家庭菜園では苗を購入して植え付けた方が早く収穫出来て得策
家庭菜園向きのピーマンの育て方です。ピーマンは発芽温度が高く、植え付けの適期までに家庭で育苗する事は難しく、又ピーマンは1本でも食べきれない位の実が成るので、家庭菜園では苗は購入した方が得策です。
植え付け当初の防寒対策を行い、又自根苗の為連作にならないように注意すれば、後は比較的強健に育ちます。
ピーマンは小さくても食べられるので、家庭菜園の場合好みの大きさで収穫が出来るのも良いところです。小さくて柔らかいものをシシトウ代わりに焼いて食べても美味しいです。
/AomusiGarden
ピーマンの基本情報
ナス科、適応土壌酸度PH6-6.5、連作(3年程度空ける)、発芽適温30-35℃、発芽可能15℃~
生育適温25-30℃、日照-日向
連作に弱く、接ぎ木苗も一般的には売られていないので連作はしないようにします。
ピーマンの栽培時期 (わが家の作型)
4月末から5月初めに苗を植え付け、6月中旬~10月上旬まで収穫します。
ピーマンは発芽適温も高く、定植時期までに家庭で育苗するのは面倒なので苗を購入して定植します。接ぎ木苗は出回っておらず、自根苗を植えることになるので、連作にならないように注意が必要です。もしパプリカ、シシトウや鷹の爪などのナンバン類を育てる時も同様の育て方になります。
ピーマンの育て方 – 栽培のポイント
家庭菜園でピーマンを育てる際のポイントです。種蒔きして育苗することも難しくはありませんが、ピーマンの苗は安いうえに1本あれば十分なので、購入苗を早く植え付けて早く収穫を始める方が得策です。
1.連作を避けて植え付け
自根苗なので連作は絶対避けることが重要です。
2.苗を植え付け当初は保温する
まだ夜間は寒い時期なので、植え付けたばかりの小苗は、ビニール袋などを被せて保温してやれば、活着と成長が確実に早くなります。
袋に穴をあけておけば日中高温になりすぎることがありません。ビニールは5/中になり、気温が安定したら、取り払います。
3.畝は黒マルチ張
ピーマンは高温野菜なので、マルチを張り地温を高めれば、根張よく元気に成長します。
4.3本仕立てで枝配り
一番花の咲いた枝とその下の枝2本の合わせて3本を主枝として仕立てます。根本の枝や3本の主枝の分岐点近くの混み合った枝は切り落とします。
5.適宜な追肥で大株に育てる
追肥をしっかり施して大きな株に育てれば、1本でも家庭では持て余すほどのピーマンが成ります。
成ったピーマンは全て大きくしようとせず、剪定しながら小さいものも利用します。
6.支柱と囲い紐で保護
枝が付け根から裂けやすいので、支柱を立て、ヒモで囲うようにして保護しておきます。
栽培手順
準備するもの
①苦土石灰
雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。
②化成肥料
窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
③ヨウリン
く溶性リン酸20を含むリン酸肥料です。苦土とケイ酸も含み、アルカリ分が20%あります。主に果菜類の実付を良くするため、元肥として使われます。
④堆肥
遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。
⑤ピーマンの苗
4月末位からホームセンターなどに出回ります。小型種ですが京みどりは軟らかくて数もたくさん成り家庭菜園向きです。
ホームセンターで買い求めたピーマンの苗、接ぎ木ではなく自根苗なので連作には注意が必要です。植え付け当初は気温が低いのでビニール袋などで覆い保温しておくと活着、成長が早まります。尚ピーマンは元気に育っていれば大量の実を成らせるので、家庭では1本あれば十分でしょう。
土づくり
①苦土石灰の混入
