今回はわが家の冬ネギの種蒔きと収穫までの育て方を紹介します。
冬ネギを家庭菜園で栽培する場合、少量栽培なので苗は市販のものを買って植えるという人が多いと思いますが、自分で苗を作れば安上がりに多くの苗が出来るのでぜひお勧めしたいところです。
昨今の野菜高の中おすそ分けして喜んでもらえれは゛やりがいにも繋がるかもしれません。
冬ネギの種蒔き


種蒔きの時期
ネギは発芽適温15~30℃、発芽可能温度5℃~、生育適温15~20℃と言われているので春少し暖かくなればいつでも種を蒔いて発芽させる事が出来ます。
しかし実際に種蒔き時期を選ぶ際に大事な事は、いつ頃苗を育て上げて定植するのか、さらに収穫はいつ頃を目安にするのかと言う事だと思います。そして夏の高温期前に少しでも苗を大きくしておく事も考えなくてはなりません。
色々考えた結果わが家では種蒔き4月1日、苗の定植7月5日、収穫を11月中旬~12月中旬を目安にしています。
市販苗が出回る頃から比べて遅い時期になりますが、家庭菜園では早めに収穫する必要がなく、むしろ気温が下がってネギの美味しさが増し、又ネギの利用が増える時期の方が良いからです。
狭い菜園のやりくりの中で畝が早く空かない事も大きな理由でもあります。
種蒔き~育苗の方法
苗床づくり
種を蒔いて苗を育てる畝には種蒔きの2週間前迄に石灰を、1週間前迄には元肥を入れておきます。
土質や状況にもよりますが、一般的にネギの場合苦土石灰150g/㎡、化成肥料100g/㎡くらいが適量とされています。
尚ネギは土が硬いと育ちにくいので元肥には堆肥を多めに入れてフカフカで通気性の良い土になるように気を付けています。
ちなみに当菜園の場合は畝60cm、長さ450cmの畝で1000本程度の苗づくりを目指しています。
蒔き溝切り
溝の長手方向と直角に条間10cmとして深さ1cmの溝を付けます。
溝は厚さ1.2cm位の板を土に押しつけるようにして作れば簡単です。
使用する板は幅10cm、長さ80cm程度にしておけば、蒔き溝切りの他に畝を平らに均したり、表面をたたいて転圧したりする時にとても重宝します。
種蒔きと覆土
蒔き溝の中に1cmの間隔をとって種を蒔いたら溝の両側の土を指で寄せる様にして種に土を掛けます。
種蒔きは細かい作業ですが面倒がらずに丁寧にした方が後の間引き作業が楽になります。
土を掛けたら板で軽く叩いておくと種と土が良くなじみ、又保湿の効果もあるので発芽が綺麗に揃い易くなります。
不織布がけ
保温と保湿の為に不織布をベタ掛けして畝全体を覆うようにします。
不織布の端は土で押さえるかマルチ止めで押さえても良いでしょう。
不織布を掛け終えたらその上から土に浸みこむように水をやって発芽を待ちます。
間引き
種蒔き後10日~2週間で発芽するので、その後様子を見て芽が1cm位になったら不織布を取り払います。
間引きは急ぐことはないですが丈が3cm程度になったらくっついて発芽している部分を間引き、さらに成長したらもう一回間引いて最終的には60cm幅の畝で1溝当たり25本を目安に育てています。
追肥、病害虫対策
最終間引きの後で化成肥料を少量条間に施して肥料が見えなくなる程度の土を掛けています。
根きり虫対策として種蒔き前にダイアジノンを表土に混和する事とベト病などの対策でダコニールなどの散布をしています。
冬ネギの育て方
定植


種蒔きから3か月以上経過した7月5日頃を目安に育てた苗を栽培畝に定植しています。
少し遅いかもしれませんがその頃になれば苗が大きく育っている事と、採ったばかりの新鮮な苗を植えるので活着も早くてすぐに追いつくようです。
わが家での植え付け方はかなり密植ぎみで450cmの畝で180~200本程度ですが支障なく育っています。狭い菜園である程度の収量を上げる為には一つのやり方かなと思っています。
尚栽培畝も苗を育てる畝と同じように石灰や元肥を事前に施して畝を整えておきます。
土寄せと追肥
冬ネギは畝に盛り上げた土に立てかける様にして苗を並べて植え付け、成長に合わせてネギに土を寄せながら育てる事で白い部分を長くしていく育て方をします。
その為一畝当たりに要する幅はどうしても広くなるので限られたスペースの中では苦労しますが、場合によったら隣の畝が終わったらその土を利用するなど工夫出来る事もあります。
土寄せは4回ほど繰り返し行いますが、その都度化成肥料、堆肥、切り藁を入れて肥切れと土が硬くならないようにしています。
収穫
冬ネギの収穫は土寄せを何度も繰り返して白い部分が十分長く育ってから行うものですが、成長途中の未だ短いものでも食べられない訳ではありません。
本当は11月中旬以降になってネギ本来の美味しさが増してから収穫を始めたいところですが、家庭では長く利用したいと言う事もあるので、早めに収穫をしながら利用して行くのも一つの方法だと思います。
わが家では未完成収穫用として別畝に少し植えていますが、土寄せの回数が少ないうちに収穫するので畝幅も少なくて済みます。
保存
冬に氷点下にならない地域では畑に植えっぱなしでも良いと思いますが、当地域では雪の下になったり、凍みて腐れたりするので基本的には降雪前に一括収穫して保存した方が安心です。
保存は土の付いたまま良く乾燥させてから新聞紙に包んだら凍る心配のない屋内の土間などに置いておくだけで翌年の3月迄は大丈夫です。
新聞紙は束にしたネギを巻くようにして根と葉の両端は包まないようにしています。
尚ネギは横にしておくと起き上がろうとして曲がります。曲がっても食べるには支障ないですが、嫌であれば蓋のない段ボール箱の中に立てておけば曲がりません。


