もうすぐ5月気温も高めに安定してくるので、発芽に高温を要する種も蒔き時となります。
今回はゴーヤ、ズッキーニ、モロヘイヤの種蒔きから育て方などをわが家の菜園から紹介します。
苗を買って植え付けるのも良いですが、種を蒔いて育てるのもなかなか面白いものです。
初めての方も是非試して見て下さい。
ゴーヤについて
ウリ科の植物で生育適温が22~30℃と広めな事から初夏から初秋迄長く楽しめる野菜です。
地植えでもプランター栽培でも可能で、又好みの場所に蔓を誘引する事で夏の日差し除けなどにも利用できます。
ゴーヤの種類は色々あり長いもの、太いもの、白いもの様々ですが一般的な緑色の中長タイプが多く作られているようです。
種蒔きと育苗
種蒔きの時期
例年5月10日頃に10.5cmポットに種を蒔いていますが、発芽温度が25~30℃と高温なのでこの時期でも屋外の小さなビニールトンネルでは夜間に冷えて発芽に時間がかかります。
その為、室内で室内で電熱マットとビニールの囲いを使って発芽させてから、徒長しないように屋外のトンネルに移した方が安全です。尚ゴーヤの種は硬くて発芽し難いので一日水に浸して十分給水させてから蒔くようにしています。
水に浸す前に種の先端の芽の出る部分で尖っている所を爪切りで少し切ってやると良いらしいのでいつもやっています。
育苗中は日中トンネル内の温度が高すぎる時はビニールの裾を上げて温度調節を行い、夜間温度が心配無くなったら定植迄トンネルから出して管理します。



定植
種蒔き後1ヶ月弱で苗の先端から蔓が出始めるのでその前に定植します。
定植する日の2週間前迄には苦土石灰を1週間前迄には化成肥料と堆肥をそれぞれ適量施して土を調整しておく必要がありますが、プランターの場合で新しい培養土を使う場合は必要ありません。
尚ゴーヤは蔓もの野菜なので蔓を誘引するネットなどを定植前に設置しておいた方が後でやるより仕事がやり易いでしょう。
栽培中の手入れ
苗を植え付けた後に5節位伸びたら先端を摘芯すると子蔓が伸びだすので3本程選びそれをネットなどに配置良く誘引します。
摘芯せずにそのまま伸ばすと親蔓だけ元気が良すぎて花付きも遅くなり実もたくさん成りません。
ゴーヤは生育旺盛でうっかりすると孫蔓や思わぬ子蔓などで繁茂してしまうので適宜不要な蔓を取り除き、そして追肥を与えながら適切な樹勢を保つように注意しています。
又ゴーヤは雄花と雌花が別に咲きますが、人口受粉など特別な事をしなくとも十分着果します。
収穫
自家製の苗でも7月半ばには収穫出来るようになります。
ゴーヤは真夏のものと言うイメージがありますが、意外と収穫期間が長く10月になるまで採れ続けます。
たくさん成ると食べきれずおすそ分けしかないと思われるゴーヤですが、細切りにすると簡単に乾燥するのでつくだ煮などの食材として保存しておくのもお勧めです。
ゴーヤの自家採種
ゴーヤは簡単に自家採種が出来ます。方法は極めて簡単で、ゴーヤの実を収穫せずにそのままにしておくと次第に黄色くなって軟らかになり完熟するので中から種を取り出すだけです。
時には採り忘れの実が軟らかくなって崩れ落ちたところから種を拾う事もあります。
種は形が良く大きなものを選んだら軽く水洗いし、表面を乾燥させてから翌年用として保存しておきます。
保存方法は種を他種の空袋に入れたら、種袋を新聞紙で包みチャック付きのビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しています。
参照 ー 【わが家のゴーヤづくり】
ズッキーニについて
ウリ科の植物で発芽温度が25~30℃と高めの割に生育適温が15~25℃とやや低めなので暑くならない内に収穫出来るように育てる必要があります。
それでは家庭で種から育てると間に合わないのではと思うかもしれませんが、幸いズッキーニは成長がとても早く見る見るうちに大きくなるので大丈夫です。
種蒔きと育苗
種蒔きの時期
ゴーヤ同様に5月10日頃ポットに種を種を蒔き、室内で発芽させてから屋外のトンネルに移しています。
生育適温がゴーヤより低めなので早めにトンネルに移す事と日中気温の高い時はトンネルから出しておく事が注意する点です。又夜間気温が心配無くなれば早めにトンネルから出しています。

