畑の畝に家庭菜園に適した方法で種蒔きして育てます
家庭菜園向きのチンゲンサイの育て方をわが家の菜園を例に紹介しています。
種を畝に直蒔きします。蒔き溝は畝の長手方向と直角に条間17㎝として作ります。その方が短い畝でも多数の株を育てられ、家庭菜園に向いています。
発芽後は数回の間引き、追肥、土寄せを行い、最終的には1列3~4の株を残して大株まで育てます(畝幅60㎝)
チンゲンサイは葉柄がふっくらと厚く成長する中国野菜で、癖もないので間引き菜の小さいものはお浸しにしても美味しく、又比較的簡単に作れるので家庭菜園に向いています。
/AomusiGarden
チンゲンサイの基本情報
アブラナ科、適応土壌酸度PH5.5-6.5、連作(1年程度空ける)、発芽適温20~25℃、生育適温20℃前後、日照-日向
チンゲンサイの栽培時期 (わが家の作型)
①早春蒔き
種蒔き3/13、収穫4/20頃~を標準としています。まだ気温が低いため、4/中頃まではビニールトンネルを掛けて育てています。
又発芽までは不織布をベタ掛けしておくと保温と保湿効果で発芽が綺麗に揃います。早春から収穫出来てとても重宝する作型です。
②春蒔き
種蒔き4/20、収穫5/20頃~を標準としています。最適期となりますので、自然に元気よく成長します。後半は害虫が出て来る時期になるので、規模の小さい家庭菜園では防虫ネットを使う事が一番です。
③秋蒔き
種蒔き9/10、収穫10/上~を標準としています。最適期なので自然に元気よく育ちますが、アオムシなど害虫の多い時期ですので注意が必要です。
チンゲンサイは丈も低く防虫ネットがかけやすいので農薬を使うより防虫ネットが良いでしょう。
チンゲンサイの育て方 – 栽培のポイント
家庭菜園でチンゲンサイを春、秋合わせて3回栽培していますが、いづれも適切な間引きと土寄せがポイントです。そしてアオムシなどの害虫の防除に気を配る事が大切です。
1.種は畝に直蒔きします
畝に切った横溝に直蒔きします。種は1袋に相当量入っていますので、家庭菜園で年3回程度作っても数年は使えるので無駄にせずに存しておきます。
2.間引き、追肥、土寄せはしっかり
チンゲンサイは幼苗時に軸が伸びて抜きあがったような形になり易く、ぐらぐらして安定しませんので、間引きして追肥する際は、根本にしっかり土を寄せてあげます。
3.間引き菜から大株まで利用
間引きは数回に分けて行いますが、ある程度成長が進めば、間引き菜も美味しいので、捨てずに利用します。
尚間引きはあくまでも残した株を立派に育てるのが目的ですので、間引き菜を少しでも大きくしようとして、間引きが遅れる事がないようにします。間引きにより適切な株間を早めに確保してあげる事が大事です。
4.防虫ネットを使用
チンゲンサイはアオムシなどの害虫が好む野菜です。間引き菜も食べる事から農薬の使用は控えなければならないので防虫ネットを使って害虫の侵入を防ぐ必要があります。
栽培手順
準備するもの
①苦土石灰
雨で酸性に傾きやすい土壌を、アルカリ性の苦土石灰を混入することで酸度の調整をします。又苦土石灰はカルシュームとマグネシュームの補給にもなり、これら微量要素の欠乏による生育不良を防止します。
苦土石灰は粉状と粒状があり、粒状のものが、風に飛ぶこともなく、使い易く健康的なので家庭菜園では多くの人が使っています。
石灰にはこの他に消石灰と有機石灰があり、それぞれの利点もあるのですが当面この苦土石灰があれば何も不足する事はありません。
②化成肥料
窒素N、リン酸P、カリKの含有量がそれぞれ12前後のバランスのとれた配合で元肥と追肥の双方に使えるとの表記のある化成肥料が色々な野菜に使えて万能で便利です。
化成肥料は一般的に肥料成分が多く肥効が強い為経済的ですが、反面与え過ぎと根に直接触れるような施用は作物を傷める事があるので注意が必要です。
その為種蒔きや定植の1週間前までには施用して土とよく馴染ませておく事が基本です。尚化成肥料は本来即効性ですが製品によりゆっくり効く加工を施して元肥にも使えるものがあります。
③堆肥
