わが家の白菜づくり

白菜
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9センチポリポットに種を蒔いて育苗してから露地の畝に定植しています

家庭菜園向きの白菜の育て方をわが家の菜園を例に紹介しています。
種は直蒔きよりポットに蒔いて育苗して畝に定植した方が残暑の厳しい昨今では安全です。
白菜は結球が速すぎると軟腐病になり易く、又種蒔きが遅いと寒くなるまでに結球が間に合わなくなります。何日型の白菜かを考えて種蒔き時期は正確に守ることが重要です。
肥料を効かせて外葉を大きく育てます。
漬物になべ物に白菜は冬の葉物の主役とも言える野菜です。3月まで保存も可能なので本当にすぐれものです。

/AomusiGarden

白菜の基本情報

アブラナ科、適応土壌酸度PH6-6.5、連作(2年程度空ける)、発芽適温20-25℃、生育適温15-25℃
日照-日向

白菜の栽培時期 (わが家での作型)

お盆過ぎに種を蒔いて育苗し、9月上旬に植え付けて11月半ば位から収穫です。白菜は直蒔き栽培も可能ですが、猛暑と乾燥による発芽不良のリスクを避けてポットでの育苗が安全です。早すぎると軟腐病になり易く、遅すぎると寒くなるまでに結球が間に合わなくなるので、種蒔き時期は正確に守ることが重要です。

①夏蒔き初冬採り

種蒔き8/17、定植9/5、収穫11/中~12/上を標準としています。9㎝ポットに種を蒔き、育苗してから定植しています。
以前は畝に直蒔きし間引きしながら育てていましたが、近年の夏の猛暑と乾燥による発芽や生育不良を避けて、昨今はポット育苗しかやっていません。
ポット育苗は直蒔きよりも種も少量で済むので、昨今の種袋の入数では直まきは無理という面もあります。

白菜の育て方 – 栽培のポイント

家庭菜園で白菜を種から育て、収穫後も長く保存する方法です。

1.種を9㎝ポリポットに蒔いて育苗
温暖化の近年は直蒔きのリスクを避けて、ポット育苗したうえで定植します。
失敗なく出来るうえに、直蒔きよりも植え付ける畝の準備を遅らすことが可能なため、白菜の前に栽培する作物を決めるうえでの選択肢が増える事も魅力の一つです。

2.種蒔きと育苗は適期に
白菜には種まきから収穫までの日数が70日とか80日とか、品種によって違いがあります。種袋に記載されているので、収穫時期から逆算して種蒔きをします。
尚11/10を過ぎる頃になると、気温が低下して成長が遅くなるので、種蒔きが遅すぎると,十分に成長し切れないまま冬を迎える事になりかねません。
種蒔きの適期は地域差はもとより、畑の日当たりなどを考慮した経験値も必要かと思います。

3.定植は2本
定植する時はポットで育てた2本をそのまま植えています。活着して元気が出たら、1本間引きします。
害虫の被害などで1本ダメになった時の安全策と、捨てるより以前の間引き菜の味を思い出しながら1本は食べたいと言う単純な発想で、本来必要のない事をやっています。
尚2本植えた事による支障は特に無いです。

4.収穫開始は早めに
家庭菜園の白菜栽培では、収穫最適期に全て食べきれる訳ではないので、まだ葉が完全に固く巻かなくとも十分に美味しいので、早めに収穫し始めた方が利用価値が高まります。

5.一括収穫して保存
冬は外葉で包むようにしてヒモで縛って、畑に植えたまま保存すると言う方法もよく見聞きしますが、寒さが厳しい地域では無理だと思います。
雪と寒風で、外葉から順々に痛んで、やがて真ん中の芯周りしか食用にならなくなります。
保存で一番簡単な方法は一括収穫して、少し乾かした後に、新聞紙でくるんだ状態で、凍る心配のない場所に立て掛けて置くことです。
保存期間も最後の頃には少しシンナリしますが水に戻せばパリッとする上保存も2月いっぱいはOKです。

栽培手順

用具と資材の準備

①苦土石灰

雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。

②化成肥料

窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
白菜はリンとかカリを特別に補給する必要はないのでこの肥料一つで十分です。

③堆肥

遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。

野菜の肥料について

⓸ポット(径9㎝)

普通の円形のポリポットで直径9㎝のものを使います。トマトやナスの苗で使われているものより少し小さいです。

⑤ポットトレー

専用のものでなくても、苗ポットを並べて売っている時のトレーで十分です。苗を買う時にお店によっては使ったものを分けてくれる場合もあります。ポットをこの中に並べて使えば持ち運びに便利です。

⑥種蒔き培土

発芽しやすく、生育に良いように土の酸度と肥料成分が調合されていますので必ず新しいものを使います。
古い用土や畑の土では水はけも悪く、病気のリスクもあり、うまく育たないことが多いです。
尚種蒔き培土には素材が細かめで乾きにくいプラグ用とそれよりも粗目のポット用が売られているのでポット用を選ぶようにします。

