ポットに種を蒔いてトンネル内で育苗してから定植します
家庭菜園向きのズッキーニの育て方をわが家の家庭菜園を例に紹介しています。
ズッキーニは発芽適温が高い為、トンネルや室内で発芽させてから育苗します。
定植後は旺盛に成長してたくさんの花を咲かせて実を付けますが、雄花を摘み取り雌花に擦るようにして受粉させないと実受粉果となって肥大しません。
倒れやすいので支柱でしっかり留めます。ズッキーニはカボチャの仲間で蔓なしカボチャとも言われるキューリに似た野菜で、実が肥大したら若いうちに収穫します。食感も良くなかなか美味しい野菜です。
/AomusiGarden
ズッキーニの基本情報
ウリ科、適応土壌酸度PH6-6.5、連作(OK)、発芽適温25-30℃、生育適温15-25℃、日照-日向
ズッキーニの栽培時期 (わが家の作型)
5月の初めにポットに種を蒔いて育苗し、苗を5月末に植え付けて6月半ば位から収穫開始です。
ズッキーニは発芽に温度を要するのでトンネル内で発芽させて育苗します。
家庭菜園では必要本数も少ないので、苗を購入して植え付けても良いと思います。
ズッキーニの育て方 – 栽培のポイント
家庭菜園でのズッキーニ栽培は3本もあれば良いので苗を買って植える人も多いと思いますが、ここでは苗は買わずに、育苗も行う場合についての紹介です。
1.育苗はトンネル保温下で
発芽温度が高いので、この時期の常温では無理なのでトンネル内で発芽させて育苗します。
以外と高温多湿に弱いので日中の暑い日や生育後半ではトンネルから出すなど、温度管理と水のやりすぎに注意が必要です。
2.元肥は多肥を控え追肥は生育を見ながら施す
ズッキーニは肥料が効き過ぎると葉ばかり茂り実付が悪くなります。
次々と花実を付け、又株の成長も驚くほど速いので、肥料は不足してはいけませんが、元肥は控え目にして葉の勢いを見ながら追肥という形が無難です。
3.水はけ良く育てる
ズッキーニは加湿に弱いので、水はけの良い場所で育てます。心配の場合は多少高畝にすると良いでしょう。
4.家庭菜園でも3本は欲しい
ズッキーニには雄花と雌花があり、人工受粉が必要です。
1本だとせっかく雄花が咲いたのに雌花が咲かずもったいない話となりますので、そのような事を避けるためにも、3本は欲しいところです。
その場合はおそらく自宅だけでは処理しきれないくらい穫れると思いますが。
5.倒伏防止
どんどん丈が伸びて、着果位置が高くなっていき、先の重みで根本近くの茎からポッキリというのがズッキーニの定番アクシデントです。
支柱やヒモを使い支えてあげるのは必須の作業です。尚ズッキーニの茎は太い割には意外と弱くて折れやすいので収穫や古葉の処理の際は傷付けないようにハサミを使って丁寧に行います。
6.毎日観察して人工受粉と収穫
とにかく毎朝観察して、咲いている花は逃さずに受粉させます。着果した実も適切なサイズの時に収穫しなければなりません。朝8時前には畑に行きたいところです。
7.不要な下葉は適宜カット
着果位置より下3~4段を残すようにして、その下の役目を終えた不要な葉は常に切り落とすようにします。風通しが良くなり、ズッキーニの大敵のうどん粉病にかかりにくくなります。
栽培手順
用具と資材の準備
①苦土石灰
雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。
②化成肥料
窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
③ヨウリン
く溶性リン酸が20含まれる肥料で、元肥に使います。アルカリ分も20%あり、苦土とケイ酸も含んでいます。果菜類にもよく使われる肥料です。
④堆肥
遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。
⑤ポット(径10.5㎝)
普通の円形のポリポットで直径10.5㎝のものを使います。トマトやナスの苗で使われている一般的なサイズです。
⑥種蒔き培土
発芽しやすく、生育に良いように土の酸度と肥料成分が調合されていますので必ず新しいものを使います。
古い用土や畑の土では水はけも悪く、病気のリスクもあり、うまく育たないことが多いです。
尚種蒔き培土には素材が細かめで乾きにくいプラグ用とそれよりも粗目のポット用が売られているのでポット用を選ぶようにします。
⑥ズッキーニの種
緑色の実を着けるものと黄色の実のものがありますが形は同じでキューリに似たものです。特にこだわりが無ければ、一般的な緑色のものがズッキーニらしいと思います。1袋10粒程度入りで売られています。
種蒔き
①ポットに用土を入れる
ポットに種蒔き培土を7分目程度入れて平に軽く押さえたらジョーロで丁寧に底まで浸みこむように湿らせます。
その際に十分に湿らせたポットと湿らせる前のポットの重さを実感しておくと後々ポットの湿りぐあいを見極める時に役立ちます。
