わが家のトウ菜づくり

トウ菜
3/半ば過ぎの初収穫
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苗床で育苗してから露地の畝に定植して越冬させ、収穫は早春です

家庭菜園向きのトウ菜の育て方をわが家の菜園を例に紹介しています。
種を露地の苗床に蒔いて苗を作り、秋に栽培畝に定植し、翌春に出て来るトウを葉ごと折採って収穫します。ほろ苦いような特有な味がとても美味しい葉菜です。
春一番に出て来る一番トウを収穫後も、細くなりますが脇から2番-3番とトウが出ますので、結構楽しめます。
この辺で栽培されているトウ菜は女池菜のトウが成長して食べごろになった時に元から折採ったものを言います。

/AomusiGarden

トウ菜の基本情報

アブラナ科、適応土壌酸度PH5.5-6.5、連作(1年程度空ける)、発芽適温15-25℃、
生育適温10-20℃、日照-日向
秋植えして春にトウ立ちさせて、トウの茎葉を食用に利用します。

トウ菜の栽培時期 (わが家での作型)

秋植え付け、早春採りです

種蒔き9/17、定植10/5、収穫3/中~4/上を標準としています。収穫は雪どけ時期と気温ににより前後しやすくなります。
種を苗床に蒔いて、丈が15㎝位になったら植え付けます。川流れ菜と合わせて少量の栽培ですが、トウの発生は同種の川流れ菜よりやや早く、脇芽のトウもやや少ないので比較的早く終わります。

トウ菜の育て方 – 栽培のポイント

我が家の家庭菜園で、自給できる程度の適量栽培を行うために、留意しているポイントです。育て方のポイントは同じトウを食べる川流れ菜と全く同じです。
わが家では1本の畝にトウ菜と川流れ菜を半分づつ植えて味の違いを楽しんでいます。

1.苗を育てる
適切な時期までに、適量の苗を育てます。元肥を施した苗床に適時に種を蒔くことが大切です。
直蒔きも出来ますが、肥料持ちの良い地力のある土壌以外はしっかりと土づくりを行った畝に苗を定植した方が元気良く育ちます。苗床はごく僅かなスペースで済みます。

2.種はしっかり保存する

トウ菜は女池菜の種を使いますが、1袋に家庭菜園では数年使えるほど入っています。無駄にせずに使い切るまで使っています。

3.土づくりを確実にしてから定植する

酸度調整と元肥を適量入れ、準備を整えた畝に定植します。株が大きくて元気が良ければ、トウがたくさん立ちます。

4.日当たりの良い場所で栽培する
晩秋、早春ともに日当たりの良い場所が適しています。
この時期は太陽の位置が低く、障害物があると朝晩日陰になりやすい為、トウ菜に限らず秋に植えて早春から成長する野菜は注意が必要です。日照時間が短いと弱弱しい株にしかなりません。

5.時期を見計らって除雪する
大雪の場合は雪解けの時期になったら除雪してやります。野菜を傷めないように、上に雪が残る程度にしておき、自然に融けるのを待ちます。
しかし雪融け時期でもないのに除雪をするとむしろ凍害をうけるので、時期までは雪の下でペシャンコで構いません。

6.追肥
雪が融けたらすぐに追肥します。肥切れしたら勢いのある成長は望めません。

7.脇芽を見ながら収穫する
トウを収穫する時は基本的に手で折り採るようにして脇芽を残すようにします。はさみを使って脇芽の付いた茎まで切らないようにします。細くはなりますが脇から出るトウも収穫出来ます。

8.収穫終えたらすぐに処分する
脇から出るトウが食用にならないほど細くなれば収穫は終わりですが、株はまだまだ元気で花をさかせようと頑張っています。
そのままに放置しておくと根がはびこってしまい、次の作付に支障をきたしますので収穫に見切りをつけたらすぐに抜き取って処分します。
尚引き抜いた株でも脇芽を出して花を咲かせるほど強健なので、のこぎりなどで細かく切断して早く朽ちるようにしています。
必要以上に長く放置するとこの処理が大変です。

