめ湿らせる加減は握ってもパサパサと崩れる程度の少量の水で十分です。

②ポットに種を蒔く

種を1ポット3-5粒程度重ならないように蒔きます。家庭菜園では種が余ると思いますので、冷蔵庫の野菜室で保管すれば、2-3年は十分使えます。

種子の保存について

③覆土

種に5ミリ~1センチの厚さで培土で覆土して表土を軽く押さえます。連結ポットの表土を押さえるには写真のような用具を手作りしておくと便利で、素早く綺麗な仕事ができます。

④注水

ジョーロで優しく水やりして種蒔きは終了です。種蒔き前に用土は十分湿らせてあるので覆土した用土に浸みる程度で十分です。

発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからも適宜水やりをして、水切れと加湿に注意して育てます。
置き場は明るい戸外で強い雨に当てないようにします。強い雨で種が流れたり、発芽したばかりの苗が痛みます。
わが家では手製の苗台にトンネル支柱とビニールを使って雨除けしたものを使って、1年中色々な野菜や草花の苗を育てています。

保温

キャベツは比較的低温でも発芽しますが、3月蒔きだけは種蒔きから育苗前半まではビニールトンネル内で保温します。
時季外れの高温の日もあるので日中トンネル内の温度管理に気を配りながら徐々に外気に慣らしてからトンネルの外に出します。
3月上旬以外の種蒔きには保温は不要です。

間引き

時季や天気の条件にもよりますが4日前後で発芽してきます。子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように3本残して間引きします。
2センチ程度迄育ったら2本残して間引きし、その後1本にして定植迄育てます。その際に化成肥料5-6粒施してから少し土増ししておくと勢いのある良い苗に育ち、定植してからの活着と初期成長が良くなります。

土づくり

①苦土石灰の混入

定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gの普通の量とします。

②元肥入れと畝立て

定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝として、板で平に均して水たまりなどが出来ない様にします。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとします。肥効を高めて外葉が大きく育てば大きくて立派なキャベツが採れますので化成肥料は多少多過ぎても足りないより良いかなと思います。

堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
キャベツの元肥の入れ方は肥料の流失が少なくて肥効が長持ちする溝肥が良いでしょう。

土づくりの基本について

定植

時季による気温の違いにもよりますが種蒔から1~1ヶ月半で苗は定植できるまで育ちます。
定植の際はポットを逆さにするようにして苗を抜き畝に40㎝の株間を取り植え付けます。植穴には注水して、水が沈んだら植えるようにすると根付きが良いです。終えたらタップリ水を与えましょう。
尚定植は曇天や雨天以外は午後3時以降に行った方が、日中しおれる事も無く活着しやすくなります。

収穫

外葉が大きく成長すると結球が始まります。程よく硬く締まったものから収穫します。取り遅れると成長圧力で結球した玉が割れて破裂球となるので注意しましょう。
破裂は暖かく成長の早い時季ほどなり易く、晩冬や雪下のキャベツは成長が止まっているので急いで採らなくとも大丈夫です。定植してから収穫までの期間は時季により違います。

6/中旬早春に種蒔きしたキャベツが収穫時期を迎えます。玉はこの後さらに肥大して硬く締まり、最終的に成長する圧力で破裂するので、その前に遅れないように収穫します

手入れ

※追肥

発芽後3週間位に1ポットに化成肥料5-6粒、定植後2週間毎に2回1株に軽く1つかみのの化成肥料を根元から離して施してから軽く土寄せします。

病害虫

キャベツで悩まされる病害虫の一番は青虫です。防虫ネットで覆うか、毎日見回って捕殺するかしかありません。アオムシの他には、コナガ、ヨトウムシ、アブラムシなどもあり、又植え付け直後には根切り虫にも結構やられます。
結球する頃になるとナメクジが玉に侵入して食害することがよくあるので、枯れた下葉を取り除いたり周辺のナメクジが生息していそうな場所をチェックして捕殺するか、薬を撒いて駆除します。
いづれの害虫も栽培する数が少し多くなると農薬の使用を考えた方が良いと思います。農薬には育苗中に処置するもの、植穴に処置するものなどを含め色々とあります。
冬越しキャベツの場合は雪の中からキャベツの葉が顔をだすと、冬場で餌の足りないヒヨドリがついばんで丸坊主にしてしまうので、この対策も必須です。
最近では定植して間もないキャベツをカラスが抜き取って散乱させるという事例もありました。おそらくカラスが食べられるものか試したのではと考えています。とにかくカラスは研究心旺盛というか、すごいですね。
今年は枝豆をちぎり取って食べることも覚えました。病気は根こぶ病や軟腐病などがありますが、できるだけ連作を避け、加湿などにも注意します。

病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

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栽培ごよみ わが家の家庭菜園での栽培時期や育て方などを参照していただけます
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