わが家のキューリづくり

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家庭菜園では多少曲がったものでも新鮮で美味しいキューリが毎日採れます

家庭菜園向きのキューリの育て方を我が家の菜園を例に紹介しています。
家庭での露地栽培ではハウス栽培の様に真っ直ぐに揃ったものばかりと言うのは難しく、曲がったものもたくさんできますが、採りたての新鮮さはもちろん、曲がったなりの美味しさもあります。
苗は連作障害防止の為に接木苗を購入しています。

/AomusiGarden

キューリの基本情報

ウリ科、適応土壌酸度PH6-6.5、連作(2年程度空ける)、発芽適温20-30℃、生育適温20-25℃
日照-日向
適正PHが高いので、石灰は多めに施します。

キューリの栽培時期 (わが家の作型)

キューリは発芽に高い温度を要する為、育苗には加温設備が必要であることと、連作障害を起こさないように接木苗を使う為に自家育苗はあきらめて苗は購入しています。
4月末から5月初めに苗を植え付け、6月上旬~8月中旬まで収穫します。

キューリの育て方 – 栽培のポイント

わが家の家庭菜園でキューリを栽培するために留意しているポイントです。

1.苗は接ぎ木苗を使う
狭い菜園では連作障害が心配なので接ぎ木苗を購入して植え付けます。
接ぎ木苗はキューリの大敵であるうどん粉病に対する耐病性が高い品種を使っています。
脇枝も利用して実を採るので家庭では2本もあれば十分です。

2.元肥は多肥に注意する
元肥が効きすぎると葉ばかり大きく繁り,実付悪く、うどんこ病などの病気が多発します。
即効性の化成肥料を与え過ぎないようにし、堆肥や遅効性の油粕なども使います。
実付きを良くする為、リン酸肥料のヨウリンを施しています。

3.肥切れに注意する
キューリは次々と花実が付いて収穫も長く楽しめますが、その分肥料も吸収しますので追肥は欠かせません。 葉が小さかったり、緑が薄い時は肥切れなのでそうならない為に適宜追肥するようにします。

4.支柱の高さは2m位とする
キューリは主枝から延びる脇枝の1~2節に実を付けさせ、その先は摘み取って延ばさないのが基本となります。
主枝は手の届く範囲の高さ(2m位)で摘芯し、根本から5節までの脇枝は摘み取って延ばさないようにします。

5.脇枝を立て替える
収穫が上部まで進み主枝の役目が終える前に、強そうな脇枝を1本を主枝の代替えとして育て、立て替えて、さらに収穫を続けるようにしています。

6.枝葉の整理はマメにする
収穫の終えた部分の葉や不要の脇枝や孫枝を放置すると、全体が込み合って日照と風通しが悪くなって、樹勢が落ちて実付が悪くなり、さらに曲がったキューリが多くなるうえに病気にもかかりやすくなります。不要の枝葉は常に取り除きます。

7.収穫は適宜に、応変に
キューリは収穫適期を1日見逃しただけでビックリするほど大きくなり食用にならなくなるので毎日見回って収穫しなければなりません。
一方で花の落ちたばかりの小さ目のキューリは特別な美味しさもあるので家庭菜園では好みの大きさで収穫するのも良いかもしれません。

最近はカラスが住宅地に住みつき、食べれるものを色々と学習していると見えます。
キューリについても10㎝に満たない程度の実を好んでついばむようになりました。
やむを得ず網をかければ網に蔓が絡んだり、収穫がしにくくなったりするので、防鳥糸や防鳥テープなどを試していますが本当に困ったものです。
ちなみに最近カラスが荒らすようになった作物にはトウモロコシ、枝豆、スナップエンドウがあります。又直近では定植したばかりのキャベツの苗を引き抜いて投げていました。目的が解りません。

