わが家のトマトづくり

トマト
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露地の畝とプランターで大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトを楽しんでいます

家庭菜園向きのトマトの育て方をわが家の菜園を例に紹介します。
ミニ、中玉、大玉のトマト苗を購入し、畑の畝と丸形プランターで育てています。品種は一般的なミニキャロル、アイコ、レッドオーレ、ホーム桃太郎です。苗は連作障害回避の為、入手できるものは接木苗を使っています。
夏の家庭菜園では定番のトマトですが、最近は種類も豊富になり色々な品種の苗が出回っています。気に入ったものを見つけ、数種類栽培して、色、形、大きさなどバラエティーを楽しむのも面白いと思います。育て方はミニ、中玉、大玉トマト共基本は同じです。

/AomusiGarden

トマトの基本情報

ナス科、適応土壌酸度PH6-6.5、連作(3年程度空ける)、発芽適温15-27℃、発芽可能11℃~
生育適温21-26℃、日照-日向

トマトの栽培時期 (わが家の作型)

トマトは発芽に高い温度を要する為、早春の苗づくりは難しく、又連作障害を起こさないように接木苗を使いたい為に自家育苗はあきらめて苗は購入します。
4月末から5月初めに苗を植え付け、7月上旬~8月下旬まで収穫します。ミニトマトのアイコなどはとても強健種で仕立て方によっては秋口まで収穫することも可能です。

トマトの育て方 – 栽培のポイント

わが家の菜園でトマト栽培をする中で特に注意を払っているポイントです。

1.苗は原則接ぎ木苗を使用
連作障害防止のため、苗は原則接ぎ木苗を使用します。

2.大苗まで育苗
桃太郎などの大玉種は、小苗を植えると一気に枝葉が成長パターンとなって花芽の付きにくい株になります。
小苗を買った場合は、一回り大きい12㎝ポットに植え替えて、一段目の花芽がしっかり付いてから定植します。
尚花芽は収穫のし易さと実への日照を良くするため畝の外側に向けて植え付けます。

3.元肥に窒素過多厳禁、リン酸重視、追肥で加減
速攻性の窒素肥料を与え過ぎると枝葉ばかり繁って実の付きにくい株になったり、病害中の被害が出やすい株に育ちます。
そのため元肥の化成肥料は控えめにして、あとは葉色と茎の伸長具合を見ながら追肥で加減するのが無難です。
又トマトは花実の野菜ですのでヨウリンなどでリン酸の補足が有効です。一方で中玉やミニトマトで主枝を複数立てて多数の実を目指す仕立て方の場合は、大玉よりも多少元肥を多めで栽培しています。

4.整枝と摘果
大玉は基本1本仕立てで、脇芽は見つけ次第に摘み取ります。
着果は5~6段目迄とし、最上段の花房の真上の葉1段を残して摘芯します。
当地の露地栽培で最後までに熟すことができるのは6段目が限界のようです。一段あたりの着果数は、生育と形の良いものを選び4~5個にします。
中玉とミニは主枝2本を基本にしていますが、ミニは5本位の主枝を立てた大づくりに大量に着果させて楽しむのも面白いです。

5.雨除けと加湿防止
トマトは加湿にして育てると、甘味が不足したり裂果したりするので、雨除けを掛けて乾燥気味に栽培することを心掛けています。
畝に黒マルチを張るのも効果があります。

6.鳥害防除
カラスとヒヨドリによる食害を受けるので、防鳥ネットを掛けないと、ひどい事になります。
カラスの場合ビー玉程度の青い実でもいたずらして散らばしている事がありますので、早いうちからネットを掛けています。

栽培手順

準備するもの

①苦土石灰

雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。

②化成肥料

窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。

③ヨウリン

く溶性リン酸が20含まれる肥料で。元肥に使われます。アルカリ分も20%あり、苦土とケイ酸も含まれています。果菜類の実成りが良くなるように使われます。

④堆肥

遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。

野菜の肥料について

⑤トマトの苗

トマトの苗は4月末から5月の始めにホームセンターなどに出回りますので時期を見て購入します。
ホーム桃太郎、中玉のレッドオーレ、ミニのアイコは強健で育て易いです。

土づくり

①苦土石灰の混入

定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり150gとやや多めにします。

②元肥入れと畝立て

定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝×2として2列植えとします。
化成肥料の量は1㎡当たり50gとします。肥料が効きすぎると生育初期にスタートダッシュ状態になり茎葉ばかり繁って花の咲きと実成の悪い株になります。
前作の残肥があると考えて、元肥は少な目が安全です。尚ヨウリン50g/㎡でリン酸を補ってあげると、さらに好結果が期待できます。
大玉トマトは脇芽を全て摘んで1本仕立てとする為、肥料過多による障害が出やすいです。中玉とミニトマトについては主幹を2本にして、枝も数本出して仕立てる場合が多いので、多少肥料が効きすぎても致命的な問題にならないです。
わが家では即効性の強い化成肥料の少ない分、1株に軽く1握りの発酵油粕を元肥に加えています。

堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
トマトの元肥の入れ方は肥料の流失が少なく、長期間栽培に向く溝施肥が良いでしょう。

土づくりの基本について

③マルチング

黒マルチを張ると地温が上がり活着と初期成育が良い、肥料持ちが良い、土が固くならず適度な湿度を保てるなどトマトの生育環境が良くなります。

定植

ポットを逆さにするようにして苗を抜き畝に植え付けます。植穴には注水して、水が沈んだら植えるようにすると根付きが良いです。終えたらタップリ水を与えましょう。
複数植える場合は60㎝の株間とします。事前に穴開け器でマルチに穴を開けておきます。
最近は小苗で販売されることが多くなり、蕾の方向も確認しづらいものもあります。このような苗をすぐに植え付けて、肥料が効くと急激に成長して1段目の花がうまく結実しないことがよくあります。
桃太郎の場合、花の無い小苗は一回り大きなポットに植え替えて2週間管理して、蕾が付いた頃の大苗を植えた方が確実に着果します。
尚花は畝の外側に向けて植えて日当たりと作業性を高めるようにし、植え付け後は風で痛むことのないように、支柱にしっかり留めておきます。

収穫

7月上旬頃からミニなど小さいものから採れ始めます。家庭菜園では採れたものをすぐに食べれますので、尻まで十分赤くなったものを採る様にします。

7/中旬、いよいよ夏野菜の盛期を迎えました。特にトマト、ナス、ピーマンは収穫出来る期間も長いので当分の間は主役です。家庭菜園は少しづつだけでも種類の多い方が楽しめます

手入れ

※追肥

大玉トマトの場合、一番果がピンポン玉大になったらマルチの端をめくり1握りの化成肥料を畝肩に与えます。
トマトは肥料の加減が重要で、元肥が多過ぎれば茎が太く、葉も大きくて巻き込むような形となり、やがて丈が健全に伸びなくなり、特に一段目は満足に着果しなくなります。
元肥が十分でなかったり、追肥が遅れたりして肥切れした場合は、茎もか細くて上段部のトマトまでしっかりと肥大させることは出来ません。
肥料の効き加減は草勢をチェックしながら判断します。例えば花穂の先端から葉が展開する場合などは程度にもよりますが、肥料の効き過ぎというような事です。
ミニ、中玉の場合も1段目の実が肥大し始める頃、同じように追肥します。その後の追肥については、大玉、ミニ、中玉とも、中段の実が肥大し始める頃にもう一度同じように施します。

病害虫

害虫ではアブラムシとハダニ、オンシツコナジラミなどが付きます。オオタバコガの幼虫の食害でトマトが穴だらけになる時もあります。
病気はこれらの害虫が媒介するものと土壌の菌やウイルスとかに由来するものなので、害虫防除と土壌管理が重要となります。
不要な枝葉を剪定して日当たりと風通しを良くしてやることも大切です。無農薬の場合は運悪く病害虫の被害が発生するとどうすることも出来ない場合が多いと思います。
収穫期に差し掛かる前の予防防除も合わせて考える必要があるかもしれません。

病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

※整枝、摘果、支柱

大玉トマトは1本仕立てとし、脇芽は見つけ次第手で掻き取りますが、先端は主枝の成長点と脇芽を間違い易いので注意します。
5~6段目の花が咲いたら、花房の上に1節の葉を残して、その先を摘芯します。6段目以降は実も小さく、気温も低くなってくるので、成らせても熟しにくくなります。
尚収穫が終わった穂の下の葉は役目を終え黄変してくるので順次取り除いておけば風通しは良くなるし、残渣の処理も順次行えるので処理も楽になります。葉を切り落とす時は実の付いている下一段は残すようにします。
中玉とミニは2本仕立てにすれば多数の実が収穫出来ます。方法は一番最初に付いた花穂の直下の脇芽を伸ばして2本目の主枝とします。それぞれの主枝から出た脇芽は全て掻き取らずにある程度の本数の枝としてバランスよく配置すれば多収穫が期待できる大株づくりとなります。
ミニトマトは最後は放置しがちになりますが、遅く付いて熟しようがない実や不要な枝を落として必要な実を最後までしっかりと熟させるように手入れを行います。
大玉トマトは1房最多5個を基本に、いびつなものや極小さいものを取り除きます(摘果)。
支柱は1列植えや2列植えの合掌式など育てる本数や配置で決めます。
トマトは乾燥気味な土壌を好むので雨よけがあれば一番ベストです。我が家の場合は2列植えの支柱を柱として利用してビニールの雨よけを掛けています。