遅効性の肥料ですが、土壌中の有用微生物の増殖を助けて土をふかふかにして水はけを良くして地力の維持向上にも役立ち、又連作障害の軽減にも有効とされています。
肥料成分はそれほど高くない為、過不足による直接的な影響は少ないですが、土壌の健全性を保ちながら長く野菜を栽培する為には毎作ごとに施用した方が良いと思います。
牛糞など動物性のものに植物由来の素材を配合した色々な製品が販売されているので、使い方と施肥量をよく確認して使用します。
尚堆肥だけでは野菜が成長する養分を賄えないので、普通は化成肥料と併用して使います。
④チンゲサイの種
ホームセンターなどでいつでも売られています。春秋ともに作れるものが一般的です。
チンゲンサイの種、春秋中心に年3回畑で作っていますが、プランターでの栽培も十分可能で、葉柄の厚いどっしりしたチンゲンサイが採れます。栽培も比較的簡単で美味しい中国野菜です。
土づくり
①苦土石灰の混入
種蒔きの2週間前迄に鍬で土を良く耕して苦土石灰を混入しておきます。
チンゲンサイの場合、苦土石灰の量は1㎡当たり100gとします。
②元肥入れと畝立て
種蒔きの1週間前に元肥として化成肥料と堆肥を入れ畝を整えておきます。
畝幅は60㎝とし、板で平らに均しておきます。表面が凸凹だと水たまりが出来たり、表土の湿度がムラになり、発芽や初期成育が不揃いになります。
チンゲンサイの場合、化成肥料の量は1㎡当たり100gとしますが、使う化成肥料の成分と前作の残肥を考慮して、加減する時もあります。
堆肥は製品により原料と成分が異なるので施す量は一概に言えませんが、毎作ごとに施している畑では、費用面からも多少は少な目でも良いと思っています。
わが家の場合は何を栽培するにしても毎作ごとに牛糞もみ殻堆肥を3㎡当たり中くらいの角スコップで軽く5杯程度と少な目ですが土の状態は健全に維持されているようです。
尚わが家では堆肥の量は野菜を問わずほぼ同量とし、施肥量は化成肥料の量で加減しています。
チンゲンサイの元肥の入れ方は畝全体に混和する全面施肥が良いでしょう。
種蒔き
①蒔き溝をつくる
板など畝に押し当て畝の長手方向と直角に条間17㎝、深さ1㎝の蒔き溝を作ります。畝と平行の蒔き溝に比べ小面積でたくさんの株を育てられるので、省スペースとなり家庭菜園向きです。
②種を蒔く
1㎝の間隔で重ならない様に種を溝に蒔きます。チンゲンサイの種はとても細かく蒔きにくいですが、丁寧に蒔いた方がその後の間引きもやり易く、綺麗に育ちます。尚種を蒔く際に畝が極端に乾燥しているときは、事前にたっぷり水やりしておきます。
乾燥した日が続く時は、早い時間に蒔くと日中すぐに乾燥してしまうので午後になってから種蒔きした方が良いでしょう。
余った種は使い切る迄何回も使えますのでしっかり保存しておきます。
③覆土する
1㎝位の厚さで種に土をかけ(覆土)板で軽く叩くようにして表面を平らに押さえます。
表面を押さえることにより種が浮くことなく土の中になじみ、表面がより平になり、又保湿効果が上がる効果もあり、さらに強い雨で種が流れもる心配も無く発芽も揃います。
土をかける時は親指と人差し指で溝の両脇の土を寄せるようにすれば簡単です。
④水をやる
ジョーロを使い、水が浸み込むのを待ち数回に分けて優しく水やりして種蒔きは終了です。尚畝が極端に乾燥している場合は前日から畝にタップリ給水しておいて、種を蒔く直前にレイキを使って表土を柔らかくしてから蒔き溝を作れば、水やりの際の浸み込みも良くなります。
発芽迄表土が乾かないように、注意しながら発芽を待ちます。発芽してからは水やりは不要です。
保温
3月初めの栽培のみまだ寒いためビニールトンネル内で保温しています。発芽する迄不織布のべた掛けをしておくと更に発芽が良好です。時季外れの高温の日もあるので日中トンネル内の温度管理に注意しながら収穫まで育てます。
間引き
1回目は子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように間引き、その後は成長に合わせて数回間引きして最終的には1条に4本程度とします。間引き菜も美味しく利用できます。
