瓢湖の白鳥北帰行の時期

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新潟県阿賀野市の瓢湖では白鳥の北帰行の時期となっています。例年10月の上旬から飛来し始め、3月の上旬までの5か月間を瓢湖や近くの河川、湖沼で過ごし、2月の20日過ぎには北に向かって旅立つ北帰行が始まります。既に数は5百~6百羽まで減っていますが、未だ帰る気がないのか、近くの田んぼで餌を摂っている群れを見かけるので、3月10日位までは少しは残っているかもしれません。今日(3/2)は南下した白鳥たちが北へ向かう途中に瓢湖に寄ったと見え、久しぶりに賑やかで一見千羽以上に見えます。ちなみに白鳥は瓢湖に飛来する時は瓢湖を目指して上空高く飛んで、近くの田んぼに出かける時は危ない位に低空飛行なので、すぐに解ります。まれに春分の日を過ぎた頃に寄っていく集団を見かけるときもあり、人間と同じで色々あるもんだと妙に納得させられます。

阿賀野市の瓢湖

阿賀野市は新潟市から東へ20キロに位置する人口4万ののどかな田園都市です。瓢湖は江戸時代の初期に農業用の灌漑地として作られたもので、13年の歳月をかけて1639年に完成した人造湖です。当時は上下2つの池に分かれて瓢箪のような形であった為瓢湖と言われるようになりました。その後上側の湖は水田に変わり、長らく湖は一つになっていましたが、昭和46年からの瓢湖水禽公園整備により、あやめ池、さくら池を加えて現在の瓢湖の姿になりました。周囲には遊歩道、公園、あやめ園などが整備されて、湖畔の桜並木を始め、四季を通して色々な花木の花も咲き、1年中楽しめる観光スポットとなっており、又ラムサール条約の登録湿地にもなっています。

瓢湖周囲の桜並木の横にはあやめ園も整備されています。

瓢湖の白鳥

初代の白鳥おじさんの吉川重三郎さんが昭和29年に日本で初めて野生の白鳥の餌付けに成功した事で、国の天然記念物に指定されました。今から70年近く前の事ですが、それから飛来数は増え続け近年はピーク時で5000から6000羽の白鳥が毎年飛来しています。最近は瓢湖以外でも餌付けに成功している処は多いみたいですが、瓢湖で餌付けられた白鳥が、代々にわたって人間との信頼関係を引き継いで深めているのが大きな要因ではないかと思っています。親が人慣れして寄ってくる時は幼鳥は何の疑いもなく、親より近くに寄って餌をねだる事から見てもこれは間違いないことでしょう。私も昔餌をあげていたら、陸に上がってきた白鳥が首を伸ばして餌をねだってきたことがあり、瓢湖の白鳥の人慣れは普通じゃないと思っています。白鳥は初飛来から約5か月間滞在しますが、基本的に瓢湖は彼らのねぐらであり、日中は近くの田んぼで餌を摂りながら過ごします。毎日朝7時位までに飛び立ち、夕方暗くなるまでに瓢湖に戻ります。日中に餌やりタイムもありますが、日中瓢湖に居て餌をもらう白鳥は僅かで、寄って来るのはおびただしいカモの群れです。それはそれで他では見れない光景ですが。餌を摂りに行く範囲はそれほど遠い訳ではなく、5キロ程度の範囲内で多く見かけます。その程度の距離は白鳥にとって自分の庭のような感覚で何の緊張感もないと見え、群れはバラバラ、子を探しているのか1羽瓢湖に行き来する親鳥も良く見る光景です。

白鳥見物の時期と時間

白鳥は10月上旬に第一陣が初飛来した後、日を追うごとに増え続け、時には数百単位で飛来し、11月末ごろにはピークに達します。年によって差がありますが、12月中旬~1月始めに積雪があると田んぼで餌が摂れなくなるため、瓢湖を離れて雪の無い地域迄南下する白鳥が多くなるので、次第に数を減らします。その為白鳥見物は11月末から12月上旬が絶対おすすめです。その頃になると近くの五頭連邦も冠雪しているので、景色の良い写真を撮るにも最適です。又見物時間は朝の6時半~7時頃が最高です。数千羽の白鳥が次々と水面を蹴りながら助走して飛び立つ様は圧巻です。車で15分程度の近くに温泉街があるので、遠方の人なら一晩泊まって朝見物が良いでしょう。送迎もやってもらえるらしく、旅館のバスもよく来ています。

瓢湖周辺の見どころ

瓢湖が位置する阿賀野市は平成の大合併で近隣の4町村が合併して出来た街です。瓢湖はその中核となる水原町の東端にあります。水原町は戦国時代は上杉謙信の忠臣であった領主が治めた小城下町で、江戸時代は幕府直轄となり代官所が置かれていました。そのような流れからか明治政府に変わった時に新潟県の県政の拠点が一時置かれた歴史のある町でもあります。代官所は復元されて観光スポットとなっています。水原県庁跡は建物の一部(矢倉)が復元され、公園となっています。阿賀野市は温泉も豊富な街です。近くに五頭山を中心とした五頭連邦がそびえ、麓には出湯温泉、今板温泉、村杉温泉の3つの温泉があります。それぞれ歴史のある昔からの名泉で日本3大ラジウム温泉なども好評です。旅の疲れを癒して日本情緒を満喫できる旅館もたくさんあります。五頭山は標高900mを少し超える山で、気軽に登れる山として近隣の登山者に人気もあり、学校の遠足などでも利用されています。登山で汗を流した後は誰でも利用できる温泉施設もあります。

詳しくは阿賀野市のホームページ他、瓢湖、○○温泉などで検索すれば、たくさんの情報が出ています。ここでは概要と個人の視点から紹介させて頂きました。

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