40連結ポットに種を蒔いて育苗してからプランターに定植
家庭菜園向きのサンチュの育て方をわが家の菜園を例に紹介しています。
40連結ポットにサンチュの種を蒔き、育苗してからプランターに定植し、定植後は10日前後で収穫が始められます。この栽培方法は育苗中プランターを使わない為にプランターの運用や配置が非常に楽になります。
丈夫で病害虫にも強く育て易いサンチュは年に何回も栽培出来るので家庭菜園では重宝します。種蒔き、育苗から始めれば、他の野菜づくりをする際の大きな経験にもなりますので、初めて作る野菜としてはリーフレタス同様、一番におススメしたい野菜です。
/AomusiGarden
サンチュの基本情報
キク科、適応土壌酸度PH6-6.5、生育適温15-20℃、日照-日向~反日蔭でも可
レタス類は比較的、冷涼な環境を好むので、真夏は避けます。
サンチュの栽培時期 (わが家での作型)
①早春蒔き
種蒔き3/7、定植4/18、収穫5/上~を標準としています。種蒔きから育苗中期までは低温のためにビニールトンネルの中での管理になります。次の春蒔き同様に収穫期間が長く約1か月半も楽しめます。
②春蒔き
種蒔き4/20、定植5/20、収穫5/末~を標準としています。暖かくなっているので保温も不要で簡単に栽培出来て長く楽しめます。
③夏蒔き
種蒔き8/15、定植9/10、収穫9/中~を標準としています。春まき同様簡単に栽培出来て長く楽しめますが種蒔き時期は気温が高くて乾燥する時期なので強い日差しを避けて育苗する必要があります。
④秋蒔き
種蒔き9/8、定植9/30、収穫10/中~を標準としています。気温の低い日が続く時はビニールをかけて保温してやる場合もあります。
サンチュの育て方 – 栽培のポイント
わが家の家庭菜園でのサンチュ栽培のポイントです。
1.直蒔きはせずに育苗してから定植する
40連結ポットで必要数をその都度育苗してからプランターに定植します。この方法はプランターに直蒔きするのに比べて育苗中はプランターを使わなくて済むので、栽培計画に余裕が出来ます。
2.栽培はプランターで行う
プランターの方が根切り虫などの土中害虫の被害も受けにくく、又土の跳ね返りも無く、綺麗なサンチュが穫れます。もし露地で栽培する場合は敷き藁などを敷くと良いでしょう。
3.加湿に注意する
レタス類は加湿に弱いため、プランターには鉢底石を使用し、用土も水はけの良いものを使用します。用土を再利用する時は、微塵をフルイで抜くなどして水はけには特に注意が必要です。
4.夏と冬を除き常時栽培
春と秋2回づつ連続で栽培します。先に植え付けたものが収穫中に次のものを定植しますので、一時は収穫期がダブります。リーフレタスとサンチュのプランターで彩りも良いサラダ用菜園が出来ます。
5.収穫は成長した葉を摘み取り
大株になってから刈り取ってしまう収穫方法もありますが、家庭菜園では成長した外葉から必要分を摘み取る方が再び新しい葉が芽吹いて成長を繰り返すので新鮮なサンチュを長く楽しめます。
栽培手順
用具と資材の準備
①プランター
縦520×横342×深さ267の野菜用プランターを使います。この中深のプランターは根の張りの浅いものから、しっかりと張るものまで兼用出来て使い勝手が良いです。
②40連結ポット
8×5列で40個つながっている角ポットです。サンチュの苗を種蒔きから定植するまでの大きさ迄育てられ、又用土の量も比較的少なく済むので簡単かつ経済的です。
手でちぎれば簡単に切り分けられるタイプがあるので家庭菜園ではあらかじめ分けておいて必要な数だけ使うようにするのが便利です。
ポットには色々な種類があり、どれを使って育苗しても良いのですが、家庭菜園で何種類かの野菜の苗を少しづつ育苗するような場合は、この40連結ポットの使い勝手の良さは他に代えがたいものがあります。
③ポットトレー
40連結ポットが丁度良く収まるように出来ています。ポットが固定できるので風にも飛ばされず、持ち運びも楽です。
又ポットの底穴の一部が塞がれる形となるので用土も漏れにくい事からポットの底穴に網などを敷く必要もありません。切り分けられるタイプの40連結ポットを使用する為には不可欠なものです。
⓸種蒔き培土
発芽しやすく、生育に良いように土の酸度と肥料成分が調合されていますので必ず新しいものを使います。
古い用土や畑の土では水はけも悪く、病気のリスクもあり、うまく育たないことが多いです。尚種蒔き培土には素材が細かめで乾きにくいプラグ用とそれよりも粗目のポット用が売られているのでポット用を選ぶようにします。
⑤野菜培養土
草花兼用の培養土もありますが、高級品とはいかなくとも多少良質な野菜専用の培養土を使いたいものです。
赤玉土などの基本用土がしっかりと配合されて保水力、保肥力が優れているものは、再生しながら長く使えます。
新しい培養土を使えば病害虫のリスクが小さくて安心ですが、一度何かを栽培したものは病原菌や害虫の卵など心配も多くなり野菜が育つための養分も失われています。
再利用する場合は事前に日光や薬剤による除菌と殺虫そして失われた養分を補足するなどの土づくりが必要です。又実際に用土を再利用する際は同じ土に再び同じ野菜や同じ科の野菜を栽培する事の無いように注意する必要があります。