⑦白菜の種

白菜は小型種から大型種、中心部が黄色い葉色の黄芯種など色々あります。種蒔きから収穫までの期間は大型種ほど長くなります。
寒くなる11月半ばまでには葉が固く巻くようにしなければならないので種蒔きの時期は栽培品種によって加減する必要があります。ここで紹介しているものは80日型の黄芯タイプです。

ハクサイ郷秋80日の種、固くしっかりとかなりの大玉になります。中が黄色いので漬物などにすると見栄えも良くおいしそうです。

種蒔き

①ポットに用土を入れる

ポットに種蒔き培土を7分目程度入れて平に軽く押さえたらジョーロで丁寧に底まで浸みこむように湿らせます。
その際に十分に湿らせたポットと湿らせる前のポットの重さを実感しておくと後々ポットの湿りぐあいを見極める時に役立ちます。
尚種蒔き培土にはあらかじめバケツ等の容器の中で吸湿させてからポットに入れると書いてあるものもありますが、そうでないものについても、同様にした方が最初の水やりの際用土に水が浸みこみ易くなり、乾いた用土をポットに入れるより確実に早く吸湿させることが出来ます。
あらかじめ湿らせる加減は握ってもパサパサと崩れる程度の少量の水で十分です。

②ポットに種を蒔く

種を1ポット5粒程度重ならないように蒔きします。余った種は3年程度は十分使えるので保存しておきます。

種子の保存について

③覆土

種に5ミリ~1センチの厚さで培土で覆土して表土を軽く押さえます。

④注水

ジョーロで優しく水やりして種蒔きは終了です。

発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからも適宜水やりをして、水切れと加湿に注意して育てます。置き場は明るい戸外で強い雨に当てないようにします。強い雨で種が流れたり、発芽したばかりの苗が痛みます。

間引き

天気の条件にもよりますが4日前後で発芽してきます。子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように3本残して間引きします。2センチ程度迄育ったら2本残すように間引きして定植迄育てます。

土づくり

①苦土石灰の混入

定植の2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
苦土石灰の量は1㎡当たりやや多めの150gとします。

②元肥入れと畝立て

定植の1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で平に均しておきます。
化成肥料の量は1㎡当たり100gとします。極端に多過ぎなければ害はないので少ないより多い方が立派に育ちます。

堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
白菜の元肥の入れ方は肥料の流失が少なく長持ちする溝肥が良いでしょう。

土づくりの基本について

定植

種蒔から約3週間で定植です。ポットを逆さにするようにして苗を抜き畝に45㎝の株間を取り植え付けます。植穴には注水して、水が沈んだら植えるようにすると根付きが良いです。終えたらタップリ水を与えましょう。
2本そのまま植えて元気が出たら一本カットして葉菜として美味しく食べられます。2本植える利点は、ネキリ虫などの被害で1本ダメになった場合の安全策と、やはり1本はハクサイ菜として食べられることです。
定植は曇天や雨降り以外は午後3時過ぎに行う方が、日中の直射日光に当たらない為活着に良いです。

収穫

外葉が大きく成長すると結球が始まります。程よく硬く締まったものから収穫します。
白菜は取り遅れて玉が破裂することはないですが、寒さには痛みますので畑に保存する場合は、外葉に包むようにしてしっかりと縛っておきます。
しかしこの方法は暖冬で白菜が雪に埋まっている時は良いのですが、雪が少なく厳寒の年では寒風でもちこたえる事はできません。
一番安全な保存方法は雪が降る前の晴れた日に収穫して1日乾かし、新聞紙で包んで凍らない場所に立てておくことです。
新聞紙が湿気で濡れた時は新しい新聞紙に取り替えます。2月末まではしっかりと保存できます。

収穫の方法は白菜の尻の部分をよく見定めて包丁を入れます。天気が良くて白菜がよく乾いている日に収穫すると保存性が高まります。

手入れ

※追肥

発芽後2週間位に1ポットに化成肥料5-6粒、定植後2週間毎に計2回1株に半つかみの化成肥料を根元から離して施して軽く土寄せします。
白菜は肥料を効かせて、外葉が大きくて元気良い株に育てないと大きな玉が出来ないので、葉の成長ぶりを観察しながら追肥の量を加減します。

病害虫

白菜にもアブラムシ、アオムシ、ヨトウムシは結構つきますので要注意です。観察チェックをこまめにして取り除くか、農薬で防除、駆除をします。
結球が始まり、今年もこれで良しと油断していると、アブラムシがビッシリと言う事もあるので要注意です。秋になり涼しくなってくるとアブラムシの活動が再び活発化してきます。
軟腐病、根こぶ病なども発生するので連作や極端な早蒔きを避けます。又密植し過ぎ、極端な多肥による肥大し過ぎも軟腐病になって株元から腐れることがあります。

病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

白菜のプランター栽培

直蒔きでも可能ですが、ポットに種を蒔いて苗を育ててからプランターに定植する方法としています。この方法はプランターでの栽培期間が短くなるためと、苗の定植に合わせて元肥を効かせて一機に成長させるためですが、面倒な場合やミニ白菜や小型の白菜を栽培する時は直蒔き栽培で構いません。
尚栽培本数が少ない場合は種を買ったり育苗するよりも、苗を買って定植した方が得策だと思います。