収穫
間引き菜も利用しながら好みの大きさ迄育てて収穫します。ベビーリーフから生育途中のさまざまな段階のものが収穫できるのも家庭菜園の大きな楽しみです。
5/中旬、早春蒔きの出来上がりです。種蒔きから約2か月かかりました。葉柄がふっくらしてしてチンゲンサイらしくなりました。
手入れ
※追肥
草丈5㎝位になったら条間に化成肥料を施し、畝間の土をすくって土寄せしますが、条の向きが畝と直角のため鍬が使えないので移植ごてを使います。
家庭用なら多くても10条位の栽培量で十分なので、移植ごてを使っても簡単に出来ます。
※病害虫
アオムシ、コナガ、ヨトウムシなどの被害を注意して観察します。丈も低い野菜なので、初めから防虫ネットでしっかり覆った方が楽です。
チンゲンサイのプランター栽培
チンゲンサイもプランターで簡単に栽培できます。間引き菜も利用しながら最終的には葉柄のしっかり膨らんだ大株も収穫可能です。
栽培時期
他の葉もの野菜同様にプランター菜園でも春、秋ともに栽培しておけば重宝します。4月初旬と9月初旬が種蒔きの適期です。
栽培手順
準備するもの
①プランター
縦520×横342×深さ267の野菜用プランターを使います。この中深のプランターは根の張りの浅いものからしっかりと張るものまで兼用できて使い勝手が良い為、わが家ではこの型でほぼ統一しています。
②野菜用培養土
草花兼用の培養土もありますが、高級品とはいかなくとも多少良質な野菜専用の培養土を使いたいものです。
赤玉土などの基本用土がしっかりと配合されて保水力、保肥力が優れているものは、再生しながら長く使えます。
新しい培養土を使えば病害虫のリスクが小さくて安心ですが、一度何かを栽培したものは病原菌や害虫の卵など心配も多くなり野菜が育つための養分も失われています。
再利用する場合は事前に日光や薬剤による除菌と殺虫そして失われた養分を補足するなどの土づくりが必要です。
又実際に用土を再利用する際は同じ土に再び同じ野菜や同じ科の野菜を栽培する事の無いように注意する必要があります。
③鉢底石
水はけを良くする為、プランターの底が隠れる程度に敷いて使います。ネットに入れて使えば、プランターの土を入れ替える際に土と混ざらずに作業が楽になります。
ネット入りもありますが、バラで買って自分でネットに入れた方が安上がりで量的な応用も自在です。
⓸チンゲンサイの種
種蒔き
①プランターに用土をいれる
プランターに鉢底石を敷いて、培養土を縁から3㎝迄入れます。
②種を蒔く
プランターの長手方向に深さ1センチの蒔き溝を、条間20㎝とって2本作ります。
溝は板か棒を押し当てて作ります。溝に種を1㎝間隔に筋蒔きして1センチの覆土をしたら軽く押さえ、ジョーロで優しく水やりします。
発芽までは表土を乾燥させないように注意しながら、適宜水やりをします。
間引き
1回目の間引きは子葉が展開したら固まって発芽しているところをほぐすように間引き、その後は成長に合わせて数回間引きして最終的には1条に4本程度とします。
間引き菜も癖がなく美味しく食べることが出来ます。
収穫
種蒔き後約45日位で収穫できます。元気が良くて美味しそうな時を見定めて収穫します。
4/10種蒔きして5/25に収穫した際の画像です。プランター栽培でもかなり大きく成長しています。
手入れ
※追肥
草丈5㎝位と15㎝位の時に化成肥料を条間とプランターの端にパラパラ程度与えます。週一度の液肥を与えても構いません。
尚チンゲンサイは抜き上がったような形になり不安定になりやすいので、追肥の際に土寄せしておくとしっかりと成長してくれます。
※病害虫
アオムシ、コナガ、ヨトウムシなどアブラナ科を好む害虫が付きやすいので防虫ネットで覆って栽培した方が安心です。
只プランターの場合少量なうえ身近に置けるので毎日しっかりとチェックしていれば害虫は手で駆除することも可能です。
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