栽培手順

準備するもの

①苦土石灰

雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。

②化成肥料

窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
トウ菜の場合リン酸カリの補給施肥は不要ですので、肥料はこの1種類で間に合います。

③堆肥

遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。

野菜の肥料について

④女池菜の種

ホームセンターなどで女池菜とか新潟とう菜の名称で売られています。

新潟とう菜(三月菜)の種、入数も多く、秋しか蒔かないので一度買うと数年使えます。自家採種はとても簡単ですが、採種するには長く植えておかなければならず、邪魔にもなるうえ種は安いのでやっておりません。

苗床づくり

作ろうとする苗の本数にもよりますが、自家用だけなら畝幅60㎝長さ1mもあれば60本程度は苗が作れるので十分です。わが家では20本で十分です。
苗床には栽培期間が短い割にまともに肥料を入れて土づくりしているので、苗を採った後でも残肥が多いです。耕し直してそのまま他の野菜を栽培しています。

①苦土石灰の混入

種蒔きの2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。

②元肥入れと畝立て

種蒔きの1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で平らに均しておきます。凸凹があると水が溜まったり、表面の湿度のムラで発芽と初期成育が不揃いになる原因となります。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとしまが、使う化成肥料の成分と前作の残肥を考慮して加減する場合もあります。

堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
トウ菜の元肥の入れ方は畝全体に肥料をすきこむ全面施肥が良いでしょう。

土づくりの基本について

種蒔き

①蒔き溝をつくる

板など畝に押し当て畝の長手方向と直角に条間15㎝、深さ1㎝の蒔き溝を作ります。

②種を蒔く

1㎝の間隔で重ならない様に種を溝に蒔きます。女池菜の種は安くてたくさん入っているのですが、保存しておけば数年問題なく発芽します。

種子の保存について

③覆土する

1㎝位の厚さで種に土をかけ(覆土)板で軽く叩くようにして表面を押さえる。土をかける時は親指と人差し指で溝の両脇の土を寄せるようにすれば簡単です。

④水をやる

ジョーロを使い優しく水やりして種蒔きは終了です。

発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからは水やりは不要です。

間引き

1回目は子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように間引き、その後は成長に合わせて数回間引きして最終的には15㎝程度の苗にします。

定植畝の土づくり

①苦土石灰の混入

定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。

②元肥入れと畝立て

定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で平らに均しておきます。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとしますが、使う化成肥料の成分と前作の残肥を考慮して加減するのは苗床と同じです。
堆肥についても、苗床同様で良いと思います。
女池菜の元肥の入れ方は畝全体にすきこむ全面施肥が良いでしょう。

定植

畝に条間30㎝株間30㎝で2列に苗を定植しますが、定植は曇天や雨天以外は午後3時を過ぎてから行う方が、日差しによるしおれを抑え、活着が早まります。
尚ポット苗でないために根鉢が崩れている関係上最初の2-3日は日中しおれ気味ですが、間違いなく100%活着するので大丈夫です。

収穫

雪が融け3月になるとトウ立ちが始まります。トウが軟らかいうちに手で折採って収穫します。折採った株元からは細くなりますが次のトウも出てきて収穫できます。

手入れ

※追肥

定植後2週間後に株の周りに化成肥料を2つまみづつ施して株を充実させて越冬させます。
雪が融けたら枯れ葉を取り除き、化成肥料を同量施します。
積雪が多い年は、雪融け期になったら、株を傷めないように、少し雪が残る程度に除雪しておきます。

病害虫

育苗時のアオムシに気を付ければ、収穫時の早春はまだ寒い時季で害虫の活動期でない為心配はいりません。
葉が黄変するベト病になり易いですが、軽微な事が多く、致命的に衰弱することはありませんが、黄変した下葉はこまめに取り除いておきます。元気良ければあまり気にしません。

病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

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