トマトのプランター栽培

基本的には畝での栽培と同じですが、プランターの場合は限られた土量での栽培ですので、水分管理と肥料管理は特に注意を要します。
株が大きくなると水分の吸収も多くなり、又その頃は高温乾燥の日が続き、夕方までに水切れ事故を起こしてしまう事もあるので、そのような場合は置き場を午前中たけ陽が射す場所にするとかの対策も必要です。
又そこまで成長するまでに養分を使い果たして上段が尻すぼみで勢いがなくなり易いので、そうならないように適切な追肥によって勢いを持続させることが重要となってきます。そして不要な枝葉を整理して水分と養分の無駄な吸収を抑える事も大事です。

準備するもの

①丸形プランター

直径33-35㎝、深さ40cm程度の大き目の丸形プランターを使います。

②野菜培養土

ミニトマトの場合は接ぎ木苗でない場合も多いので野菜専用の新しい培養土を使います。
古い用土を再利用する時は畑同様に苦土石灰や堆肥、化成肥料で事前に調整しておきます。
培養土にはあらかじめ肥料が混和されていますが、トマトなど長期に花実をつける野菜は不足しがちですので、元肥として緩効性の発酵油粕少量とヨウリンまたは又はマグアンプKを適量与えておく方法もあります。
ただし肥料の与えすぎ(特に窒素肥料)は枝葉だけ繁茂させてしまう恐れもあるので、栽培と使用する用土に不慣れの時は様子を見ながら追肥を適切に施した方が安心です。追肥には化成肥料や液肥が手軽で扱いやすいです。

草花兼用の培養土もありますが、高級品とはいかなくとも多少良質な野菜専用の培養土を使いたいものです。
赤玉土などの基本用土がしっかりと配合されて保水力、保肥力が優れているものは、再生しながら長く使えます。新しい培養土を使えば病害虫のリスクが小さくて安心ですが、一度何かを栽培したものは病原菌や害虫の卵など心配も多くなり野菜が育つための養分も失われています。
再利用する場合は事前に日光や薬剤による除菌と殺虫そして失われた養分を補足するなどの土づくりが必要です。
又実際に用土を再利用する際は同じ土に再び同じ野菜や同じ科の野菜を栽培する事の無いように注意する必要があります。

プランター用土の再利用について

③鉢底石

水はけを良くする為に鉢底に敷き詰めて使います。ネットに入れて使えば土を入れ替える際に土と混ざらずに楽になります。

⓸トマトの苗

プランターの場合は中玉やミニトマトがたくさん採れて面白味があります。もちろん大玉トマトでも問題なく育てられます。

育て方

①プランターに培養土を入れる

鉢底石をプランターの底が隠れる程度敷き詰め、上から培養土を鉢の縁から15㎝位まで入れます。ヨウリンまたはマグアンプKを軽く1掴み混ぜ入れておくと尚良いでしょう。

②苗の植え付け

苗を逆さにしてポットを外したら、プランターの中央に置き、まわりに培土を足して植え付けます。
培土はプランターの縁から5㎝の位置まで入れます。終わったらたっぷりと水やりをします。

③整枝、支柱、追肥、収穫などの管理

苗を植え付けた直後は仮支柱を立て苗を紐で留めながら育てますが、2本立ちにする為に途中から丈夫で長い支柱2本を追加します。
最初に咲いた花穂の直下の脇芽を伸ばして2本目の幹として支柱に誘引しながら育てていきます。それぞれの幹から出る脇芽は掻き取ります。
トマトは生育旺盛で培養土に含まれていた肥料だけでは不足しますので、最初の花穂が先まで実になった頃から2週間に1回化成肥料2摘まみ施し肥切れさせないようにします。週1回液肥も与え草勢を落とさない様にすれば、長期に楽しめます。
追肥の際は用土を少しづつ足して最終的にはプランターの淵から3センチ程度になるようにすると良いでしょう
家庭菜園では採ってすぐたべるので尻まで完全に赤くなってから収穫した方が美味しいです。尚収穫を終えた穂の下の葉は役目を終えて黄変してきますので順次取り除けば風通しと日照が改善され、病気予防にもなります。
大株になる真夏には水の吸い上げ量も多くなって夕方になると水切れでグッタリと言うことも良くあるので、そんな場合は日当たりは午前中程度の場所に移動した方が元気良くなります。

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