40連結連結ポットに種を蒔き春と秋に育苗してから露地の畝に育てています
家庭菜園向きのブロッコリーの育て方です。40連結ポットにブロッコリーの種を蒔いて育苗してから畝に定植します。
春蒔きはトンネルなどでの育苗が必要ですが、夏蒔き秋採りの作型は簡単に出来きるうえに、適時に栽培すれば、側花蕾でもかなり大きなものが採れますので家庭菜園向きです。
剪定と追肥、青虫の防除がポイントです。家庭用では枝が分岐して数多く採れる品種を選ぶと良いでしょう。種蒔きから収穫までの成長の変化も楽しみですね。
/AomusiGarden
ブロッコリーの基本情報
アブラナ科、適応土壌酸度PH6-6.5、連作(2年程度空ける)、発芽適温20-25℃、発芽可能15℃~
生育適温15-20℃、日照-日向
生育適温だけ見ると、夏の定植は無理に思えるが、日中しおれながらも、成長しながら秋を迎えます。
ブロッコリーの栽培時期 (わが家の作型)
①春ブロッコリー
種蒔き3/7、定植4/18、収穫6/上~6/下を標準日としています。種蒔きから育苗初期まではビニールトンネルの中での保温下で行い、気温が上がれば雨除けだけの苗台の上で定植まで育苗します。
暑くなるまでに、秋ブロッコリーとまではいかなくとも、そこそこの側花蕾まで収穫できます。
②秋ブロッコリー
種蒔き7/12、定植8/10、収穫10/中から12/下を標準日としています。株を大きく育てて大きな側花蕾の収穫を目指して早めの栽培となっています。
真夏の育苗と定植、アオムシの防除がポイントです。
定植後猛暑に遭うと日中グッタリしている日がしばらく続きますが、旧盆を過ぎれば元気に成長します。夏でも発芽、育苗は案外簡単です。
ブロッコリーの育て方 – 栽培のポイント
家庭菜園ですので脇枝の側花蕾まで全て収穫できるように栽培時期を大事にしています。
大きな花蕾を付けさせるにはやはり株を大きく育てる事がポイントです。
1.苗づくりは適期に種を蒔く
苗づくりは40連結ポットがジャストサイズで、種まきから定植するまで育てるには最適です。
側花蕾までしっかりと収穫するには、種は遅れないように適期に蒔きます。
2.種は当然余るので保存する
捨てるのは気が引けます。数年は使用可能ですので保存しておきましよう。
3.肥料は十分に与える
元肥、追肥共にしっかり与えて、元気良くて大きな株にすることが、多数の花蕾を収穫する為には不可欠です。又肥料不足の小さな株では大きな花蕾は出来ません。
4.定植時の注意
定植時の苗は細くて弱いので支柱を立ててヒモで留めておくのが安全です。
茎はすぐに太くなるのでヒモが悔い込まないように結び直したり、風で倒伏しないように、成長に合わせて上部も一か所ヒモで留めておくと安心です。
5.病害虫の防除
定植時の根切り虫、成長期のアブラムシ、アオムシ、夜盗虫などの被害が見受けられますが、秋ものでは後半涼しくなってからは少なくなります。
育苗期、定植時、成長期前半での薬剤防除が現実的です。致命的な病気は経験ないですが、黄変した下葉はまめに取り除くようにしています。
6.収穫
頂花蕾を収穫した後は脇枝への日照を良くし、又養分を集中させる為、主幹に付いている葉は全て切り落としています。
脇枝は株の生育中にあらかじめ3~4本位を配置良く残して他は剪定しておきます。
全ての収穫を終えたらすぐに抜き取り処分して次の土づくりに備えた方が、土のダメージを軽減出来ます。
栽培手順
用具と資材の準備
①苦土石灰
雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。
②化成肥料
窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
③堆肥
遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。
⓸40連結ポット
8×5列で40個つながっている角ポットです。ブロッコリーの苗を種蒔きから定植するまでの大きさ迄育てられ、又用土の量も比較的少なく済むので簡単かつ経済的です。
手でちぎれば簡単に切り分けられるタイプがあるので家庭菜園ではあらかじめ分けておいて必要な数だけ使うようにするのが便利です。
ポットには色々な種類があり、どれを使って育苗しても良いのですが、家庭菜園で何種類かの野菜の苗を少しづつ育苗するような場合は、この40連結ポットの使い勝手の良さは他に代えがたいものがあります。
⑤ポットトレー
40連結ポットが丁度良く収まるように出来ています。ポットが固定できるので風にも飛ばされず、持ち運びも楽です。
又ポットの底穴の一部が塞がれる形となるので用土も漏れにくい事からポットの底穴に網などを敷く必要もありません。切り分けられるタイプの40連結ポットを使用する為には不可欠なものです。
