凍結の心配がなくなったら早めに植え付けて涼しい時季のうちに肥培
家庭菜園向きのジャガイモの育て方をわが家の菜園を例に紹介しています。
畝に掘った深さ20㎝の溝に種イモを30㎝間隔に並べ、中間に化成肥料の置き肥をしてから10㎝程度の覆土をします。 芽が出揃って10㎝の時に1株2本を残して、他を間引きします。 20㎝になったら畝肩と株間に追肥し、畝間の土を盛り上げる様に土寄せします。
ジャガイモ栽培の良いところは種イモを植え付けてから僅か3カ月の短期間で収穫できる事と、翌春まで可能な保存性です。
/AomusiGarden
ジャガイモの基本情報
ナス科、適応土壌酸度PH5.5-6、連作(2年程度空ける)、芽出し適温15-20℃、生育適温15-20℃
日照-日向~反陰でも可
ナスだけでなく、同じナス科のトマトなどとの連作も避けます。又やや酸性土壌を好むので石灰過剰にしないように注意が必要です。芽出し、生育とも高温は好みません。
ジャガイモの栽培時期 (わが家の作型)
3月末に種イモを植え付けて6月末に収穫です。
ジャガイモは高温になると草勢が衰えるので、暑くなる前に育て上げた方が良い結果が得られるので、畑の土が凍結する心配がなくなり次第早めの植え付けを心掛けています。
但し早すぎる植え付けは、芽が出るのに日数がかかり、結果として早く植え付けた事が何にもならなかったりすることがあります。
その為適切な時期を定めるには、週間や旬間の予想気温を考慮に入れる事が大切です。
ジャガイモの育て方 – 栽培のポイント
わが家の家庭菜園でジャガイモ栽培に注意しているポイントです。
1.種イモは早めに入手して芽だしする
種イモは3月になったら早めに購入し、室内に置いておくと芽がふくらみ始めます。
植え付けるまでに芽が程よくふくらんでいる状態になればOKです。
2.出来るだけ早く植え付け
3月下旬を目途に植え付けますが寒の戻りなど悪天候にも留意が必要です。
植え付けの際は種イモの切り口に腐敗防止剤をつけて植え付けた方が安心です。
冷涼な気候のうちに成長させてしまう事がポイントです。
わが家の栽培土壌は埋め立て砂のため暑さに弱いので、特に早めの植え付けを心がけています。
3.肥料は適切に
ジャガイモはPH6以上の土壌を嫌うので、石灰は施しても少量にしています。
ジャガイモの元肥は植え付けの際にイモとイモの間に施す置き肥が基本ですが、わが家は全面施肥も併用して地力を高めています。肥料は過度にならず、不足しないようにです。
4.育てる芽は2本、遅れて出て来る芽にも注意
一つの種イモからたくさんの芽が出て来るので、元気が良くて、又あまりくっついていない芽を2本残して抜き取ります。
その後も時々観察して、遅れて出て来る芽を抜き取るようにします。
5.追肥と土寄せ
追肥して土寄せすることで、イモの肥大を図り、イモが地表から出て光に当たって青イモにならないようにします。
6.病気、害虫は細かくチェック
葉裏と花にアブラムシが付くので、注意します。必要なら薬剤で駆除します。
栽培手順
準備するもの
①苦土石灰
雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。
②化成肥料
窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
ジャガイモの植え付け時の置き肥に於いても、種イモと種イモの間に、イモに触れないように施します。
③堆肥
遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。
④種いも
種イモは病気の心配のない種イモ専用のものを使います。2月になるとホームセンターなどでの販売が始まるので、遅くとも3月初めには購入しておきます。
種イモを室内の暖かくて日の当たる場所に置いておくと、植え付けるまでにはイモの数か所から芽が出た状態になっています。このような状態の種イモを植え付ければ地表に芽が出てくるのが早まります。
品種は男爵、メークイン、キタアカリなどが多く出回りますが、男爵が丈夫で作り易く、収量も多くポピュラーかなと思います。
2月中頃に購入したジャガイモの種イモ(男爵)。未だ芽が出ていませんが3月になったら室内の暖かい場所に置けば、3月末の植え付けの時期にはほど良い感じで芽が出揃っています。
土づくり
①苦土石灰の混入
種イモ植え付けの2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり50gと少な目にします。