栽培時期

畑の畝での栽培と同じ、種蒔き8/17、定植9/5、収穫11/中~12/上を標準としています。
ミニ白菜ではなく一般的な80日収穫型の場合であり、ミニや短期収穫型の小型白菜の場合は種蒔き時期を少し遅らせた方が良いと思います。

栽培手順

準備するもの

①プランター

縦520×横342×深さ267の野菜用プランターを使っています。この中深のプランターは根の張りの浅いものからしっかりと張るものまで兼用出来て使用範囲が広いので、わが家ではこのプランターにほぼ統一して使っています。
白菜は10号丸型の野菜用プランターでも栽培可能ですが、表面積が大きい角プランターでの栽培が大きな白菜が採れます。

②野菜用培養土

草花兼用の培養土もありますが、高級品とはいかなくとも多少良質な野菜専用の培養土を使いたいものです。
赤玉土などの基本用土がしっかりと配合されて保水力、保肥力が優れているものは、再生しながら長く使えます。
新しい培養土を使えば病害虫のリスクが小さくて安心ですが、一度何かを栽培したものは病原菌や害虫の卵など心配も多くなり野菜が育つための養分も失われています。
再利用する場合は事前に日光や薬剤による除菌と殺虫そして失われた養分を補足するなどの土づくりが必要です。
又実際に用土を再利用する際は同じ土に再び同じ野菜や同じ科の野菜を栽培する事の無いように注意する必要があります。

③化成肥料

窒素、リン酸、カリの3要素が12前後の一般的な化成肥料です。

④鉢底石

水はけを良くする為、プランターの底が隠れる程度に敷いて使います。ネットに入れて使えば、プランターの土を入れ替える際に土と混ざらずに作業が楽になります。ネット入りのものが売られていますが、ネットを買って自分で入れれば経済的です。

⑤ビニールポット

一般的な丸型のポットです。9㎝ポットでも十分な大きさの苗迄育てられます。

⑥種蒔き用土

成長に必要な養分も含み、水持ちや通気なども良く調合されているので安心です。ポット用と書かれたものを選ぶようにします。

⑦白菜の種

プランター用のミニ白菜や60日収穫型の小型白菜ではなく、ここでは80日型の一般的な白菜を栽培します。

種蒔きと育苗

ポットに種を蒔いて育苗する場合は畑での栽培手順と同じですのでこちらを参照してください。尚苗を買って育てる場合は次の定植からのスタートとなります。

定植

1.プランターに鉢底石を敷き、野菜培養土を淵から4~5㎝位の位置迄入れます。追肥の際の土増し分だけ少し少な目にしておきます。

2.元肥を入れます。野菜培養土には肥料は含まれていますが、白菜には追加で化成肥料を1プランターに半握り程すきこんで置くと肥切れせずに大玉に育ちます。
元肥を入れる際は定植の1週間前には終えるようにします。

3.種蒔きから約3週間で定植です。ポットを逆さにするようにして苗を抜き、プランターの中央に1株だけ植え付けます。終えたらタップリ水を与えましょう。
定植は曇天や雨降り以外は午後3時過ぎに行う方が、日中の直射日光に当たらない為活着に良いです。

画像では1株2本になっていますが、畑用の苗を植えたためで、本来は1本で十分です。大型の白菜では1本しか育てられませんが、ズッシリ感のある白菜を目指すのも楽しみです。

収穫

外葉が大きく成長すると結球が始まります。程よく硬く締まった時が収穫時期です。
寒くなると外側から順に傷んでくるので、適切な段階で収穫すると良いでしょう。
晴れた日に収穫して1日乾かし、新聞紙で包んで凍らない場所に立てて置けばしばらくは保存可能です。
新聞紙が湿気で濡れた時は新しい新聞紙に取り替えます。

手入れ

※追肥

発芽後2週間位に1ポットに化成肥料5-6粒、定植後2週間毎に計2回1株に軽く1つかみのの化成肥料を根元から離してプランターの端に施します。
白菜は肥料を効かせて、外葉が大きくて元気良い株に育てないと大きな玉が出来ません。追肥の際は肥料が隠れる程度の土増しをします。

定植後20日目の白菜。外葉がプランターいっぱいに成長しています。複数の本数を育てるのは無理と言うのが納得できる状態です。

病害虫

白菜にもアブラムシ、アオムシ、ヨトウムシは結構つきますので要注意です。観察チェックをこまめにして取り除くか、農薬で防除、駆除をします。
結球が始まり、今年もこれで良しと油断していると、アブラムシがビッシリと言う事もあるので要注意です。秋になり涼しくなってくるとアブラムシの活動が再び活発化してきます。
プランターの場合は防虫ネットを掛けるのが一番ですが、それでも小さな隙間からでも害虫は侵入するので、念入りなチェックが必要です。

病害虫と対策、農薬についてはこちらをご覧ください

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