栽培手順

準備するもの

①苦土石灰

雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。

②化成肥料

窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。

③ヨウリン

く溶性リン酸が20含まれる肥料で、元肥に使います。アルカリ分も20%あり、苦土とケイ酸も含んでいます。果菜類によく使われます。

④堆肥

遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。

野菜の肥料について

⑤キューリの苗

キューリの苗は4月末から5月の始めにホームセンターなどに出回りますので時期を見て購入します。
キューリはうどん粉病になり易いので抵抗性の強い品種を求めた方が楽に育てられます。
家庭ではこの時期までに連作に強い接ぎ木苗を作ることは困難なうえに本数も多くないので苗は買った方が良いと思います。

風神と言う品種で接ぎ木苗です。キューリの大敵であるうどん粉病にとても強く作り易くおいしいキューリです。又節なりということでたくさん成ります。

土づくり

①苦土石灰の混入

定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり多めの150gとします。

②元肥入れと畝立て

定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とします。向かい合わせて合掌式で支柱を組む場合は120㎝とします。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとします。窒素肥料が効きすぎると葉が大きくなりすぎて、実付きも悪くなりうどん粉病などが多発します。
前作の残肥を考慮して加減して施していますが、実付きを良くする為にヨウリンを50g/㎡施します。

堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
キューリ元肥の入れ方は肥料の流失が少なく、長期間栽培に向く溝施肥が良いでしょう。

土づくりの基本について

③マルチング

黒マルチを張ると地温が上がり活着と初期成育が良い、肥料持ちが良い、土が固くならず適度な湿度を保てるなど野菜の生育環境が良くなります。
マルチを張ったら、植え付ける場所に穴あけ器で穴を開けておきます。

定植

ポットを逆さにするようにして苗を抜き畝に植え付けます。植穴には注水して、水が沈んだら植えるようにすると根付きが良いです。終えたらタップリ水を与えましょう。
家庭菜園では1本で十分な量の収穫が出来ますが、複数植える場合は60~100㎝の株間とします。多少曲がった実でも、脇枝にもたくさん採りたい場合は株間は広く必要です。
定植は日中のしおれを防ぐために、午後から行った方が良いでしょう。

収穫

定植後1ヶ月余りで収穫期を迎えます。キューリは花が咲いてから数日で肥大するので採り遅れるとすぐに巨大になってしまいます。注意して毎日観察しなければなりません。

6/下旬、花が次々と咲いて実を付けます。花がまだ落ちていない細身の締まったキューリは家庭菜園ならではの美味しさです。

手入れ

※追肥

定植後は3週間ごとに化成肥料を1株1握りをマルチをめくって畝の両肩から肩下に与えます。キューリは長期間実を成らせ続けるので肥切れを起こさない様に注意します。

病害虫

害虫ではアブラムシとハダニ、病気ではうどん粉病とベト病の被害を受けやすいです。不要な枝葉を剪定して日当たりと風通しを良くして育てます。

病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

※整枝、支柱

キューリは主枝を1本真っすぐ上に伸ばし、主枝から出た脇枝に実を成らせるのが基本で、脇枝は長くは伸ばさず2節位で先を切り止めます。
又苗を植え付けてから5節位迄の下部から出た脇芽は摘み取って伸ばさない様にします。
主枝が支柱の先端に達したら先を止めて元気の良い脇枝を伸ばす様にすると数多く実がなりますが、脇枝の数は1-2本としておきます。
下部に成枝がなくなったら蔓全体を引き下ろして配置し直してあげると上に伸びる余地が出来て再び元気な花実が付きます。その際は思い切って役目を終えた枝葉を取り除きながら日当たりと風通しに気をつけます。
家庭ではこのように、少ない株数でも脇枝も上手に利用しながら出来るだけたくさん収穫した方が長く楽しめます。
支柱組は多数の株を植える場合は2列の合掌式も良いのですが、1-2本の家庭用なら単列の方が管理しやすいです。高さは2メートル以上として、キューリネットを使えば誘引も楽です。

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