定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たりやや多めの150gとします。ピーマンは連作障害が強い野菜なので,ナス科の野菜を4年程度作った事がない場所を選びます。
②元肥入れと畝立て
定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で表面を平に均しておきます。
化成肥料の量は1㎡当たり100-150gとします。ヨウリを50g/㎡施してリン酸分を補えば、花つき実つきが更に良くなります。
長い間収穫が続く野菜なので元肥はしっかりと施しておきます。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
ピーマンの元肥の入れ方は肥料の流失が少なく、長期間栽培に向く溝施肥が良いでしょう。
③マルチング
黒マルチを張ると地温が上がり活着と初期成育が良い、肥料持ちが良い、土が固くならず適度な湿度を保てるなど効果的なメリットがたくさんあります。
定植
ポットを逆さにするようにして苗を抜き畝に植え付けます。自家用なら1本で十分だと思いますが、複数植えたり、又他の野菜を隣に植えたりする場合は80cm間隔を取って植え付けます。
植穴に注水して、水が沈んだら植えるようにすると根付きが良いです。植え終えたらタップリ水を与えましょう。尚定植の前にはマルチ穴開け器で所定の寸法で穴を開けておきます。
ピーマンの小苗は夜間寒い間はなかなか成長してくれないので、気温が安定する5月下旬位迄は支柱を4本立て、ビニール袋の底に通気孔を開けたもので、回りを囲う様に風除けしておくと成長が早まりしっかりした株に育ちます。
※ポリエチレンをドーム状に成型した苗キャップがホームセンターなどで売られているので、定植後の苗の保温にはそれを使っても良いのですが、透明なゴミ袋で覆えば簡単かつ安上がりなうえ、袋はゴミ袋として再使用出来ます。
収穫
定植後2ヶ月弱で収穫期を迎えて枝葉も繁茂して実もたくさん成り続けます。過繁茂にならないように適宜剪定して風通し良くして元気の良い枝を育てる様にします。
手入れ
※追肥
定植後は最初の実が付いた頃から3週間ごとに化成肥料を1株当たり軽く1握り与えますが、最初はマルチをめくって畝の両肩から肩下に与えます。
以後は畝間に施すようにします。ピーマンは長期間実を成らせ続けるので肥切れを起こさない様に注意して大株に育てれば多収が期待できます。
※病害虫
新芽や軟らかい葉にアブラムシが付くことがあります。アブラムシは色々な病気を媒介するので注意しています。
ピーマンは連作障害性も強い上に接木苗なども売られていないので3年程度は同じ場所で作らないことが特に大事です。
ピーマンの仲間のパプリカの場合は実に甘みがある為かタバコガが侵入することがあるので程度によっては薬剤防除しますが、ピーマンは比較的心配の要らない野菜のようです。
※整枝、支柱
ピーマンは一番花の咲いた枝を主枝として、その上下の元気の良い枝2本を加えた3本仕立てを基本とします。その下から出た小さな芽は掻き取ってしまいます。
3本仕立ての枝からは脇枝も多数発生するので、分岐点近くの枝や風通しを悪くする枝を剪定して元気の良い枝を残すように常に手入れします。
尚一番花の実は枝に挟まれたり良く育たないうえに株の成長の妨げにもなるので早めに切り落とします。
ピーマンは強風で倒れたり、枝の分岐点から裂けたりするので必ず支柱を立てて支えます。支え方は自由ですが、株に沿って真っすぐに1本と、畝の周りに杯状に斜めに支柱を打ち込み紐で囲む方法でやっています。まっすぐの1本は苗の時から主枝を留める為、囲い紐は畝の両側に延びる枝が下垂して裂けるのを防ぎます。
ピーマンのプランター栽培
丸型プランターの10号に一本植えて育てます。種を買って育苗するまでもないので、苗を買って植え付けます。
ピーマンは1本あれば十分過ぎる程の実を成らせるので、プランター栽培の野菜としては特におすすめです。