色々な野菜を栽培してその都度石灰を施用している畑はPHを測定してみると6.0を超えているときが多いです。
ジャガイモはPH値が多すぎるとそうか病になり易い為、このような場合は苦土石灰は使用しません。
②元肥入れと畝立て
種イモ植え付けの1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は70㎝とします。
化成肥料の量は1㎡当たり30gとします。植え付け時に置き肥をする為少量にしておきます。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
ジャガイモの元肥の入れ方は全面施肥が良いでしょう。
ジャガイモは植え付け時に置き肥するので元肥はせずに全量を置き肥にしても良いのですが、わが家では畝全体の地力の維持向上の為に化成肥料は3割、堆肥は全量を全面施肥ですきこんでいます。
種イモの植え付け
①植え付け溝を掘る
畝中央に長手方向に鍬の幅で深さ20㎝の溝を掘ります。掘り上げた土は畝の片側に高くして置きます。
②種イモを並べて置き肥をする
溝に30㎝の間隔を取って種イモを植え付けます。大きなものは芽を出来るだけ等分に分けるようにして切り分けます。芽を上に向けて植え付けるので切り分けたものは切り口を下にします。
切り口には腐敗防止の為、腐敗防止剤を付けて植えると安心です。腐敗防止剤はホームセンターなどで売られています。
種イモと種イモの真ん中にイモに触れないように1か所軽く一握りの化成肥料を置き肥します。
以前は切り口を少し乾燥させてから植え付けたり、灰を付けて植えたりしていましたが、今は灰も身近に無くなりました。代わりに腐敗防止剤を切り口に付けて植えていますが。家庭菜園では一度買えば忘れるほど何年も使えます。
③覆土する
10㎝位の厚さで種イモに土をかけ畝を平にします。
間引き
芽がたくさん出てくるので10㎝位になったら2本残して引き抜きます。引き抜く時はイモが持ち上がらないように地面をしっかり押さえて行います。
その後も遅れて出て来る芽があるので見つけ次第引き抜きます。芽は3本残す方法もあるそうですが、畝幅が広くて地力の高い場合以外は、2本が無難のようです。
土寄せ追肥
新しいジャガイモは種イモから上に延びた茎から出た根に出来るため、土を寄せて畝を盛らないと新ジャガが地表に出てしまいます。
草丈が30㎝位になったら株の周囲に軽く一握りの化成肥料を施してから、溝を掘った時に脇に寄せた土と畝間の土を寄せて畝を盛り上げます。
収穫
葉が黄色くなり草勢がなくなったら収穫です。心配の時は1か所試掘りして見て、イモの太り具合を確認してからの方が安心出来ます。
イモは茎の真下ではなくて周囲に出来ています。収穫の際は鍬でイモを切らない様に注意深く畝を崩して収穫します。
種イモを植え付けてから約3か月で収穫を迎えます。晴天が続いて土が乾燥気味の日に収穫すると、土がつかない綺麗なイモが採れます。尚ジャガイモは長時間日光に当てると青くなってしまうので、表面が乾いたらすぐに段ボールなどに入れて保存します。
手入れ
※病害虫
新葉の展開時と花の咲く頃に花や葉にアブラムシがよく付きます。アブラムシはモザイク病など色々な病気を媒介するので薬剤を使い駆除する必要があります。
ネキリ虫がジャガイモを食害することもあります。根切り虫が多発する畑では、早春に耕起すると、赤い色の根切り虫の蛹が多数見つかる事があります。このような時は農薬による処置が必要かと思います。
病害虫の防除には連作を避けて、早期発見、早期処置が大事です。
※保存中の芽かき
ジャガイモは2度イモとも言われるように秋の栽培も出来る野菜です。
その為保存中の8/中~10/中ぐらいまでは盛んに芽が出てきますので、週に一度は芽かきをしなければなりません。
わが家ではなんとか頑張って春まで保存していますが、かなり手間がかかります。家庭では保存設備などは無いので、長く保存するには芽かきは必須の作業です。
そこまではと言う人には8/中位までに食べきれる程度の栽培をお勧めします。
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栽培ごよみ – わが家の家庭菜園での栽培時期や育て方などを参照していただけます
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