露地の畝に種を直蒔きし、間引き収穫を適宜行いながら成長させます
家庭菜園向きの葉ネギの育て方をわが家の菜園を例に紹介しています。
葉ネギは長ネギより場所も広く必要とせず、手軽に簡単に栽培出来ます。春に種を蒔き、植え替えなどせずとも、夏になったら必要の都度、収穫出来るので家庭菜園ではとても重宝します。
発芽に10日以上の日数を要するので、保湿と保温のために不織布のベタ掛けをすると発芽促進に有効です。
葉ネギは冬ネギ(長ネギ)より手間もかからないので、育てておけば夏場の麺類などの薬味に大変重宝します。少しあれば十分な野菜なのでぜひ育ててみたい野菜です。
/AomusiGarde
葉ネギの基本情報
ネギ科、適応土壌酸度PH6-6.5、連作(1年程度空ける)、発芽適温15-25℃、生育適温15-25℃
日照-反陰
適応PHが高いので、石灰は多めに施します。ネギはフカフカで通気性の良い土壌を好みます。
葉ネギの栽培時期 (わが家の作型)
4月の始めに種を蒔けば7月から順次収穫出来るようになります。
種蒔きが遅くなると必要な時期までに成長が間に合わなくなるのでわが家では基本的に冬ネギと同じ日に蒔くようにしています。
葉ネギの育て方 – 栽培のポイント
家庭菜園で葉ネギを7~9月の間、必要の都度採り続けます。
1.直角溝に筋蒔きする
畝の長手方向と直角に切った蒔き溝に種を1㎝間隔で筋蒔きします。保温と保湿を兼て不織布のべた掛けをして発芽を促します。
植え替えなしに育てるので、条間はやや広めの20㎝程度にしておきます。
家庭菜園では畝幅60㎝として長さは1m、多くて1.5mのスペースで必要量は十分穫れます。
2.堆肥と石灰は多めにする
ネギは土が固く締まっていると生育不良になるので、堆肥を多めに入れて、有機質豊な通気性の良い土にします。
又酸性土壌が苦手なので石灰を多めに入れて土壌の改善をしておきます。
3.間引き、中耕、追肥を適切にする
間引きと中耕を行うことで、ネギの根が張りやすくなります。くっついて発芽していたり、間隔の狭い所は、遅れることなく間引きをすることが大事です。間引きの際は条間の土を軽く中耕して、少量の化成肥料を施し、ネギの根本に土寄せをして置きます。
4.収穫
草丈が30㎝程度になったら、間引きを兼ねながら収穫を始めます。3か月位は楽しめるはずです。
栽培手順
準備するもの
①苦土石灰
雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。
②化成肥料
窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
③堆肥
遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。
④葉ネギの種
九条ネギが有名ですが、わが家ではホームセンターで良く売られている万能小ねぎもしくはそれに類似する品種を作っています。
万能小ねぎスリムの種、畑の畝でもプランターでも簡単に栽培できて、夏の刻みネギ、薬味ネギには最適です。
土づくり
①苦土石灰の混入
種蒔きの2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たり150gとします。ネギ類は酸性土壌を好まないので、石灰は多めに施します。
②元肥入れと畝立て
種蒔きの1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で平に均しておきます。凹凸があると水が溜まったり、湿度のムラが生じて発芽と生育が不揃いになります。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとします。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
葉ネギの元肥の入れ方は畝全体に肥料を混和する全面施肥が良いでしょう。
種蒔き
①蒔き溝をつくる
板などます畝に押し当て畝の長手方向と直角に条間20㎝、深さ1㎝の蒔き溝を作ります。
条間は他の葉もの野菜より若干広めにして土寄せをし易くしています。
②種を蒔く
1㎝の間隔で重ならない様に種を溝に蒔きます。余った種は適切に保存しておけば翌年も十分使うこととが出来ます。
③覆土する
1㎝位の厚さで種に土をかけ(覆土)板で軽く叩くようにして表面を押さえる。土をかける時は親指と人差し指で溝の両脇の土を寄せるようにすれば簡単です。
④水をやる
ジョーロを使い優しく水やりして種蒔きは終了です。
発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからは水やりは不要です。
保温
4月始めは未だ寒い日もあるので保湿と保温を兼ねて不織布のベタ掛けをしておくと確実に発芽が揃います。水やりは不織布を掛けた後に、不織布の上から行います。