栽培時期
畑と同じ4/下~5/上にプランターに苗を植え付けます。
栽培手順
準備するもの
①プランター
直径33-35㎝、深さ40cm程度の丸形10号プランターを使います。これより小さいプランターでは土量が少なすぎて元気よく大きな株に育ちません。
②野菜用培養土
野菜専用の新しい培養土を使います。
古い用土を再利用する時は畑同様に苦土石灰や堆肥、化成肥料で事前に調整しておきます。
培養土にはあらかじめ肥料が混和されていますが、ピーマンなど長期に花実をつける野菜は不足しがちですので、元肥として緩効性の発酵油粕とヨウリンまたは又はマグアンプKを適量与えておく方法もあります。
草花兼用の培養土もありますが、高級品とはいかなくとも多少良質な野菜専用の培養土を使いたいものです。
赤玉土などの基本用土がしっかりと配合されて保水力、保肥力が優れているものは、再生しながら長く使えます。
新しい培養土を使えば病害虫のリスクが小さくて安心ですが、一度何かを栽培したものは病原菌や害虫の卵など心配も多くなり野菜が育つための養分も失われています。
再利用する場合は事前に日光や薬剤による除菌と殺虫そして失われた養分を補足するなどの土づくりが必要です。
又実際に用土を再利用する際は同じ土に再び同じ野菜や同じ科の野菜を栽培する事の無いように注意する必要があります。
③鉢底石
水はけを良くする為、プランターの底が隠れる程度に敷いて使います。ネットに入れて使えば、プランターの土を入れ替える際に土と混ざらずに作業が楽になります。
ネット入りもありますが、バラで買って自分でネットに入れた方が安上がりで量的な応用も自在です。
⓸ピーマンの苗
ホームセンターなどで売られており、簡単に入手できるうえに安価なのも嬉しいところです。
定植
①プランターに用土をいれる
鉢底石をプランターの底が隠れる程度敷き詰め、上から培養土を鉢の縁から15㎝位まで入れます。ヨウリンまたはマグアンプKを軽く1掴み混ぜ入れておくと尚良いでしょう。
②苗の植え付け
苗を逆さにしてポットを外したら、プランターの中央に置き、まわりに培土を足して植え付けます。
培土はプランターの縁から5㎝の位置まで入れます。終わったらたっぷりと水やりをします。
夜間はまだ気温が低いので5月中旬ぐらいまではビニール袋などで覆っておくと良いでしょう。
支柱
ピーマンは実の重さもあって枝が分岐点から裂けることがあるので周囲に3本の支柱を立てて紐で囲っておけば安心です。我が家では定植の際に立てる支柱と合わせて4本です。ナスと同じです。
収穫
天候にもよりますが6月中頃から収穫出来るようになり、手入れさえ良ければ涼しくなる晩秋迄成らせ続ける事も可能です。尚最初の一番果は株の負担になるうえにうまく育たないので切り落としてしまいます。
手入れ
※追肥
ピーマンは次々と花実を付けさせる為に常に肥料が足りてる状態でなければなりません。収穫始めの頃から化成肥料を適宜与え養分を切らさないように注意します。
化成肥料を施した時は肥料が隠れる程度で良いので増し土しておくと良いでしょう。液肥も併用すればなお良いでしょう。
尚株が大きくなると水の吸い上げも多くなり油断すると水枯れするので水やりに注意が必要です。特に真夏の日差しの強い日は朝水やりしても夕方にはしおれてしまう事があります。そんな時は弱らないうちに午前中だけ日の当たる場所にプランターを移動した方が良いでしょう。
※整枝
主枝3本仕立てで育てます。枝の分岐点近くの込み入った小枝や一番果はカットしてすっきりさせて上部に養分が行きわたるようにします。
不要な枝葉が密集すると風通しを悪くして病害虫の被害を受けやすくなり、又養分と水分もムダに吸収するので適宜剪定して健全な株を保つようにします。
※病害虫
新芽の先にアブラムシが付くことがあるので注意します。
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