⑥種蒔き培土
発芽しやすく、生育に良いように土の酸度と肥料成分が調合されていますので必ず新しいものを使います。
古い用土や畑の土では水はけも悪く、病気のリスクもあり、うまく育たないことが多いです。
尚種蒔き培土には素材が細かめで乾きにくいプラグ用とそれよりも粗目のポット用が売られているのでポット用を選ぶようにします。
⑦ブロッコリーの種
枝が分岐して脇枝からも収穫出来る系統の品種を選びましょう。
ブロッコリーの種、春秋栽培していますが、脇枝の分岐が良くて側花蕾もたくさん収穫出来ます。春蒔きと夏蒔きどちらも使っています。
種蒔き
①ポットに用土を入れる
トレーにポットを必要数並べて種蒔き培土を7分目程度入れて平に軽く押さえたらジョーロで丁寧に底まで浸みこむように湿らせます。
その際に十分に湿らせたポットと湿らせる前のポットの重さを実感しておくと後々ポットの湿りぐあいを見極める時に役立ちます。
尚種蒔き培土にはあらかじめバケツ等の容器の中で吸湿させてからポットに入れると書いてあるものもありますが、そうでないものについても、同様にした方が最初の水やりの際用土に水が浸みこみ易くなり、乾いた用土をポットに入れるより確実に早く吸湿させることが出来ます。
あらかじめ湿らせる加減は握ってもパサパサと崩れる程度の少量の水で十分です。
②ポットに種を蒔く
種を1ポット3-5粒程度重ならないように蒔きします。残った種はしっかりと保存しておきます。
③覆土
種に5ミリの厚さで培土で覆土して表土を軽く押さえます。
④注水
ジョーロで優しく水やりして種蒔きは終了です。
発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからも適宜水やりをして、水切れと加湿に注意して育てます。
置き場は明るい戸外で強い雨に当てないようにします。強い雨で種が流れたり、発芽したばかりの苗が痛みます。
種蒔き2週間目のブロッコリーの苗、あと10日で定植します。ロマネスコ、キャベツなどと一緒に40連結ポットで育苗中。
種蒔き17日目の春ブロッコリーの苗、ビニールトンネルの中とはいえまだ寒く、聖地用は遅いです。
種蒔き1か月の春ブロッコリーの苗、ここまでで秋ブロッコリーの倍の日数がかかっています。
間引き
時季や天気の条件にもよりますが4日前後で発芽してきます。子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように3本残して間引きします。
2センチ程度迄育ったら2本残して間引きし、その後1本にして定植迄育てます。
ブロッコリーの苗は間引きが少し遅れたりすると徒長しがちなので注意が必要ですが、たとえ徒長苗であっても定植後は旺盛に成長を始めるので、あまり問題にしていません。
土づくり
①苦土石灰の混入
定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。
②元肥入れと畝立て
定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で平に均しておきます。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとします。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
ブロッコリーの元肥の入れ方は肥料の流失が少なくて長続きする溝肥が良いでしょう。
定植
種蒔から約1ヶ月で定植です(春はもう少し長いです)。ポットを逆さにするようにして苗を抜き畝に45㎝の株間を取り植え付けます。
植穴には注水して、水が沈んだら植えるようにすると根付きが良いです。終えたらタップリ水を与えましょう。
ブロッコリーの苗は風に弱く。春一番の風や秋作においては台風シーズンでもあるので支柱を立てしっかりと仮止めしておきます。尚定植は日中のしおれを避ける為午後から行う方が好ましいです。
収穫
秋ブロッコリーの場合は9月末位になると主幹の先端に小さな花蕾(頂花蕾)が確認できるようになります。これは10月半ば位から収穫出来ます。
頂花蕾を収穫した株は主幹の大きな葉を全て切り捨て側枝だけにします。側枝は生育途中に元気の良い3~4本を重ならない様にバランスよく残し、他は掻きとっておきます。
11月半ば位からは側枝の先についた花蕾(側花蕾)も収穫できるようになります。
春ブロッコリーの場合も同様の収穫手順となります。
収穫は包丁を使って花蕾下10センチくらいの軟らかい茎の部分で切り取ります。ブロッコリーは蕾なので取り遅れると黄色みがかって、花を咲かせようとします。油断せずに濃緑で締まった花蕾を収穫するようにします。
手入れ
※追肥