念のため3粒蒔いていますがおそらく2本は間引きする事になると思います。
今年は早く定植してしまわないと都合で苗管理が出来ない為ゴーヤと一緒に4月25日に種を蒔きました。
定植
種蒔きから早ければ3週間で定植出来る迄成長するので70cmの株間で植え付けます。
定植する日の2週間前迄には苦土石灰を1週間前迄には化成肥料と堆肥をそれぞれ適量施して土を調整しておく必要があります。但し化成肥料を多く与えすぎると葉ばかり大きくなって病気になり易く実付が悪くなるので要注意です。
ズッキーニは雄花と雌花が別に咲く植物で、毎朝人工授粉をしてあげないと結実しませんが、株数が少ないと日によっては雄花だけや反対に雌花だけと言う事が度々あり、とてももったいない気になります。
その為家庭菜園でも最低2~3本の株数があれば収穫量は多すぎるかもしれませんが受粉の効率が良いと思います。
栽培中の手入れ
ズッキーニは株の先端に花を咲かせ、実を成らせながら成長して行くので、だんだんと茎が伸びて行きます。
加えて葉や実の重みで茎は次第に曲がって最終的には折れてしまったと言う事が度々起こります。
これを防ぐためにズッキーニ栽培では支柱などで茎を支えてあげる事が大事だと痛感しています。
又ズッキーニの茎は太い割に以外と弱くて腐りやすく、実を手でちぎり採ったりすると茎が傷むのでハサミで茎を傷めないように丁寧に採っています。
葉も風通しを良くし手入れもし易いように役目を終えた下葉は適宜落としていますが、実と同様茎を傷めないように注意しています。
追肥については葉の大きさなどで判断しながら必用なら少量施す程度です。
収穫
6月20日過ぎから8月始め位迄が収穫時期となります。
毎朝人工授粉を行いますが、いつも天気が良いわけでなく雨の日もあるので受粉の失敗もあります。
成功した実はすぐに肥大し始めて2-3日で収穫出来ますが、失敗した実は肥大せず簡単に判別できるので切り取って処分します。
参照 ー 【わが家のズッキーニづくり】
モロヘイヤについて
シナノキ科の植物で生育適温が20~30℃と高くて夏向きの野菜です。
栄養価も高く夏場で青菜類が栽培出来ない時に育てておくと重宝します。又ネバネバした独特の食感も他に代えがたいものがあるので是非採れたてのモロヘイヤを試して見て下さい。
種蒔きと育苗
種蒔きの時期
5月15日頃9cmポットに種を蒔いて苗を育てていますが、モロヘイヤの発芽温度は25~30℃と比較的高温なのでポットは屋外のトンネルの中で管理します。
小さなトンネルでは夜間温度が保てない為、種蒔きはこの頃迄待たないと発芽に失敗したり、時間がかかる事が多くなるようです。
育苗中はお天気によっては日中トンネル内が高温になり過ぎる事もあるので、トンネルの裾を上げて調整する必要があります。
夜間の気温が心配無くなればトンネルから出して管理しますが、早過ぎて寒気に当てたりすると弱る事があるので注意したいと思います。

昨年の5月21日の発芽状況。ここまでは順調でしたが、外に早く出し過ぎて苗が傷み回復に日数がかかりました。
定植
種蒔き後3週間程度で定植出来る迄成長するので条間株間とも30cmを取って2列で植え付けます。
尚モロヘイヤは1ポットに2本づつ育てていますが、定植する時は2本そのまま植え付けています。
定植する日の2週間前迄には苦土石灰を1週間前迄には化成肥料と堆肥をそれぞれ適量施して土を調整しておく必要があります。
尚初期成育を促進させるためと盛夏が過ぎて多少気温が下がっても樹勢を長持ちさせる為に、畝に黒マルチを張ると効果があります。
栽培中の手入れ
最初は株を大きくして樹勢を良くする事を優先し、株の小さいうちは必要な枝を伸ばして収穫は不要な枝をカットする程度にした方が良いでしょう。
追肥については長期間枝葉を吹かせながら収穫し続けるので適宜与えるようにします。
収穫
新しい枝葉が伸びたら切り戻して収穫する事を繰り返します。
枝が混み過ぎないように又次の芽がどこから吹くのか考えながら切り戻すようにします。
スーパーなどで売られているモロヘイヤは束ねる必要があるので多少硬い部分も付いていますが、家庭ではその必要が無いので、とにかく軟らかい部分なら短くとも美味しいです。
参照 ー 【わが家のモロヘイヤづくり】