⑥鉢底石
水はけを良くする為プランターの底が隠れる程度に敷いて使います。ネットに入れて使えば、土を入れ替えたりする場合に土と混ざらずに楽です。
⑦サンチュの種
サンチュの種は焼き肉用用レタスなどの名称でも売られています。レタス類の種は非常に長持ちするので保存しておいて、使い切るまでの年数は結構多いです。
種蒔き
プランターに直蒔きよりも、プランターでの栽培期間が短縮できるので、育苗という形をとっています。この方法では定植後10日~2週間で収穫が始められるので、プランターの運用が非常に効率的になります。
①ポットに用土を入れる
トレーにポットを必要数並べて種蒔き培土を8分目程度入れて平に軽く押さえたらジョーロで丁寧に底まで浸みこむように湿らせます。
その際に十分に湿らせたポットと湿らせる前のポットの重さを実感しておくと後々ポットの湿りぐあいを見極める時に役立ちます。
尚種蒔き培土にはあらかじめバケツ等の容器の中で吸湿させてからポットに入れると書いてあるものもありますが、そうでないものについても、同様にした方が最初の水やりの際用土に水が浸みこみ易くなり、乾いた用土をポットに入れるより確実に早く吸湿させることが出来ます。
あらかじめ湿らせる加減は握ってもパサパサと崩れる程度の少量の水で十分です。
②ポットに種を蒔く
種を1ポット10粒程度重ならないようにバラ蒔きします。残った種はしっかりと保存しておきます。レタス類の種は特に長持ちします。
③覆土
種が見え隠れする程度に培土で覆土します。レタス類は好光性種子の為、覆土を厚くするとうまく発芽しません。
④注水
ジョーロで覆土した表面の土も湿らせて種蒔きは終了です。
発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからも適宜水やりをして、水切れと加湿に注意して育てます。
置き場は明るい戸外で強い雨に当てないようにします。強い雨で種が流れたり、発芽したばかりの苗が痛みます。
保温
3月中での種蒔きだけは気温が低い為、発芽させるにはビニールトンネルなどでの保温が必要ですが、桜の花が咲く頃には必要でなくなるのでトンネルから出します。
その他の時期での種蒔きは保温は不要です。
間引き
天気の条件にもよりますが7日前後で発芽してきます。子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように4本残して間引きします。
2センチ程度迄育ったら2本残して間引きし、定植迄育てます。
プランターに野菜培養土をいれる
プランターに鉢底石を敷き、培養土を縁から3センチ程度迄入れる。
新しい培土の時は土を入れてすぐに定植できますが、再利用の土で元肥を入れて調整する場合は、1週間前には準備を終えておきます。
定植
種蒔から約1~1.5ヶ月で定植です(早春蒔きは寒さのため日数を要します)。ポットを逆さにするようにして苗を抜きプランターに2列×4の8株を植え付けます。1株当たり2本をそのまま植え付けます。
大株にして収穫したい時は4株にしておきます。植え終えたらタップリ水を与えます。
収穫
定植後10日~2週間程度で1株1本を根元から切り取って収穫します。まだ小さいですが十分食べられます。1回得した感じですね。残した8本については成長した葉から順次利用していけば長い期間楽しめます。
葉の展開が少なくなり、先細りになってきたら収穫終わりです。このタイミングで次の苗が定植できれば切れ目のない連続栽培となります。ちなみに4人家族としたらプランター1個で十分です。
同じ方法でリーフレタスを1プランター栽培しておくと、彩も良い生野菜が絶えず楽しめます。
収穫したサンチュの葉、収穫後は再び新しい葉が伸び出すので繰り返し収穫することが出来ます。家庭菜園ではこの方法での収穫が一番適していると思います。
手入れ
※追肥
発芽後3週間位に1ポットに化成肥料5-6粒、定植後は2週間に1回1株に軽く1つまみの化成肥料を
施します。化成肥料の代わりに野菜用の液肥でも構いません。
※病害虫
サンチュは青虫もつかず病害虫に悩まされることは少ないですが、ナメクジには要注意です。
プランターや鉢などの底など周辺のナメクジが生息していそうな場所をチェックして捕殺するか、プランターの周辺に薬を撒いて駆除しましょう。
希に根切り虫とヨトウムシが付くことがあるので、その時は株元の土をほじって探すか、ヨトウムシの場合は暗くなったら夜懐中電灯で照らして見ると葉に数匹付いていることがあります。
生野菜で食べることの多いサンチュは農薬を使えないので捕殺しかありませんが、予防対策としては新しい用土を使う、又は用土の事前消毒、そして害虫の卵を産み付けられないようにネットを掛けるなどがあります。
しかし本当に稀のことなのでわが家ではナメクジ対策だけで後は何もしていません。
他の野菜の育て方と栽培時期はこちらから
栽培ごよみ – わが家の家庭菜園での栽培時期や育て方などを参照していただけます
【わが家の〇〇〇づくり】で検索できる野菜ページもあります