間引き
1回目は固まって発芽しているところをほぐすように間引き、その後は成長に合わせて数回間引きして最終的には3cm程度の間隔とします。
収穫
食べられる程度の太さになったら間引きを兼ねて収穫を始めます。間引きしたネギも薬味などに利用しながら順次必要なだけ収穫していきます。これが家庭菜園の良い所ではないでしょうか。
冬ネギが採れ始める頃までは収穫が続けられますのでとても重宝するはずです。
収穫の方法は一般的には根こそぎ抜きますが、根ぎわからカットした場合は再び葉が伸びだすので2回程度は繰り返して収穫出来ます。
栽培量が少ない時は良い方法かと思います。
6月まではまだ小さくて物足りなかった葉ネギも7月になると一機に大きくなり丈も50センチを超える程に成長します。伸びたての葉はとても軟らかくて冬ネギとは一味違う美味しさです。
手入れ
※追肥
草丈10㎝位になったら条間に少量の化成肥料を施し、畝間の土をすくって土寄せします。3週間後にもう一回同様に追肥と土寄せをします。
尚追肥の際に条間を軽く中耕することで通気性が良くなり、土寄せすることで肥料の効果も高まります。
※病害虫
頻度の多い病害虫はベト病、サビ病、ネキリ虫などです。風通しと水はけ良く育てます。
以前から発病の傾向のある畑では、種蒔きや幼苗期の時点から薬剤による防除を行います。
葉ネギのプランター栽培
葉ネギはプランターでも比較的簡単に栽培することが出来ます。種を蒔いて育てる方法と苗を植える方法、変わったところでは買って来た葉ネギを発根させて植える方法などもあるようですが、ここでは種を蒔くことから始めます。
尚次の年からは春になったら前年の株を株分けして植え付ける方法も手っ取り早い方法です。
栽培時期
4月初旬が種蒔きの適期です。遅すぎると欲しい時期に収穫が間に合わなくなるので遅れないように注意します。
栽培手順
準備するもの
①プランター
縦520×横342×深さ267の野菜用プランターを使います。このプランターは中深で根の張りの浅いものからしっかりと張るものまで兼用できて使い勝手が良い為、わが家ではこの型でほぼ統一しています。
②野菜用培養土
草花兼用の培養土もありますが、高級品とはいかなくとも多少良質な野菜専用の培養土を使いたいものです。
赤玉土などの基本用土がしっかりと配合されて保水力、保肥力が優れているものは、再生しながら長く使えます。
新しい培養土を使えば病害虫のリスクが小さくて安心ですが、一度何かを栽培したものは病原菌や害虫の卵など心配も多くなり野菜が育つための養分も失われています。
再利用する場合は事前に日光や薬剤による除菌と殺虫そして失われた養分を補足するなどの土づくりが必要です。
又実際に用土を再利用する際は同じ土に再び同じ野菜や同じ科の野菜を栽培する事の無いように注意する必要があります。
③鉢底石
水はけを良くする為、プランターの底が隠れる程度に敷いて使います。ネットに入れて使えば、プランターの土を入れ替える際に土と混ざらずに作業が楽になります。
ネット入りもありますが、バラで買って自分でネットに入れた方が安上がりで量的な応用も自在です。
⓸葉ネギの種
万能小葱(東北種苗)をよく使っています。
種蒔き
①プランターに用土をいれる
プランターに鉢底石を敷いて、培養土を縁から3㎝迄入れます。
②種を蒔く
プランターの長手方向に深さ1㎝の蒔き溝を、条間20㎝とって2本作ります。
溝は板か棒を押し当てて作ります。溝に種を1㎝間隔に筋蒔きして1㎝の覆土をしたら軽く押さえ、ジョーロで優しく水やりします。発芽までは表土を乾燥させないように注意しながら、適宜水やりをします。
乾燥防止と保温を兼ねて発芽まで不織布もしくは新聞紙を掛けておくと発芽がそろいます。
間引き
1回目の間引きは子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように間引き、その後は成長に合わせて数回間引きして最終的には3センチ程度の間隔とします。
収穫
種蒔き後約2か月半位で収穫できます。プランターの場合は量が少ないので、収穫する時は根ごと引き抜かずに地際からカットした方が、再び新しい葉が伸びてくるので幾度となくカット収穫を楽しめます。
寒くなるまでに4回程度はOKです。
手入れ
※追肥
元肥のしっかりした野菜用土であれば特に与えなくとも1回目の収穫までは大丈夫育ちます。
その後は収穫のたびに化成肥料をプランターの端に少量与える程度です。
※病害虫
プランターの場合は病害虫の被害はあまり心配しないで良いと思います。
ただし古い用土で以前に害虫や病気が発生したものを使う時は、事前に日光消毒や薬剤処理するなどの注意が必要です。
尚ネギ類は加湿を好まないので水のやりすぎに気をつけます。
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