発芽後3週間位に1ポットに化成肥料5-6粒、定植2週間後と10月の半ば位迄に2回1株に軽く1つかみの化成肥料を根元から離して施して軽く土寄せします。
肥料を十分に効かせて株を充実させないと大きな花蕾が多数採りできません。
※病害虫
ブロッコリーで悩まされる病害虫の一番はアオムシです。とくに夏蒔きのブロッコリーの場合は生育初期はモンシロチョウが飛び交う時季ですので要注意です。
無農薬の場合は防虫ネットで覆うか、毎日見回って捕殺するかしかありません。ヨトウムシと根切り虫にも結構やられますので要注意です。
※支柱
風の強い場所では倒伏防止のため支柱に紐留めの対策をした方が安心です。
家庭菜園では栽培本数も少なく手間もかからないので、わが家ではいつも支柱を添えています。
ブロッコリーのプランター栽培
丸型プランターの10号に一本植えて、頂花蕾の他に側花蕾2-3個を収穫することを目安にします。種を買って育苗するまでもないので、苗を買って植え付けた方が良いでしょう。
栽培時期
春、秋と2回栽培が可能です。春は早め(4/上~中)に植え付けないと、側花蕾が出来る頃に高温に遭って上手く成長出来なくなるので注意します。
秋は8/中~下が無難です。早すぎると残暑に悩まされ、遅すぎると寒くなって側花蕾が成長出来なくなります。もちろん地域によって時期はスライドしますが考え方は同じです。
栽培手順
準備するもの
①プランター
直径33-35㎝、深さ40cm程度の丸形10号プランターを使います。これより小さいプランターだと大きな花蕾を収穫するのは難しいです。
②野菜用培養土
草花兼用の培養土もありますが、高級品とはいかなくとも多少良質な野菜専用の培養土を使いたいものです。
赤玉土などの基本用土がしっかりと配合されて保水力、保肥力が優れているものは、再生しながら長く使えます。
新しい培養土を使えば病害虫のリスクが小さくて安心ですが、一度何かを栽培したものは病原菌や害虫の卵など心配も多くなり野菜が育つための養分も失われています。
再利用する場合は事前に日光や薬剤による除菌と殺虫そして失われた養分を補足するなどの土づくりが必要です。
又実際に用土を再利用する際は同じ土に再び同じ野菜や同じ科の野菜を栽培する事の無いように注意する必要があります。
③鉢底石
水はけを良くする為、プランターの底が隠れる程度に敷いて使います。ネットに入れて使えば、プランターの土を入れ替える際に土と混ざらずに作業が楽になります。
ネット入りもありますが、バラで買って自分でネットに入れた方が安上がりで量的な応用も自在です。
⓸ブロッコリーの苗
ホームセンターなどで売られており、簡単に入手できます。よく解る店員さんがいたら枝が分岐しやすい品種か聞いた方が良いでしょう。
定植
①プランターに用土をいれる
プランターに鉢底石を敷いて、培養土を縁から3㎝迄入れます。
②苗を定植する
プランターの中央に苗ポット大の穴をあけたら、ポットから苗を外して植え付けます。苗を外す時はポットを逆さにし、苗を人差し指と中指に挟むようにして手の平に受けるようにすると根鉢を崩さずにきれいに外せます。
支柱
ブロッコリーは成長すれば、がっしりと根を張って丈夫なので特に支柱は不要ですが、苗のうちは弱弱しいので短い支柱を立てて止めておけば安全です。我が家では強風による転倒防止も兼ねて初めから苗に沿わせて支柱を1本立てて止めています。
収穫
時期、天候にもよりますが定植後45~55日位で頂花蕾が収穫出来ます。頂花蕾の収穫後少し間が空きますが側花蕾も収穫出来ます。
手入れ
※追肥
ブロッコリーは常に肥料が足りてる状態でないと大きく成長しません。
定植2週間後から化成肥料を適宜与えます。化成肥料を施した時は肥料が隠れる程度で良いので増し土しておくと良いでしょう。
尚株が大きくなると水の吸い上げも多くなり油断すると水枯れするので水やりに注意が必要です。
特に春物は6月になると暑くて陽ざしの強い日があるので、そのような日が続くときはプランターを午前中だけ日の当たる場所に移した方が良いでしょう。
※枝葉の整理
生育途中において側枝が多数出た場合は元気の良いものをバランスよく2本残してその他はカットして育てます。残した側枝の先に側花蕾が付くことになります。
頂花蕾を収穫した後は頂花蕾が付いていた主幹に付いている葉は全て付け根から切り落としておきます。
そうすることで無駄な養分の消費を抑えると同時に日照と風通しも良くなり側枝の成長が促進されます。
※病害虫
アブラナ科が好きなアオムシなどの害虫が付くので見つけたら捕殺します。
畑ほどではないですが1本でもよく見つけて来るなと思うほどモンシロチョウが飛来することがあるので注意が必要です。
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