尚種蒔き培土にはあらかじめバケツ等の容器の中で吸湿させてからポットに入れると書いてあるものもありますが、そうでないものについても、同様にした方が最初の水やりの際用土に水が浸みこみ易くなり、乾いた用土をポットに入れるより確実に早く吸湿させることが出来ます。
あらかじめ湿らせる加減は握ってもパサパサと崩れる程度の少量の水で十分です。
②ポットに種を蒔く
種を1ポット2-3粒重ならないように蒔きします。ズッキーニは毎朝花をたくさん咲かせる訳ではなく、一株1-2輪、それも雄花だけとか雌花だけとかの日も多いです。
人口受粉のチャンスを逃さないようにするには2-3株植えておいた方が無駄なく収穫に繋げられますので、3株は育苗しておきたいところです。
③覆土
種に1センチの厚さで培土で覆土して表土を軽く押さえます。
④注水
ジョーロで優しく水やりして種蒔きは終了です。
発芽迄用土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。但し加湿にするとズッキーニの種は腐ってしまうので要注意です。発芽してからも適宜水やりをして、水切れと加湿に注意して育てます。
保温
ズッキーニは低温下では発芽しないので、トンネル内の保温下で発芽させ育苗します。又黒マルチを張りポットを埋める様にしておくとさらに保温効果が高まります。
この頃は高温になり過ぎる日もあるので、トンネルの裾を上げ下げして温度管理に気を配ります。尚夜間温度が低すぎてトンネルでも厳しそうな時は室内で発芽させてからトンネルにポットを入れるようにすればさらに安全に発芽させることが出来ます。
間引き
天気の条件にもよりますが1週間前後で発芽してきます。3センチ程度迄育ったら1本残して間引きして定植迄育てます。
ズッキーニの苗は発芽さえうまくいけば成長は早くすぐに大きくなります。
この程度で間引きしても大丈夫です。引き抜かずに根元からハサミでカットした方が他の根を痛めません。尚種を無駄にせずにたくさんの苗を育てたい場合は一粒づつ蒔いても構いませんが、わが家では3ポットしか蒔かないので余計目に蒔いています。
土づくり
①苦土石灰の混入
定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。
②元肥入れと畝立て
定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で平に均しておきます。
化成肥料の量は1㎡当たり50gとしますが、使用する化成肥料の成分や前作の残肥を考慮して加減する時もあります。ヨウリン30g/㎡でリン酸成分を補足してあげると花つき実つきが良くなります。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
ズッキーニの元肥の入れ方は畝全体にすきこむ全面施肥が良いでしょう。
定植
種蒔から3~4週間で定植です。ポットを逆さにするようにして苗を抜き畝に70㎝の株間を取り植え付けます。植穴には注水して、水が沈んだら植えるようにすると根付きが良いです。終えたらタップリ水を与えましょう。
尚日光の強い日は日中植えるとしおれるので、定植は午後3時以降が良いでしょう。
収穫
ズッキーニは雄花と雌花があります。朝の8時位までには雄花をもぎ取って花粉を雌花のめしべに擦るようにして必ず人工受粉を行います。
受粉果は4-5日ほどで肥大するので採り遅れないように収穫します。収穫の際は手で捻り採るようなことをすると茎が傷つくので、必ずハサミで丁寧に採ります。
手入れ
※支柱立て
ズッキーニは実を成らせながら草丈が高くなり、次第に先端の重みで倒れて行きます。
そのままでは折れてしまうので、丈夫な支柱を立てて倒れないように留めたり、囲んで寄りかかれるようにします。
茎は太い割に案外弱く、いろいろやっても結局折れてしまうことがよくあります。もっと良い方法を考えたいと思っています。
※葉の整理
ズッキーニは実を次々と付けながら先に延びていくので、収穫した後の下部の葉は順次切り取って整理していきます。放置しておくと日照と風通しが悪くなりうどん粉病になります。
只現在付いている実の3~4段位の葉までは切り取らずに残すようにしましょう。
ズッキーニは急に多数の葉を取ってしまうと株が衰弱するうえに茎が傷みやすくなります。
※追肥
発芽後2週間位に1ポットに化成肥料5-6粒、定植後は収穫が始まる頃に1株に軽く1つかみのの化成肥料を根元から離して施して軽く土寄せします。葉が大きく勢いが強い時は追肥の時期を後にします。
※病害虫
うどん粉病、ウリハムシなどがあります。程度によっては薬剤を使用します。
他の野菜の育て方と栽培時期はこちらから
栽培ごよみ – わが家の家庭菜園での栽培時期や育て方などを参照していただけます
【わが家の〇〇〇づくり】で検索できる野菜ページもあります